私はつい先日、近隣の海辺のゴミ拾いのボランティア活動を募集していたので、子どもたちと一緒に参加してきました。
そのときに感じたのが「プラスチックゴミの多さ」でした。
でも、道端に落ちているゴミはもちろんですが、砂浜の浜辺に打ち上げられているごみの中にも、プラスチックのゴミがたくさんあるんです。
道端のゴミは「ポイ捨てだったり、風に飛ばされてきたりしたのかな?」と想像つきますが、海にはどうしてプラスチックゴミが多いんでしょうか?
実はこの「海に捨てられているプラスチックゴミ」は「海洋プラスチックゴミ」と呼ばれていて、世界中で大きな問題になっているんです。
その量はなんと「年間800万トン」とも言われています。
800万トンとは、東京ドーム約7個分。とんでもない量ですよね。
では、なぜこの「海洋プラスチックゴミ」がこんなにも捨てられているんでしょうか?
プラスチックゴミはどこからきてる?誰がどこで捨てているものなの?
この、「海洋プラスチックゴミがどこからきたの?」と考えたとき、頭に浮かぶのは
「誰かしらが海にポイ捨てしたもの」
「台風や大雨などの災害で海に流されたもの」
「発展途上国など、ゴミの処理が整っていない国から出されたもの」
などではないでしょうか?
でも実は!
この海洋プラスチックゴミ、その約8割もの量が「街から出たゴミ」なんだそうです。
普段、街中を歩いていると、さすがに道のど真ん中にはそんなにゴミは落ちていないと思います。
でもよくよく道端や、目につかないような隙間、排水溝などに目を向けてみると、
- ペットボトル
- ビニール袋
- お菓子の袋
- ストロー
これらのゴミは、
「ポイ捨てされたものだったり」
「ゴミ出しのときの袋がちゃんと縛られていなくて落ちてしまったものだったり」
「ゴミ袋をカラスが荒らして散らばってしまったものだったり」
そして、そんな「街中に落ちているプラスチックゴミ」は、風邪に飛ばされてたり、雨に流されたりして
「排水溝や川から流されて海へ」
どんどん流されて。
そうやって、「海洋プラスチックゴミ」となていってしまうんです。。。
プラスチックゴミを減らすために私たちが普段からできることは?
「ペットボトル」
「調味料の容器や肉や魚が入っているトレイ」
「お弁当の容器」
「まな板などの台所用品」
「消しゴムや定規などの文具用品」
「電気製品や建材」
「自動車の部品」
などなど。
生活していくうえで便利なプラスチック製品は、いろいろな場面で使われています。
そんなプラスチックは、軽くて丈夫という点がメリットですよね。
ですが、その丈夫さがあだとなってしまうのが「ゴミになった場合」です。
ゴミになったとしても、きちんと処理されれば問題ないのですが。
でも、ポイ捨てや自然災害などにより、海に流れついてしまうとやっかいなゴミとなってしまいます。
プラスチックは丈夫さゆえに、自然分解されることがありません。
ですので、海にプラスチックゴミがあることで、海にいる生き物に悪影響を与えてしまう他にも。
、
景観が悪くなることで、観光業への悪影響や漁業への悪影響・
そして巡り巡って、人体にも影響を及ぼす可能性も出てきてしまうんです!
海にゴミを流出させないためにもできることは
- きちんと地域の分別方法にしたがってゴミを捨てること
- 積極的にゴミ拾いをすること
- 詰め替え用品を使うようにすること
- プラスチック製の容器やスプーンやフォーク、ストローを使うことを控えること
プラスチックゴミが海の生き物に与える悪い影響!
プラスチックゴミがあることで、海が汚れてしまいます。
そうなると、海の生き物が住めなくなってしまうかもしれません。
また、エサと間違えたり、エサと一緒に食べてしまう生き物もいます。
ウミガメがポリ袋をエサのクラゲと間違えて食べてしまうという話は聞いたことがあるでしょうか?
間違って食べてしまったプラスチックゴミは、生き物の体の中で消化することができません。
消化することが出来ないので、間違って食べたプラスチックゴミは、食べた分だけお腹にたまっていってしまいます。
お腹の中がプラスチックゴミでいっぱいになってしまうと、エサが食べられなくなって死んでしまいます。
何度も間違って食べてなくても、プラスチックゴミで体の中が傷ついてしまったりすることで死んでしまうことだってあります。
他にも、小さくなったプラスチックゴミは、プランクトンなどをエサにしている小さい生き物が食べてしまう可能性があります。
そして、食物連鎖で巡り巡ってもしかしらたら私たちもプラスチックを一緒に食べているかもしれません。
人間は、プラスチック自体は身体にたまりません。
ですが、小さくなったプラスチックゴミは、海の中にある有害な化学物質を取り込みやすいと言われています。
プラスチックゴミに付いた有害な化学物質は、人の身体の中にたまっていく可能性があるんです。
海の生き物もですが自分たちを守るためにも、プラスチックゴミを海に流出させないように心がけたいですね!
プラスチックゴミの処理はどうしているの?
プラスチックゴミの処理方法は
- 単純燃却
- 最終処分場
- マテリアルリサイクル
- ケミカルリサイクル
- サーマルリサイクル
リサイクル処理されないものは、
- 単純燃却
- 埋め立て及び微生物分解
マテリアルリサイクル(物質還元リサイクル)ってなに?
ゴミになったプラスチックを溶かし、もう一度プラスチック原料にして、新しいプラスチック製品にする方法です。
- 花壇や公園で使われる擬木
- 植木鉢
- 定規
- 洗面器
- 駐車場車止め
- 鉄道標識
- 杭(くい)
ケミカルリサイクル(化学的リサイクル)ってなに?
プラスチックゴミを化学的に分解するなどして、化学原料に戻してからリサイクルする方法です。
油化やガス化して、化学原料として利用されたり
「モノマー化(比較的小さな分子からなる化合物)してもう一度プラスチック製品に活用したり」
「コークス(石炭を1000℃以上の熱で蒸し焼きにして作る。鉄を作る時に使う原材料)にしたり」
「コークスの代わりに高炉還元剤として使ったり」
されています。
ちなみにケミカルリサイクルとサーマルリサイクルは似ている部分もあるのですが、容器包装リサイクル法では、
- コークス炉原料化
- 高炉原料化
- ガス化
サーマルリサイクル(熱源利用リサイクル)ってなに?
プラスチックをガス化や油化、燃料に変えたり燃やしたりするときに出る熱を回収して利用する方法です。
「固形燃料化したり」
「セメント原燃料化したり」
「発電機を回すのに使ったり」
されています。
きちんと分別をすることで、一度使ったプラスチック製品は様々なものへと生まれ変わっているのです!
海のゴミの量は激増している?!グラフで見ると一目瞭然
では実際、海にはどれくらいの量のゴミが捨てられているのでしょうか。
環境省の調べによると、世界では毎年800万トン以上もののプラスチックゴミが海へと流れているとのことです。
海洋ゴミについてのグラフを見れば、プラスチックゴミの割合がいかに大きいかが分かると思います。
プラスチックゴミだけ、しかも確認できている範囲で800万トン以上…。
一体どれだけの量のゴミが海へ捨てられているのか、どうにか考えてみても検討がつかないし、本当にぞっとしますよね。
このままのペースで海にゴミが捨てられ続けられた場合について、考えていきましょう。
実は、2050年には海にいる魚の量より、ゴミの量の方が多くなると試算されています。
想像してみてください。
このままでは海は、魚の住む場所ではなく、人間たちのゴミ捨て場と化してしまいます。
- 美しい青
- 魚が元気に跳ねる海
まだ間に合うからこそ、一人一人が意識して行動を変えていくことが必要なのではないでしょうか。
例えば、プラスチックゴミであれば
- プラスチックの使われている商品をなるべく避けたり
- 使い捨てで捨てるのではなく再利用したり
海にゴミを捨てるとどうなるのか?
海にゴミが増えると、様々な悪影響が広がってしまいます。
例えば、海のゴミの中でもっとも多い種類であるプラスチックゴミは、海洋を汚染をするだけでなく、海の生き物たちの誤飲を引き起こすこともあります。
私たちが出したゴミは、動物の命や自然環境を傷つけてしまっているのです。
まず、環境汚染について、プラスチックは海にとって有害な成分を含んでいます。
また、プラスチックに付着する性質を持つ有害物質も存在するため、プラスチックは、海にあるだけで水を汚してしまうのです。
それに、プラスチックゴミはペットボトルなどの大きな物だけではありません。
「マイクロプラスチック」と呼ばれる、目には見えないほど小さな粒子のプラスチックゴミも海へ流出しています。
その小ささから、北極や南極にまで汚染が広がっているのが現状です。
そして、マイクロプラスチックは、海水を通じて動物たちの体内にも簡単に取り込まれてしまいます。
プラスチックは、自然に分解されることもなければ、動物の体内で消化されることもありません。
プラスチックゴミは、海や動物の中に知らず知らず蓄積されていき、悪い影響を及ぼしているのです。
海の自然環境や生態系を傷つけることは、私たちの暮らしにも直結する、とても重要な問題です。
プラスチックごみがなぜ海に?のまとめ
プラスチックはとても便利なものです。
ですが、その丈夫さゆえに適切に処理されないといつまでもゴミとしてそこにあり続けてしまいます。
「きちんと分別すること」
「ポイ捨てをしないこと」
「ゴミは持って帰ること」
などなど、私たちにできることはたくさんあります。
ひとたび海に流れ着いてしまえば、海の生き物にも悪影響を与えてしまいかねないプラスチックゴミ。
一人一人が心がけ、海のごみを減らしていきましょう!