
引き出しの奥から出てきた古いモバイルバッテリー、「さてどうやって捨てるんだろう」ってなりますよね。
乾電池式の機器みたいに「電池を取り出してから捨てるもの」だと思って裏返してみたけど、フタもなければネジの穴もない。
どこを触っても開きそうな気配がない。
「電池が抜けない…これ、壊れてるの?」「もしかして、無理やりこじ開けないといけないの?」そんな疑問を抱えながら調べているんじゃないでしょうか。
大丈夫です。
電池が抜けないのは、故障でも不良品でもなくて、最初からそういうつくりになっているんです。
そしてもっと大事なことを先にお伝えすると、モバイルバッテリーは「分解して電池を出してから捨てる」ものではなく、「本体のままリサイクル回収に出す」が正解です。
この記事を読めば、「あ、こうすればよかったんだ」とスッキリした気持ちで、安全に処分できるようになります。
電池が抜けないモバイルバッテリーは、分解せずに本体ごと回収へ
電池が抜けないモバイルバッテリーは、無理にこじ開けたり分解したりしなくてOK。
本体のままリサイクル回収ボックスへ持ち込むのが正しい捨て方です。
乾電池式のラジオや懐中電灯なら「電池を抜いてから捨てる」のが当たり前ですよね。
だからモバイルバッテリーも同じだろうと思うのは、ごく自然な発想です。
でも、モバイルバッテリーに内蔵されているのはリチウムイオン電池と呼ばれるもので、これは意図的に取り外せないつくりになっています。
取り出して捨てるのではなく、本体ごとリサイクルすることが前提の設計なんです。
「え、そのまま持っていけばいいの?」と拍子抜けした人もいるかもしれませんが、そうなんです。
ただ、持ち込む前に少しだけ確認することがあって、それをやっておくかどうかで「スムーズに受け取ってもらえるかどうか」が変わってきます。
次のパートでひとつずつ説明していきますね。
なぜ分解してはいけないの?リチウムイオン電池の特性を知っておこう
「分解してはいけない」と言われても、理由がわからないとちょっとモヤモヤしますよね。
ここでは「なぜダメなのか」を、難しい専門用語を使わずにお伝えします。
リチウムイオン電池は衝撃・損傷で発火するリスクがある
モバイルバッテリーの中に入っているリチウムイオン電池は、スマートフォンやノートパソコンにも使われている、私たちの日常にすっかりなじんだ電池です。
でも乾電池とは根本的に性質が違って、外部から強い衝撃を受けたり、無理に変形させたりすると、発熱・発火する可能性があります。
「ちょっとだけドライバーでこじってみよう」という軽い気持ちでやってしまうと、電池の内部を傷つけてしまうことがあります。
それがきっかけで熱を持ち、最悪の場合は火が出ることも。
「危ないかも」と思ったら、工具はそっとしまいましょう。(ドライバーを握ったまま画面を見ているあなた、今すぐ引き出しへどうぞ)
燃えるごみ・燃えないごみに入れてもいけない理由
「分解しないなら、ごみ袋に入れてもいいよね?」と思う方もいるかもしれません。
でもこれも、してはいけない行為のひとつです。
リチウムイオン電池を含む製品をごみとして出すと、収集車でごみが圧縮されたとき、あるいは処理施設で破砕されたときに電池が破損し、発火することがあります。
実際、各地のごみ収集車や処理施設での火災が社会問題になっており、環境省も注意を呼びかけています。
だからこそモバイルバッテリーには、専用のリサイクル回収ルートが設けられているんです。
面倒に感じるかもしれませんが、そのルートに出すのが一番安全でかんたんな方法です。
捨てる前に確認したい3つのポイント
回収に持っていく前に、3つのことだけチェックしておきましょう。
これをやっておくと、「せっかく持ち込んだのに受け取ってもらえなかった」という残念なことになりにくくなります。
難しくないので、ひとつずつ見ていきましょう。
①本体の裏面や側面に「リサイクルマーク」はある?
本体の裏面か側面に、矢印が三角形を描くようにぐるっと並んだマーク(スリーアローマーク)を探してみてください。
これが小型充電式電池のリサイクルマークです。
マークの横には「Li-ion」(リチウムイオン電池の意味)などの文字が書かれていることが多いです。
このマークがある製品は、JBRC(一般社団法人。
小型充電式電池のリサイクルを推進する団体)の協力店・協力自治体の回収ボックスへ持ち込めます。
ただし、リサイクルマークがないからといって必ずしも対象外というわけではなく、2001年以前に製造されたものにはマークがついていない場合もあります。
そのときはメーカー名を確認するのが次のステップです。
②メーカー名・ブランド名は本体に記載されている?
JBRCの回収ボックスが使えるのは、JBRC会員企業が製造・販売した製品だけです。
エレコム、パナソニック、Anker Japanなどの大手メーカーの多くが会員企業に入っています。
本体にメーカー名やブランド名が書いてある場合は、JBRCの公式サイトにある会員企業リストで確認してみましょう。
「どこで買ったか覚えていない」「もらいもの」「100円ショップで買った」という場合は、会員企業外のメーカーである可能性もあるため、後述する自治体への相談ルートを使うのが安心です。
③本体がふくらんでいる・変形している・発熱していない?
使っていないのに熱を持っている、本体がパンパンにふくらんでいる、落として変形やひびが入っているといった異常がある場合は要注意です。
膨張・破損・水濡れ・液漏れなどの異常があるものは、通常の回収ボックスに入れてはいけません。
こういった場合は、自治体の窓口に電話で確認してから持ち込む方法を教えてもらいましょう。
異常があるものを持ち歩く際は、衝撃を与えないようやさしく扱い、直射日光の当たらない涼しい場所で保管しておくのがベストです。
以前、防災バッグに入れっぱなしにしていたモバイルバッテリーを久しぶりに取り出したら、本体がパンパンに膨らんでいて思わず二度見しました。
怖くてすぐに触りたくなかったので、ビニール袋にそっと入れて平らな場所に置き、翌日市の環境課に電話してみたんです。
“通常の回収ボックスには入れないで。
うちに直接持ってきてください”と丁寧に教えてもらえました。
ひとりで判断しなくてよかったと、心から思いました。
回収ボックス・家電量販店・自治体、3つの処分ルート
確認が終わったら、いよいよ実際に処分するステップです。
大きく分けると3つのルートがあります。
自分の状況に合ったものを選んでみてください。
ルート①JBRCの協力店・協力自治体の回収ボックスへ持ち込む
リサイクルマークがあって異常もない場合は、まずこのルートがいちばんスムーズです。
JBRCのホームページには「協力店・協力自治体検索」のページがあり、自分の住まいの近くの回収場所を調べることができます。
ヤマダ電機、ビックカメラ、ケーズデンキなどの大手家電量販店の多くがJBRC協力店になっており、店内に黄色いリサイクルボックスが設置されています。
持ち込むときのポイントが2つあります。
- できれば残量をなるべく使い切ってから持ち込む(放電しておくと発火リスクが下がります。ただし膨張・破損品は充電・放電ともにしないでください)
- 端子部分(充電ケーブルを差し込む穴)をビニールテープで覆ってから持ち込む(ショートによる発熱を防ぐための大切な一手間です)
テープを貼ったら、そのまま回収ボックスに入れるだけ。
思ったよりずっとかんたんですよね。
先日、何年も引き出しの奥に眠っていたモバイルバッテリーを近所のヤマダ電機に持っていきました。
端子にテープを貼って、店内の黄色いボックスに入れるだけ。
スタッフさんに声をかける必要もなく、5分もかからずに終わりました。
“え、これでいいの?”と思うくらいあっさりしていて、2年近く迷って引き出しに放置していた過去の自分を少し後悔しました(あの時間を返してくれ……)。
ルート②自治体の小型充電式電池回収ボックスへ持ち込む
自治体によっては、市区町村の窓口や公共施設に小型充電式電池の専用回収ボックスを設置しているところもあります。
たとえば大分市では、市の本庁や各支所などに回収ボックスが設置されており、リサイクルマークのあるモバイルバッテリーなどを持ち込むことができます。
また、市内のJBRC協力店のリサイクルボックスも活用できると案内されています。
お住まいの地域ならではの対応がある場合もあるので、「(お住まいの自治体名) モバイルバッテリー 捨て方」で一度検索してみると、地元のルールがすぐに出てくることが多いです。
ルート③自治体の窓口に直接相談する
「リサイクルマークがない」「メーカーがわからない」「回収ボックスで受け取ってもらえるか不安」…そういうときは、自治体の環境課や廃棄物担当窓口に電話で相談するのがいちばん確実です。
「こういうモバイルバッテリーがあって、捨て方がわからないんですが」と聞けば、その地域のルールに沿った答えを教えてくれます。
自治体によって対応が異なる場合があるので、「ほかのサイトに書いてあったから大丈夫だろう」より、直接確認するほうが安心です。
膨らんでいる・壊れている・メーカー不明のときの注意点
ここは少し丁寧に読んでほしいパートです。
「通常の回収ルートに出せない可能性があるケース」をまとめました。
自分の手元にあるものがどれに当てはまるか、確認しながら読んでみてください。
本体が膨らんでいるモバイルバッテリー
内部のリチウムイオン電池が劣化すると、ガスが発生して本体が風船のようにふくらんでくることがあります。
これは電池内部で何かが起きているサインです。
膨らんでいるものは、通常の回収ボックスへの投入が対象外となっています。
無理に押したり変形させたりするのも危険なので、触るときはやさしく。
まずは自治体の窓口やJBRCに問い合わせて、対応の仕方を教えてもらいましょう。
保管するときは直射日光の当たらない涼しい場所に、平らに置いておくのがベストです。
落として変形した・ひびが入っているモバイルバッテリー
ヒビが入っていたり、大きく変形しているものも、回収ボックスへの持ち込みを断られる場合があります。
外見に損傷がある場合は、自治体や購入した販売店に一度相談してみてください。
見た目は無事そうでも、内部でダメージを受けている場合もあるため、「なんか形が変だな」と思ったら迷わず相談するのが正解です。
メーカー不明・リサイクルマークがないモバイルバッテリー
格安通販サイトで購入したもの、景品やプレゼントでもらったもの、どこで買ったかまったく覚えていないもの…こういったものは、メーカーがJBRC会員企業ではない可能性があります。
その場合、回収ボックスで受け取ってもらえないことも。
JBRCのホームページには会員企業のリストが載っているので、本体のメーカー名と照らし合わせて確認してみるのが最初のステップです。
会員外と判明した場合や、そもそもメーカーが書いていない場合は、自治体の窓口に相談してみましょう。
自治体によっては、別の方法で対応してもらえることがあります。
まとめ:電池が抜けないモバイルバッテリーの捨て方、この流れで動こう
最後に、この記事でお伝えした内容を整理しておきます。
電池が抜けないモバイルバッテリーは、分解しなくていい。
本体のまま回収へ出すのが正解です。
処分の流れをおさらいするとこうなります。
- 本体を無理に分解・こじ開けない
- 燃えるごみ・燃えないごみには絶対に入れない
- 本体裏面でリサイクルマーク・メーカー名・外観の異常を確認する
- 残量をなるべく使い切り、端子をテープでふさいでから持ち込む
- JBRC協力店の回収ボックスか、自治体の回収ボックスへ持ち込む
- 膨張・破損・メーカー不明の場合は、自治体や窓口に先に電話して確認する
回収場所は、JBRCのサイトで「協力店・協力自治体検索」から近くの場所を調べるか、「(お住まいの自治体名) モバイルバッテリー 捨て方」で検索すると出てきます。
わからないことがあれば、自治体の窓口に電話して聞くのがいちばん確実です。
引き出しの奥でずっと「どうしよう」と思いながら眠っていたモバイルバッテリー、この記事を読んで少しスッキリしましたか?
分解しなくていい、そのまま持っていけばいい、ただ少しだけ確認してから…それだけのことなんです。
「どうせ今度でいいか」という気持ちもよくわかります。
でも、リチウムイオン電池は長期保管中に状態が変わっていくこともあるので、「次に家電量販店に寄るついでに回収ボックスへ」くらいの軽い気持ちで、ちょっとだけ前に進めたらいいですよね。
もし、「そもそも自治体ではどういう区分で扱われているの?」ってもっと基本的なルールを知りたくなったら、こちらの記事も参考にしてみてくださいね。
分別の基本が分かると、さらに迷いがなくなりますよ。