
「家族で1日だけ出店してみたいんだけど、実際どうなんだろう」そんなふうに胸の中でそっと温めてきた気持ちってありませんか。
私自身、最初にその思いがよぎったときはワクワクよりも不安の方がずっと大きくて、機材の扱いが難しくないかとか子どもが退屈しないかとか売れなかったら落ち込んでしまうんじゃないかとか。
考えれば考えるほど足がすくむような感覚がありました。
でも不思議なもので、実際に挑戦してみると大変さの中にも小さな喜びがそっと顔を出してくれる瞬間があって、人の笑顔や家族の協力が重なり合う時間がとても愛おしく感じられたんです。
わたあめ屋は設備や手順がシンプルで、家族で動きやすいという特徴があります。
それでもイベントの雰囲気や天候、お客さんの流れによって状況が大きく変わることもあって、当日になって初めて実感することがたくさんあります。
だからこそ、事前に全体の流れや必要な準備を知っておくことで「自分にもできるかもしれない」という安心感につながりますし、慌てずに取り組める余裕が生まれます。
家族でひとつのことに向かって動く時間は、普段の生活とはまた違った結びつきを感じられる特別なものでもあります。
忙しい毎日の中で忘れかけていた気持ちにそっと触れられたり、子どもが頼もしく見えたり、思いがけない場面で家族の良さがあふれ出てくるような瞬間があるんです。
もちろんすべてが順調に進むわけではなく、戸惑いや緊張もありますが、小さな一歩を踏み出した先にはきっとあなた自身の中に温かい記憶が残るはずです。
今回の記事ではその一歩を安心して踏み出せるように、できるだけやさしく丁寧にお話ししていきますね。
家族で1日だけ出店するってどんな感じ?まずは全体の流れをイメージしよう
「1日だけイベントに出店してみたい」と思ったとき、まず気になるのが当日の流れや動きですよね。
準備ってどのくらい前から始めるのか、現地ではどう動けばいいのか、何に気をつければ慌てずに済むのか。
そういった「ざっくりした全体像」が見えていないと、不安だけが大きくなってしまうんです。
だからこそ、最初に一日の動きをイメージしておくことはとても大切ですし、「あ、こんな感じで流れていくんだな」とわかることで、家族全員の気持ちにも余裕が生まれてきます。
「朝の準備~閉店」までの1日の動き
基本的には、朝から夕方までの“長丁場”になります。
イベントによって集合時間は違いますが、多くの場合は午前8時前後に現地集合。
そこからテントの設営やわたあめ機の搬入、備品のセッティング、電源確認などの準備が始まります。
初めてのときはこの準備に1時間以上かかることもあるので、なるべく余裕を持った到着が安心です。
販売はイベント開始とともにスタート。
途中、交代で昼休憩を取りながら販売を続けて、午後3時~5時頃に閉店する流れが一般的です。
そこから機材の冷却、片付け、清掃、積み込みと、完全撤収までに1時間近くかかることも。
体力的にはかなり消耗しますが、時間ごとの動きを事前に共有しておくと、当日「次どうする?」と慌てずにすみますよ。
家族ならではの“役割分担”が安心材料になる理由
家族で出店する最大のメリットは、「言わなくても通じる連携」があることです。
たとえば大人がわたあめ機の操作をしている間、子どもが袋詰めを手伝ったり、お釣りを準備したり、呼び込みをしてくれたり。
小さな手でもできる作業があることで、子ども自身も「自分も役に立ててる」という誇らしさを感じることができます。
大人も細かい部分に手が回らなくても、お互いにカバーできる安心感があります。
もちろん、どの作業を誰が担当するかは事前に話し合っておくことが大切で、現場でバタつかないためにも
「何を任せるか」
「どこまで手伝ってもらうか」
を家族で共有しておくと、当日の連携がぐっと楽になります。
初めてでもできる?負担が大きくなりすぎないコツ
慣れていないと、どうしても「もっとちゃんとしなきゃ」と力が入りすぎてしまいがちです。
でも、実際にやってみると「完璧じゃなくても大丈夫だったな」と思える場面がたくさんあります。
お客さんはプロの業者と同じものを期待しているわけではなく、「家族で頑張っているんだな」というあたたかさに惹かれて足を止めてくれることも多いです。
だからこそ、無理なく続けるためには「がんばりすぎないこと」もすごく大切です。
販売時間をあえて短めに設定したり、「売り切れたら終了」にしたり、できる範囲の工夫で疲労を軽減できます。
最初から高い目標を掲げすぎず、「まずは経験してみよう」という気持ちで取り組むと、心の負担もぐっと軽くなりますよ。
1日の流れを見える化しておくと、当日のバタつきが減る
前日にでも、ざっくりとしたスケジュール表を作っておくと安心です。
「8時搬入」「9時セッティング完了」「10時販売開始」など、家族で共有できるタイムラインがあるだけで、次にやることが見えやすくなります。
当日頭が回らなくなっても、紙に書いてあることを見ればホッとできる。
その安心感があるだけで、心にも余白が生まれてきますし、「次はどうするんだっけ?」と慌ててしまうことも防げます。
子どもにも「今はこの時間だから、そろそろ呼び込みやってみようか」と声をかけやすくなりますよ。
わたあめ屋は小規模ビジネスに向いているの?メリットと気をつけたいポイント
「イベントでわたあめを売るって、実際どうなの?」と聞かれることがあります。
答えは、向き不向きがあるけれど“やり方次第でとても相性がいい”というのが正直なところです。
小さな規模で動かせる商材の中では、わたあめはかなり優秀な部類に入ります。
ただし、現場では思わぬところに落とし穴があったりもするので、始める前に「どこが強みでどこに注意が必要か」を知っておくと、心構えが変わってきますよ。
原価の低さ・回転の早さ・準備しやすさ
わたあめの大きな魅力は、そのシンプルさにあります。
必要な材料は、基本的にはザラメとスティックだけ。
原価は1本あたり10円~15円程度とかなり安く、1本300円で売れれば利益率は驚くほど高くなります。
作業も慣れてくれば1分以内に1本完成させることができるので、お客さんの回転も早いです。
さらに、機材も比較的軽量で設営がしやすく、スペースも小さめで済むため、初心者でも扱いやすいのがうれしいポイントです。
天候・混雑・人員負担などリアルなデメリット
ただし、どんなにメリットが多くても「屋外イベント」という性質上、天候の影響は避けられません。
とくに風が強い日は要注意です。
ふわふわのわたあめが風に飛ばされたり、うまく巻けなかったり、最悪の場合はお客さんの服に張りついてしまうこともあります。
さらに、行列ができるような混雑時はスムーズにさばけず焦ってしまったり、ずっと立ちっぱなしで体力的にキツくなったりすることも。
家族だけで対応する場合は、誰かがトイレに行く間の穴をどう埋めるかなど、細かな動きも含めて事前にシミュレーションしておくと安心です。
家族でやると乗り越えやすいポイント
一見ハードルに見える部分も、家族で一緒にやるからこそ助け合いながら乗り越えられることがたくさんあります。
「疲れたね」と言い合える関係性があること自体が、心の支えになるんですよね。
たとえば行列ができてパニックになりそうなとき、子どもが「あと何人?」と声をかけてくれたり、配偶者がさっとお釣り対応を引き受けてくれたり。
そんな小さな連携が積み重なることで、想像以上にスムーズに回ったりします。
「この人たちと一緒だからできた」という実感が、次の一歩にもつながっていきます。
実際の収支イメージ|1日出店するとどうなるの?
「やってみたい気持ちはあるけど、実際のところ収支ってどうなんだろう」この疑問は、ほとんどの人が最初に気になる部分だと思います。
わたあめ屋は原価が安いとはいえ、機材や備品に初期投資もあるし、1日出店でどれくらい利益が残るのかは気になるポイントですよね。
ここではあくまで一例として、できるだけリアルな数字に近い形で、収支のイメージをお伝えしていきますね。
原価と仕入れの考え方(“安く作ればいい”ではなく安全第一で)
まず大前提として、食品を扱う以上、原材料の安全性はとても大切です。
ザラメは1kgでおよそ100~120本分が目安で、価格は700円~1,000円ほど。
これにスティックや袋、着色・フレーバー用のパウダーなどを加えても、1本あたりの原価は10円~20円前後になります。
安く抑えることはできるけれど、
「見た目がきれい」
「味がしっかり」
「衛生的に保てる」
というバランスを大切にして、ちゃんとした製菓用資材を選ぶことが信頼にもつながります。
安さだけを優先すると、リピートや口コミにも影響が出てしまうことがあるので、安心して提供できる品質を意識して準備しておくといいですね。
客数・販売数で変わる売上の幅
売上はイベントの規模や来場者数によって大きく変動しますが、たとえば人通りがしっかりあるイベントで50~70本売れた場合、単価300円だと15,000円~21,000円の売上になります。
販売本数が100本を超えると、かなり忙しくなりますが、それでも原価を引いた利益は10,000円前後になることもあります。
ただし、イベントによっては来場者が思ったより少なかったり、隣の屋台と被ってしまったりで販売本数が30本程度にとどまるケースも。
だからこそ、「最低何本売れたら赤字にはならないか」を事前に計算しておくと、安心材料がひとつ増えますよ。
出店料・備品レンタル・交通費も忘れずに
意外と忘れがちなのが、売上以外のコストです。
出店料は無料~5,000円程度が多いですが、人気のイベントでは1万円を超えることも。
わたあめ機をレンタルする場合は1日あたり5,000~10,000円程度が相場で、発電機やテントのレンタル費用も加えると、合計で15,000円以上になる場合もあります。
移動距離によってはガソリン代や駐車場代も必要になりますし、こうした経費を差し引いたうえでの利益を計算しておかないと、「思ったより残らなかった…」と感じてしまうこともあります。
初めての出店では、まずは「経験」と「流れをつかむこと」を重視して、利益を求めすぎない方が気持ち的にもラクですよ。
「多くの家族が気になっている部分」を丁寧に紹介
「いくら儲かるの?」という質問に、正確な答えは出せません。
でも、「どういう条件のときに、どれくらい残るのか」という具体的な事例があると、自分が動いたときのイメージがぐっと持ちやすくなりますよね。
うまくいけば1万円以上の利益が出ることもあるし、出店料と仕入れでトントンになる日もあります。
それでも、実際にやってみて
「こんなふうに動くんだ」
「ここにお金がかかるんだ」と
体感できる経験は、次の出店の判断材料になります。
数字はあくまで道しるべ。
でも、その先に何を感じたかが、いちばん大切だったりするんです。
家族出店に向いているイベント・向かないイベントの見極め方
「どのイベントでも出せば売れる」というわけではないのが、わたあめ屋の難しいところであり、おもしろさでもあります。
実際にやってみるとわかるのですが、イベントの規模や客層、ブースの配置や主催者の雰囲気によって、売れ方や忙しさは大きく変わります。
だからこそ、はじめての出店で「失敗した…」と感じないためにも、あらかじめ“向いているイベントとそうでないイベント”を見極める視点を持っておくことはとても大事なんです。
地域のお祭り・学校行事・マルシェの特徴
地域のお祭りは、来場者数が多くて子ども連れも多く、わたあめとの相性は抜群です。
昔ながらの縁日らしさを感じる中で「わたあめあるかな」と期待して来てくれる人もいて、売上にもつながりやすいです。
出店料も比較的安く、初心者にはおすすめの場面です。
ただし、申込みが早く埋まりやすいのと、自治会とのやり取りがややこしい場合があるので、情報収集は早めにしておきたいところです。
学校行事は、子どもが主役の空間なので、わたあめの人気は高いですが、販売数が限られることが多く、営利目的が難しいこともあります。
「お祭りというより記念行事のお手伝い」という感覚で参加すると、トラブルもなく気持ちよく終えられることが多いです。
マルシェや手づくり市系のイベントは、おしゃれな雰囲気で「写真映え」する商品に注目が集まりやすいです。
その分、出店料が高かったり、客層が大人中心でスイーツ系が思ったより売れにくい場合もあるので、開催内容をよく読んで「子ども向けかどうか」を確認しておくことが重要です。
ブースの配置・電源の有無などで変わる働きやすさ
同じイベントでも、ブースの配置によってはお客さんの流れから外れてしまい、思うように売れないことがあります。
できれば通路沿いや出入り口付近、遊具やトイレの近くなど、人が集まりやすい場所を選べるとベストです。
ただし、場所は主催者が決めることが多いため、事前に「どんなレイアウトですか?」と聞いてみるだけでも、心構えが変わってきます。
また、わたあめ機は基本的に電源が必要なので、電源の有無は必ず確認が必要です。
会場に電源があるのか、持ち込み可能な発電機が必要か、電圧は足りているか。
延長コードの長さも含めて、現地の状況に合わせて準備しておくことで、当日「使えない!」と慌てることが減ります。
「無理なくできる範囲」を見極める視点
はじめて出店する人にとって、何よりも大切なのは「無理をしないこと」。
せっかくの家族出店なのに、準備から片付けまでヘトヘトになってしまっては、次につなげようという気持ちが残らなくなってしまいます。
移動距離、準備時間、イベントの規模、会場の混雑状況などを含めて「自分たちが気持ちよく動ける範囲かどうか」を見極めることが、気持ちよく終われるコツになります。
とくに小さな子どもがいる家庭では「長時間の販売は難しいかも」と判断する勇気も大切です。
時間帯を限定して出店したり、売り切れ次第終了というスタイルを選ぶのも、無理なく楽しむ方法のひとつです。
大事なのは、続けられる形を見つけること。
そのためには「どのイベントなら自分たちに合っているか」を見ていく目が必要なんです。
家族で動きやすい準備リスト|必要な道具と当日の動線
わたあめ屋の出店って、必要な道具は少なそうに見えるかもしれません。
でも、いざやってみると「あれが足りない」「これを持ってくればよかった」となることも意外と多いんです。
だからこそ、当日を落ち着いて迎えるためには、事前の準備がとても大切です。
ここでは、実際に家族で動くことを前提にした準備のポイントと、使いやすい動線づくりについて、実体験を交えながらご紹介していきますね。
短時間で設営しやすい機材・備品
基本の機材としては、
「わたあめ機」
「テーブル」
「テント」
この3点が核になります。
そこに加えて、
- 延長コード(15m~20m推奨)
- ブルーシート
- 布テープ
- アルコールスプレー
- 手拭き用ペーパー
- ゴミ袋
地面が砂利や芝生の場合は、テーブルの脚が沈まないように安定板や木の板があると安心です。
テントの風対策に水タンクや重りを持っていくと、安全性もぐっと上がります。
設営にかけられる時間はイベントによって限られているので、「できるだけ少ない動きでセットできる形」にしておくことが重要です。
子どもが手伝える部分・大人が担当したほうが安心な部分
家族で出店する最大のポイントは、子どもが参加できるかどうか。
とはいえ、すべてを任せるのは現実的ではありません。
お金のやりとり、機械の操作、衛生面の管理は、大人が担当したほうが安心です。
その一方で、呼び込み、わたあめの袋詰め、並んでいる人への声かけなど、子どもでもできる“お仕事”はたくさんあります。
本人の得意や性格に合わせて、「できそうなことを任せる」というスタンスで動けると、子ども自身もやる気が出て、チームワークが高まりますよ。
行列時の対応や衛生面の注意点
人気のあるイベントでは、想像以上に列ができることがあります。
そんなときに焦ってしまうと、巻く速度が不安定になったり、衛生面への注意が疎かになったりしてしまいがちです。
あらかじめ「今混み合っているため、順番にご案内しています」と書いたミニ看板を用意しておくと、安心して並んでもらいやすくなります。
また、手袋の交換タイミングや手指消毒のルールも、家族内で共有しておくと安心です。
見た目にわかる“清潔さ”は、お客さんからの信頼にもつながるので、「ちょっとやりすぎかな」くらいでもちょうどいいかもしれません。
動きやすいブース配置と荷物の置き方
せっかく家族で出店しても、ブース内がごちゃごちゃしていたら動きにくくてイライラしてしまいます。
設営前に
「機械を中心にして左右にスペースを作る」
「在庫や予備品は後方に置いて取りやすくする」
など、実際の動きをイメージしながらレイアウトを考えるのが大事です。
荷物を床に直置きすると衛生的にも心配なので、折りたたみの棚やコンテナボックスを活用すると見た目もスッキリします。
「誰がどこに立つか」「何をどこに置くか」が決まっているだけで、当日の混乱がぐっと減りますよ。
1日出店を成功に近づける“家族ならではの工夫”
どんなに準備をしても、当日になってみないとわからないことってたくさんありますよね。
機械の調子やお客さんの流れ、天候、子どものテンションまで、その日その場で臨機応変に対応することも多いです。
そんなときに効いてくるのが、“家族ならではの工夫”なんです。
ふだん一緒に過ごしているからこそできること、気づけること、助け合えること。
ちょっとした工夫が、大きな安心感と信頼につながることもあるんですよ。
子どもの笑顔は最強の集客力(※過度に誇張せず、あくまで雰囲気として)
大人が声を張り上げて呼び込みするより、ニコニコと立っている子どもがいるだけで、通る人の目がふと止まることがあります。
「かわいい~」と声をかけてもらえたり、親子連れが立ち寄りやすくなったりと、結果的に自然な集客につながることも多いです。
ただし、これはあくまで“無理のない範囲”で。
子どもに過度な役割を求めたり、がんばりすぎを強いてしまわないように、「今日はお手伝いありがとね」の気持ちで接してあげると、親子の空気もあたたかく保てますよ。
家族写真・お揃いの服など“安心感”を作る工夫
イベントでは、どんなお店かパッと見ただけではわかりにくいこともあります。
そんなとき、親子でおそろいのTシャツやエプロンを着ていると、「あ、家族でやってるお店なんだ」と伝わりやすくなるんです。
さらに、看板の横に「〇〇家のわたあめ屋さん」なんて写真が1枚貼ってあるだけでも、お客さんとの距離感がぐっと近くなります。
「アットホームさ」や「温かさ」は、なによりのブランドになることもあるんですよ。
お客さんとの距離を近くする声かけや温度感
「こんにちは」「ありがとうございます」といった当たり前の挨拶だけでも、心を込めて丁寧に言うことで伝わり方は変わります。
「今日は暑いですね」「風が強くてふわふわしづらくてすみません」そんな一言があるだけで、お客さんはホッとした気持ちになるものです。
とくに子ども連れのお客さんには「お子さん、袋閉じますか?」と聞いたり、「ちょっと大きめに巻いておきましたよ」と声をかけたりすると、その場の会話が生まれやすくなります。
お客さんとの間にやさしい空気を流すのも、家族出店の大きな魅力です。
やってみてわかる「家族ビジネスの良さと課題」
1日だけのイベント出店とはいえ、実際にやってみるとその濃さは想像以上です。
準備の段階から始まり、当日の慌ただしさ、そして片付けが終わった後のほっとした気持ちまで。
すべてを家族で共有するからこそ見えてくる景色があります。
うれしい瞬間も、ちょっとしんどい場面も、全部ひっくるめて「やってよかった」と思えるような経験が、そこには待っているんです。
1日一緒に働くからこそ生まれる達成感
普段の生活ではなかなか味わえないような、一体感や達成感が、イベント出店には詰まっています。
「今日は○本売れたね」と一緒に数を数えたり、「あのお客さんかわいかったね」と笑い合ったり。
小さなことだけど、その一つ一つが「チームでがんばった感覚」として心に残るんですよね。
子どもも「ぼくが袋に入れたやつ売れた!」と自信を持って話してくれるようになって、何よりもその表情が誇らしげで。
「家族でやる」からこそ味わえる喜びだなって思います。
意外と疲れるポイント・注意したい無理のサイン
楽しいだけじゃないのも正直なところです。
長時間の立ち仕事、暑さや寒さ、トラブル対応など、気づかぬうちに心も体も削られていきます。
とくに、飲食系の出店は衛生管理やお客さんへの対応に神経を使う場面が多く、終わったころにはヘトヘトになっていた…というのもよくある話です。
無理をしてまで続けてしまうと、家族間の空気がギスギスしてしまうこともあるので、
「今日はここまででいいよね」
「ちょっと交代しようか」
と声をかけ合える余白を持っておくことが、長く続けるためにもすごく大切です。
続けるかどうかの判断ポイント
一度経験してみると、自分たちにとって向いているかどうかが自然と見えてくるようになります。
「楽しかったから、またやりたいね」と感じることもあれば、「思ったより大変だったな」と感じることもあると思います。
それはどちらでも正解です。
1回でやめる選択も立派な判断ですし、続けていくなら次はこうしてみようという視点が育ちます。
大切なのは、「やってみて初めてわかったこと」を自分たちなりにちゃんと受け取って、それを次の行動にどう活かすかを考えることなんです。
まとめ
家族での1日出店というと、最初はなんだかハードルが高く感じるかもしれません。
でも、実際にやってみると、予想外の笑顔や温かい会話が生まれて「ああ、この時間を一緒に過ごせてよかったな」と心から思える瞬間が、いくつも訪れます。
わたしも初めて出店したときは、準備に追われてバタバタしながら、機械の動きにビクビクして、子どもが途中で飽きてしまわないか不安だったけれど。
帰り道に「今日はたのしかったね」と手をつないで歩いた時間が、今でも大切な記憶として残っています。
もちろん、出店には体力も気力も使うし、うまくいかないこともあります。
でも、そんなときに支えになるのが、家族の存在です。
「一緒にがんばった」という経験が絆を深めてくれるし、小さなトラブルすらも、あとから話のネタになるくらい愛おしく思えてくるものです。
この記事では、わたあめ屋を例にしながら、家族で出店する流れやコツ、リアルなお金の話までできるだけ詳しくお伝えしてきました。
何よりも伝えたかったのは「一歩踏み出してみる価値があるよ」ということなんです。
もし今、少しでも心が動いているのなら、それはきっと、あなたの中に「やってみたい」という気持ちがあるから。
不安な気持ちも抱きしめながら、できるところから小さく始めてみてくださいね。
1日だけでも、家族みんなでひとつの目標に向かって動いてみる体験は、きっとかけがえのない思い出になるはずです。
売上や成功だけじゃない、もっと深くて温かいものが残りますように。
そんな願いを込めて、この記事を締めくくります。

