小学校でも中学校でも、自分の所属する教室以外に「理科室」や「家庭科室」「美術室」など別な部屋に移動する授業がありますよね。
その中でも、理科室は背もたれのない椅子を使っています。
私が子供のころを思い起こすと、やはり背もたれのない木の椅子でしたね。
今は丸い背もたれのないパイプ椅子が多いようですが、全国どこの学校でも背もたれのない椅子になっています。
なぜ背もたれがないのかといえば、それは「生徒の安全のため」なのです。
理科の実験などは、時々扱い方を間違えると危険な状況になることもあります。
火を使ったりなどもしますし、液体をこぼしてすぐ逃げないと体にかかっちゃうなんてこともありますよね。
そんなとき、背もたれがなければさっと逃げることができます。
教室の全員が退避するような状況になっても、背もたれがなければ腰に当たったりもしないし、スムーズに脱出できます。
通路確保のためでもあります。
理科室というのは、教室のようにすべての机が前を向いて揃っているのではなく、大きなテーブルが何個かあって、その周りに椅子を置きますよね。
そうするとテーブルとテーブルの間は椅子が何個もある状態なりますよね。
背もたれもあると通路が狭くなってしまって、これもまた逃げ遅れる原因となります。
理科室の机が黒い理由は?実験をする上で作業がしやすい環境を解説
理科室の机が黒いというのは私も初めて知りました。
子供に聞いてみたら確かに黒いそうで、今は黒いのが一般的なようですね。
理科室の机が黒い理由~机に落ちた薬品が見えやすいようにするため~
白ではなくて黒にしている理由ですが、薬品が机に落ちた時によく見えるからということでした。
理科の実験で使う薬剤などは大半が白い粉末ですよね。
素手で触ると危険なものなどもありますから、机にこぼれていたらきちんと片付けないといけません。
これが白いテーブルだったらまったく見えませんよね。
小学生で触ると危険な薬品というのもあまり使わないとは思いますが。
テーブルに落ちているのを知らずに他の薬剤と混ざってしまったりしても化学反応で何か起こる可能性もゼロではないですから。
気づいた時点ですぐ片付けられるように、目立つ黒を選んだのですね。
理科室のカーテンが黒い理由~日光を遮断するため~
また、理科室のカーテンも黒のことが多いですがなぜだと思いますか?
理科では顕微鏡なども使いますが、日光の光が入ってしまうとよく見えないのです。
そんな時は、黒いカーテンを引いて日光を遮断して顕微鏡をのぞくとよく見えます。
黒じゃないとしても遮光カーテンにはなっているはずですよ。
理科室の水道は水圧が強いのはなぜ?理科室だけが強い理由を解説
理科室の水道は水圧が強いなって思ったことはありませんか?
だから手を洗おうと思って、水を出したら飛び跳ねて服がびしょぬれになったりなんて思い出が誰しもあると思います。
普通に想像すると、汚れがよく落ちるとか?なんて考えてみたりもするけれど、圧が強すぎて洗うどころではないですが・・・(笑)
理科室の水圧が強い理由①蛇口の先が細いから
まず、水道の先が普通の蛇口と違っているのに気づいていますか?
先が細くなっていますよね。
これはゴム管を取り付けるために細くしてあります。
理科で使うゴム管って細いですよね。
だから普通の蛇口だとゴム管がはまらないんです。
実際には他の水道と水圧は同じなんですが、先が細いために強く感じるということになりますかね。
理科室の水圧が強い理由②水圧の強さが必要な実験のため
それと共に、水圧が強くないとできない実験もあって、そのためでもあります。
吸引ろ過器や冷却器を使うのに適しているからです。
遠い昔の話なので、いつ習ったのか忘れましたが、小中学生で習う実験のようですね。
吸引ろ過器は、入れ物の内側の気圧を下げてろ過する方法です。
水を流して瓶の中の空気を吸いだすことで気圧が下がりますが、この時に水の勢いがいいほど早く空気が抜ける仕組みになっています。
冷却器は、アルコールランプで温めた水を早く冷やすために、水道水を下から上に流して冷却させるというものです。
水道水の勢いが強いほど早く冷却されます。
ゆっくり流れていると、外側の水もぬるくなってしまうので、早く流れれば常に冷たい水が当たるので、早く冷却されるということです。
これって実際は高校生の化学で習うものなので、ちょっと難しい話になってしまっています。
なんですかね、すいかをお風呂の水に入れて冷やすより、涼しい山に流れてる川の冷たい水流に付けておいた方が、早くおいしいすいかが食べられるみたいな話でしょうか。
普通の水圧でもできないわけじゃないけど、水圧が強い方が便利という感じです。
理科室の水圧が強い理由は?器具を洗うときに水圧が必要だから?
水圧が強ければ、実験に使った器具を洗うときにも便利だからという理由もあります。
他にも理科室の水圧が強い理由として「実験に使うためにゴム管を付ける必要があるから」という理由もお話ししました。
ゴム管が付いている方が実験器具も洗いやすいですよね。
さらにゴム管が付いていれば、流しを洗う時にも端まで水が行き届いて便利です!
器具を洗った後、流しも綺麗にしておかなければ、薬品や汚れがついたままになってしまいますので、流しの洗浄も大切です。
もちろん、実験に使った器具の洗浄も大切ですよ!
実験に使った器具の洗浄をおそろかしにしていると、だんだんと汚れがたまってしまい、実験が上手くいかなくなることも考えられます。
理科の実験で使う器具と言えば、ビーカーや試験管、フラスコなどでしょうか?
この内、ビーカーや試験管などは、ブラシで洗うことができます。
ブラシなどで洗えない
- 駒込(こまごめ)ピペット
- メスシリンダー
- メスフラスコ
この際に、駒込ピペットはピペット内に汚れが残ってしまわないように、ゴムキャップが付けてあった方から流水を注ぎ込んで洗います。
また、メスシリンダーやメスフラスコなどの目盛りが付いているものは、ブラシでこすったときに傷などがついてしまう可能性が考えられます。
メスシリンダーやメスフラスコに傷がついてしまうと
- きちんと計測できなかったり
- 目盛りがこすれて消えてしまったり
また、間に薬品が万が一入ってしまった場合でも、ゴム管が付いている方が薬品を流しやすいという理由もあるようです。
顔や目を洗う必要性のある事故が起きた時に、流しに顔を突っ込んでゴム管から直接水を当てるそうです。
このような理由で、理科室の水道の蛇口は細く、水圧が高いんですね!
理科室の椅子に背もたれがない理由のまとめ
理科室の椅子に背もたれがないのは、危険なことがあった場合に早く逃げられるためです。
テーブルが黒いのは、落とした薬剤の粉末や液体が目立つ色だからですね。
触ると危険なものもたまにはありますから、こぼしっぱなしはいけません。
また、理科室の水道は水圧が強いのは、蛇口の先が細いからということと、実験に使うのに水圧が強いほうが便利だからです。
理科室の「なぜ?」は解決しましたでしょうか。
どれも意味があってそうなっているのですね。