ベッタリと物がくっついている様や焦げがついてしまった時に使う「こびりつく」という言葉。
「こべりつく」と「こびりつく」は似ている言葉だけど、共通語と方言に分かれて分類されているのですよ。
似ているようで似ていない言葉が多いのが日本語だけど、語源を深く追求していくと、言葉の発祥の由来が辿れるから、面白い言語ですよね!
また、他にはどんな言い方があるのか一緒に見ていきましょう。
もしかしたら、普段あなたが使っている言葉もあるかもしれませんよ。
こべりつくというのは方言なの?どこの方言でどんな意味?
「こびりつく」という言葉は、一応共通語として知られてる言葉だけど、これを方言として使っている地域も日本の中にはあります。
まずは、共通語として知られている「こびりつく」がどのようなシーンで知られているのか、ご紹介しますね。
そして、方言として用いられている「こべりつく」は、どこの地域で使われている言葉なのか、一緒に見ていきましょう!
「こびりつく」の意味は?方言として用いられている地域は?
「こびりつく」を感じに変換すると、「こびり付く」となり、何かがくっついていることがイメージ出来ますよね。
デジタル辞書で検索すると、動詞として以下の意味が出てきました。
- 固くなり、くっついて離れなくなる。
- 考えや印象が強く残る。
- 人がまとわりついている。
「こびりつく」が方言として使われている地域①新潟県中越地方
新潟県は、縦に長いので、地元の方は、
- 下越
- 中越
- 上越
その中でも新潟県の真ん中に位置する中越地方の方言として、「こびりつく」は使われていました。
「まんまがこびりついて、落ちねーて。」という使い方を地元の方はしており。
意味は、「ご飯が固まってくっついて、落ちないよ。」となります。
「こびりつく」が方言として使われている地域②愛知県名古屋市
名古屋弁としても「こびりついている。」という言葉は、よく使われています。
「底におこげがこびりついとる。」のように使っていて、意味は、「底に焦げがついてるよ。」となります。
新潟での使い方よりも、標準語に近い印象が受けられますよね。
「こびりつく」が方言として使われている地域③栃木県佐野市では「こべりつく」を用いている
「こびりつく」と同じ意味ですが、「こべりつく」というニュアンスで言い変えていました。
また、栃木県佐野市では、焦げ付くことを「こびつく」というようになったことから、このような言い方が広まっていったと言われていますよ。
同じ日本でも様々な日本語の使い方があるので、面白いですよね!
「こびりつく」の使用例は?
方言としての使い方のほかにも、普段から周りで使用している人が多い使い方もありますよ。
よく耳にしたことのある表現もあるかもしれないから、意味を理解した上で、納得して使えるとより使いたくなる言葉になるかもしれませんね。
それでは、4つの文章例をご紹介していきますね。
- その綺麗な夕焼けが(脳裏に)こびりつく。
- フライパンに(物が)こびりついてしまった。
- 食べた後のご飯茶碗をそのまま置いていたら、(米粒が)こびりついてしまった。
- 何故、その研究にこびりついているんだ!(結果がついてこないのに、往生際の悪いやつだ。)
こべりつくの「こべり」ってどういう意味なの?
「こべり」とは、くっついて離れなくなっていく様子を見たことから「こべり」という言い方が浸透していったと言われています。
確かに、「焦びる」の漢字の表記を見たら、なんとなく想像がつきやすい意味合いですよね。
でも、くっついている様を表した言葉だけじゃなく、おやつや完食のことを表す意味でも使われているんです!
「こべり」に込められている2つの意味についてご紹介していきますね。
「こべり」の意味①くっついて離れない様子
調理をしていて食べ物が「焦げ付く」様子から「こべりつく」と言うようになったけれど。
この様子が発展して、「嫌な物事が頭から離れない」といった考えにも使われるようになりました。
他にも、相手の考えを聞いても、自分の意見を変えることが出来ないくらい執着がある様子の時に、「こべり」と言うことがありますよ。
「こべり」の意味②おやつや間食という意味
主に、青森県や岩手県では、「こべり」をおやつや間食といった意味で使っています。
また、「こびる」を「小昼」という漢字の表記で表し、昼ごはんに近い時間を指したり、昼ごはんそのものを表して、使うこともあります。
「腹が減ったから、こびり食おうや。」のように、会話としては用いられることがあります。
東北地方以外では、滅多に使われていない意味合いになるから、県外に出たり他の県の出身の人が東北に来たら、意味が通じずに驚くかもしれませんね!
こびりつくの言い換えは?方言じゃないとどんな言葉になる?
こびりつくの意味を知ると、他の日本語でも同じ言葉がいくつか思い浮かびますよね。
もしも、「こびりつく」という言葉を使って、田舎者扱いをされるのが嫌だなと感じた時には、言葉を言い換えてみると、印象が変わりますよ。
私も地元から都会に出た時には、言葉やニュアンスが違って意味が通じず、恥ずかしい思いをしたものです。
大学デビューや就職が決まって、言葉の壁に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてくださいね。
「こびりつく」を他の言葉に言い換えると?
「こびりつく」という言葉の言い換えは、ほかに5つありました。
「こびりつく」という言葉をなるべく使用したくない人は、参考にしてみてはいかがでしょうか。
それと、言い換えると意味のニュアンスが思っていたことと違ったなんていうこともあるから、気をつけてくださいね。
「こびりくつ」の言い換え①つく「付く」
一般的に、色々な事柄や事象で使える言葉だから、意味のニュアンスが変わってしまったということも少なく、言い換えがしやすいと思います。
「匂いがついていない。」「ボタンがついている。」など、簡単なことでも使えるから、言い換えの練習にももってこいの言葉です。
「こびりくつ」の言い換え②「くっつく」
「磁石がくっついた。」「先生にくっついている。」など、2つ以上の物や人があれば、言い返しやすい言葉になります。
講義やサークルの場面では、使う回数が多くなりそうですね!
「こびりくつ」の言い換え③「ひっつく」
「くっつく」と似たような言葉だけど、地域によっては「くっつく」の方が普段から使っている回数が多いかもしれませんね。
「ひっつく」の方が使いやすいようであれば、こちらの言葉で言い換えてみても良いと思います。
「こびりくつ」の言い換え④「へばりつく」
くっつくよりも強度が高いイメージの時に、言い換えとして使用できる言葉です。
粘着力が高い、べとべとしているようなシーンに向いていますよ。
こべりつくとこびりつくのまとめ
「こびりつく」と「こべりつく」は、どちらも正解だけど、共通語として「こびりつく」の方が広まっていることが分かりました。
多くの日本が存在する中で、意味は一緒でも表現が違う言葉って面白いですよね。
もしも方言を使うのをためらっている方は、言い換えをしてみると、言葉でのコミュニケーションがスムーズに取れると思いますよ。
ぜひ、自分に合った使い方をして、言葉でのコミュニケーションを楽しんでくださいね。