フルーツケーキの上に塗ってある、キラキラしたゼリー状のもの。
何と言うかご存知でしょうか?
実はこれ、「ナパージュ」といいます。
ケーキってそれだけでも十分に魅力的ですが、ナパージュが塗ってあると、余計にみずみずしく見えて「ケーキの素敵さ」が格段に上がります。
というわけで今回は、このチート食材「ナパージュ」について
「ナパージュはキラキラ見せるだけじゃない!」
「2種類ある!手作りナパージュの作り方」
ということについて、見ていきたいと思います!
ナパージュの効果 ケーキが美味しそうに見えるだけじゃない
実は、ナパージュは美味しそうに見えるだけではない、様々な効果が期待できるのです。
ナパージュの効果1 フルーツの退色を防止
リンゴやバナナや桃とかって、切ったらすぐ茶色くなっちゃいますよね?
「先に切っといて、後で食べよう!」とか思って、桃を切って後、冷蔵庫に入れておいたら、ひどく茶色くなってて泣きそうになったことありませんか?
それも、ナパージュを塗れば解決です。
そもそも、これらのフルーツが黒くなってしまう理由は、フルーツに含まれる成分と酸素が結びつくからなんです。
ということなので、ナパージュでフルーツの表面を覆ってしまえば、酸素に触れることがなくなり、速攻解決してしまいます。
ナパージュの効果2 フルーツの乾燥も防止
例えば、あなたがリンゴを乗せたケーキを作ったとして。
「今日全部は食べきれないので、残りは明日食べようかな~!」なんてこと、ありませんか?
で、次の日になってみると…。リンゴがシナシナしている?!せっかくの美味しいリンゴが台無しですよね。
ナパージュを塗ると、これを防止してくれます。
シナシナするのは果物の断面から水分が蒸発してしまうからですが、表面をナパージュでコーティングすることで、水分の蒸発を防止する事ができるのです。
2種類ある!ナパージュを手作りするおすすめの方法
ではさっそく、そんなナパージュの作り方を書いていきましょう。
色々な作り方があるとは思いますが、ここでは私がおすすめしたい
- ペクチンを使ったナパージュ
- ゼラチンを使ったナパージュ
この2種類の方法をご紹介したいと思います。
ペクチンを使ったナパージュの作り方
「パインとかキウイとかに塗ります!」
「なるべくお店に近い仕上がりにしたいです!」
という方は、ペクチンを使ったナパージュをおすすめします。
「ゼラチンの主成分=タンパク質」なので、タンパク質分解酵素を含んでいる「パインとかキウイ」に塗ってしまうと固まらないのです。
実際にお店で使っているのも、ペクチンを使ったナパージュが多いです。
食材が柔らかめな感じですね。
- LMペクチン … 3g
- グラニュー糖… 25g
- 水 … 25g
- レモン汁 … 3g
②鍋に水を入れて沸騰させ、①を加える。
③グラニュー糖とペクチンが完全に溶けたら火を止め、レモン汁を加えて混ぜ合わせる。
④粗熱がとれたら完成!
どうです?簡単でしょう?
「なんか味付けしたい!」ってときには、ピューレを5~10gくらい入れてもOKです。
レモン汁と一緒に入れてください。
ピューレはジャムでも代用できますが、その際、砂糖は若干少なめにしてくださいね。
せっかくのフルーツの味が台無しになってしまいますよ。
ゼラチンを使ったナパージュの作り方
「使用頻度の少ないペクチンなんて、買うのが持ってないよ!」
というあなたは、ゼラチン使用のものを作ることもできます。
確かにペクチンなんて、そうしょっちゅうは使いませんよね。
- 水 … 50g
- グラニュー糖… 20g
- 板ゼラチン … 3g
②水とグラニュー糖を鍋に入れて火にかけ、そこにもどした板ゼラチンを入れて溶かす。
③粗熱をとって完成!
こちらも簡単ですね。ペクチンのナパージュと違うのは、固まった時の硬さです。
ペクチンの方は、冷蔵庫に入れておいてもそこまで硬くないのに対し、こちらはゼリーみたいにかっちりと固まります。
私はこの「いかにも塗ってます」感が苦手なので、ペクチンを使用して作ることが多いです。
人それぞれ好みがありますので、お好きな方を使ってくださいね。
ナパージュは何か別のもので代用できないの?
ここまで、ナパージュの作り方をご紹介してきましたが、「わざわざ作るのは面倒くさいなあ」と思った方もいるのではないでしょうか?
そこで、ナパージュの代用として使用できそうなものを挙げてみます!
果物を覆うことができれば良いわけなので、
- 果物の膜となり、
- 見た目と味の邪魔をしないこと
ナパージュの代用①はちみつ
はちみつはケーキの材料にも使われることがあるし、果物との相性も抜群ですよね。見た目も半透明で綺麗です。
しかし、ナパージュよりもかなり甘くて味が濃いので、塗り過ぎてしまうと「はちみつ味」になってしまう危険も…!
そこでおすすめなのは、はちみつをお湯で溶かして、薄めて使うこと。
良く溶かしてくださいね。はちみつで代用する場合は、使い過ぎに要注意です!
ナパージュの代用②ジャム
はちみつを使うことができるなら、ケーキに合ったジャムを使うのもおすすめです。
はちみつ同様、甘くて味が濃いので、薄めてから使うようにしましょう。
また、果肉が含まれていることも多いので、一度こしてから使うと綺麗な仕上がりになります。
ナパージュの代用③寒天
寒天が家に常備されているご家庭は少ないでしょうか…?
もしおうちに寒天があるならば、寒天での代用もおすすめです。
こちらは上の2つと反対に、甘味がないものになってしまいます。
なので、お湯で溶かすときに少しだけ砂糖を加えると、よりナパージュに近いものができますよ。
もちろん、ナパージュを使うのがベストではあります。
でも、もっと気軽に家にあるもので代用したい場合は、こちらも参考にしてみてくださいね。
チーズケーキのつや出しもナパージュ?!家庭でできる簡単な方法は?
フルーツを使ったケーキに使われることの多いナパージュですが、実は、果物を美味しく保ってくれるだけじゃないんです。
他にもナパージュがよく使われているのが、チーズケーキです。
表面がツヤツヤと光った、綺麗なチーズケーキを見たことはありませんか?
そのツヤツヤの正体こそ、ナパージュだったんです!
ナパージュ、こんなところにもいたのか…!
表面がツヤッとしているだけで、とてもプロっぽい仕上がりになりますよね。
家では作れないと思っていたあのツヤ感を、ナパージュを使うことで再現することができるんです!
それでは、チーズケーキをツヤツヤに仕上げる方法もご紹介しておきますね!
焼き上がりすぐではなく、冷めた状態のケーキにナパージュを塗り、冷蔵庫で冷やします。
冷蔵庫で寝かせることで、綺麗なツヤツヤチーズケーキが出来上がりますよ!
ちなみに、チーズケーキにナパージュを使う場合でも、上で紹介した代用ナパージュを使うことができます。チーズケーキの味、甘さをかき消してしまわないように気を付けてくださいね。甘さ控えめのチーズケーキを焼いた場合は、いいアクセントになるかもしれませんね。
ケーキ自体の甘さや、ナパージュの甘さを調整しながら作ってみてくださいね。
ケーキのフルーツに塗ってあるキラキラのまとめ
お伝えしてきました内容をまとめると
①ナパージュの効果1:フルーツの退色防止
茶色くなるフルーツ(リンゴ、バナナなど)に塗ると、酸素との接触を防ぐことができる。
②ナパージュの効果2:フルーツの乾燥防止
表面を覆ってあげることで、水分の蒸発を防ぐことができる。
③ペクチン使用のナパージュの特徴
- タンパク質分解酵素を含むフルーツにも塗ることができる
- お店に近い仕上がりになる
④ゼラチン使用のナパージュの特徴
- 「ペクチンなんて、持ってないよ」という方にも便利
- 冷蔵庫に入れるとかっちり固まる
こんな感じでいかがでしょうか?
ナパージュは、固めたムースに塗ったりと、フルーツ以外でも応用がきくので非常に便利です。
簡単に作れるものなので、ぜひ習得してくださいね。