持っているだけ、飾っているだけでもオシャレな「ホーロー」。
お鍋ややかん・保存容器などで人気ですよね。
でも、ホーローの意味や性質、メリットやデメリットまでのこと、ご存知ですか?
私も2児のママで、実際にホーローのお鍋とやかんや保存容器を使っていますが、「何となくオシャレ」と言うだけで使っていました。
ホーローは何がいいの?見直されている8つの性質を解説!
実は、ホーローは
- 耐久性
- 耐熱性
- 冷却性
- 耐酸性
- 非吸着性
- 保温性
- 耐食性
- 耐磨耗性
そもそも「ホーロー」とは、鉄やアルミなどの金属の表面にガラス質の釉薬(ゆうやく)を吹きつけて高温で焼いた素材・製品のことを言います。
簡単に言うと、ホーローは「ガラスの層で覆われた金属」なんです。
- 金属がもつ強度や熱伝導の良さ
- ガラスがもつ非吸着性や見栄えの美しさ
詳しく見ていきましょう。
ホーローの優れた性質①「耐久性」
お伝えした通り、ホーローとは「鉄」の表面に「ガラス」を結合させた素材・製品です。
鉄とガラスの密着度は極めて高いため、「耐久性」が高いことがメリットの一つです。
ホーローで作られた浴槽は寿命が20年~30年と、長く使えるほどです。
ホーローの優れた性質②「耐熱性」
ホーローは製造過程で、釉薬を何段階にも分けて800度~900度の高温で焼きつけられます。
そのため、耐熱性があり家庭用オーブンはもちろん、約400℃の温度まで長時間耐えることができます。
特殊なホーローでは600℃以上でも耐えられるホーローもあります。
耐熱性があるからこそ、ホーローは、「直火やオーブン、グリル」でも使うことができます。
しかも、見た目もオシャレなので作った食事をそのまま食卓に並べることもできます。
お皿に移し替える手間も洗い物も減るので一石二鳥ですね。
ホーローの優れた性質③「保温性」
ホーローは、分厚い素地(そじ)と外部・内部をしっかりカバーした作りで、熱を逃しにくい「保温性」にも優れています。
温かさをキープできるので、寒い冬のシチューやおでん作りにピッタリです。
ホーローの優れた性質④「冷却性」
「鉄」はサビやすい特徴がありますが、ガラスで覆っているホーローならサビずに冷却性に優れています。
冷却性に優れているため、ホーローはゼリー作りやレアチーズケーキなど冷やす調理にもピッタリです。
また、バターの保管容器としてもおススメです。
ホーローの優れた性質⑤「耐酸性」
ホーローは耐酸性があって
- 塩酸
- 硫酸
- 有機酸
そのため、果物を使ったジャム作りにもおススメです。
ホーローの優れた性質⑥「非吸着性」
ホーローは、ガラスがもつ「非吸着性」の性質をもっているため、「ニオイがつきにくい」特徴があります。
ニオイがつきにくい特徴があるので、保存容器やお鍋などの台所用品でホーローがよく使われているのですね。
確かに我が家ではホーローのお鍋をカレー作りによく使いますが、お鍋のニオイが気になったことはありません。
また、「非吸着性」があるため「食べ物の成分が吸着しにくい」という特徴もあります。
フッ素樹脂加工のお鍋などは、食べ物の「塩分」がフッ素樹脂を傷つける原因になっています。
でも、ホーローは表面が非吸着性に富んだガラス質なので、食べ物の成分が吸着しにくいのです。
そのため、ホーローはお漬けものなど塩分が多い食材作りにも適しているんです。
ホーローの優れた性質⑦「耐食性」
ホーローはガラスで覆われている素材・製品なので、腐食しにくい性質「耐食性」にも優れています。
「耐食性」にも優れているから、貯蔵や醸造に使われるタンクや化学工業製品にもホーローはよく使われています。
ホーローの優れた性質⑧「耐磨耗性(たいまもうせい)」
繰り返し使用しても耐えられる性質「耐磨耗性」。
ホーローは、そんな耐磨耗性にも優れています。
時間が経っても表面が剥がれてきたり、ボロボロとこぼれ落ちたりしない性質なので、ホーローは浴槽や建材としてもよく使われています。
ホーローのデメリットは?高価でも長く使えるからコスパがいいものなの?
ホーローの性質やメリットをお伝えしてきましたけれども、実はホーローにはデメリットもあります。
ホーローのデメリットは
- 衝撃に弱い
- 電子レンジでは使用できない
- 鉄板の端部にサビができしやすい
それぞれ、詳しく見ていきましょう。
ホーローのデメリット①衝撃に弱い
ホーローは表面がガラスで覆われている素材・製品なので、落としたり強い衝撃を受けると壊れてしまいます。
ホーローのデメリット②電子レンジでは使用できない
ホーローの中身は「金属」です。
なので、ホーローは電子レンジでは使用できません。
ホーローが電子レンジの電磁波を反射してしまって、火花が発生してしまう危険性があります。
ケガや火事につながる可能性もあるので、ホーローに保管した食材を電子レンジで温めなおすときは、電子レンジ使用可能な素材や容器に移し替えましょう。
ホーローのデメリット③鉄板の端部にサビができやすい
ホーローの特性上、鉄板の端部には釉薬がかかりにくくなっています。
そのため、鉄板の端部はサビが発生しやすいデメリットもあります。
ただし、ホーローにサビが発生しても、「鉄サビ」は人の体に有害ではありません。
スポンジなどでサビを洗い落として、水気を拭き取り、しっかり乾燥させることでホーローを使い続けることができます。
日本で生産されている唯一のメーカー「野田琺瑯(のだほう)」の値段は?
日本で唯一、ホーロー作りの全工程を自社で一貫生産しているメーカー「野田琺瑯(のだほう)」。
「野田琺瑯」が手がけるホーローのお値段は、
- スクウェア Mシール蓋付:2,035円(税込)
- レクタングル深型 S琺瑯蓋付:2,255円(税込)
- POCHKA キャセロール 20cm:4,950円(税込)
- アムケトル:6,930円(税込)
(2023/7/20現在)
でも、毎日使う台所用品。
- ニオイ移りした保存容器
- 前に作った料理のニオイが残ったお鍋
- サビたやかん
ホーロー製品を長く使うためのコツ
では最後に、ホーロー製品を長く使うためのコツを6つご紹介していきたいと思います。
ホーロー製品を長く使うためのコツ①ぶつけない・落とさない
先ほどもお伝えした通り、ホーローは衝撃に弱い素材・製品です。
表面はガラス質なので、ぶつけない・落とさないように気をつけてくださいね。
ホーロー製品を長く使うためのコツ②空炊きをしない
ホーローは、中に何も入れずに加熱する「空焚き」をしてはいけません。
- 火災
- 製品の変形
- 取っ手やつまみなどの破損
- ひび割れ
- はがれ
もし、ホーローを空炊きしてしまった場合は、水をかけて冷やさずに自然に温度が下がるのを待ちましょうね。
ホーロー製品を長く使うためのコツ③炒め物や煎り物料理には使用しない
何でも調理に使えそうなホーローですが。
空焚きと同じように、ひび割れやはがれの原因になるので、炒め物や煎り物には使用しないようにしましょう。
カレーやシチューなど炒めてから煮込む料理は、フライパンなどで一度食材を炒めてからホーロー鍋に移して煮込むようにしましょう。
ホーロー製品を長く使うためのコツ④急冷をしない
急冷もホーローの「ひび割れ」や「はがれ」の原因の1つ。
温度を下げたいときは、空焚きの時と同じように自然に温度が下がるのを待ちましょう。
ホーロー製品を長く使うためのコツ⑤IHクッキングヒーターでは火力に注意
IHクッキングヒーターは、電気と鍋の金属抵抗によって発熱させる仕組みです。
高火力で調理ができるIHクッキングヒーターは、鍋全体に厚みがあって熱伝導率が良く、耐久性もあるホーローととても相性が良いんです。
ただし、ホーローの「鉄」と「ガラス」は、温度の上昇に伴って膨張する割合「熱膨張率」が異なります。
なので、IHクッキングヒーターの最大火力で使用するとホーローが変形・破損してしまう危険性があります。
IHクッキングヒーターでホーローを使用する際は、必ず「中温以下」で調理しましょう。
ホーロー製品を長く使うためのコツ⑥金属たわしやクレンザーでお手入れをしない
ホーロー製品に焦げや黒ずみ・着色汚れがついた時はゴシゴシ洗ってはいけません。
特に金属たわしやクレンザーでホーローをお手入れするとホーローの表面を傷つけて、ひび割れやはがれの原因になってしまいます。
汚れなどが気になる時は、お湯で一度やわらかくしてからスポンジでお手入れしましょう。
それでも落ちない汚れには、「重曹水」つけておいて、洗剤とスポンジでお手入れしてみてくださいね。
ホーローってどんな意味?のまとめ
「ホーロー」とは、鉄やアルミなどの金属の表面にガラス質の釉薬つけて焼いた素材・製品のこと。
つまり「金属」と「ガラス」の性質を併せもっているため、
- 耐久性
- 耐熱性
- 冷却性
- 耐酸性
- 非吸着性
- 保温性
- 耐食性
- 耐磨耗性
ぜひ、お鍋や保存容器など、生活用途に合わせてホーローを取り入れてみてくださいね。