相撲と言えば、日本の国技で、おじいちゃんおばあちゃんから、小さな子供まで、日本人にとってはなくてはならない競技ですよね。
我が家の2歳の三女ですら、もう「どちゅこいっ」とか言ってます。笑
相撲は、それだけ日本人にとってはなじみのある競技ですが、その詳しいルールや内容などについては、あまり知らないという方も多いのではないでしょうか??
実は私もその一人で、基本的なルールはなんとなくわかりますが、少し細かいことになると全然わからないことが沢山あります。
そして、そんな相撲を見ているとよく出てくる言葉の中に「変化」という言葉があります。
相撲の「変化」とは?何が変わること?
今回取り上げるテーマは、相撲の「変化」についてです。
「相撲の変化」と言われても、「なにか変わるの?」というような感想だと思います。
相撲における“変化”とは、立ち合いで相手の攻撃を見て、相手の左側か右側へからだをかわすことを言います。
つまり、変化させるのは体の位置ということですね!
「(立ち合いで)変わる」や「(立ち合いに)注文をつける」という風に表現することもあります。
もっと具体的に言うと、相撲の変化とは
「立ち合いでぶつかり合う瞬間に体を左右に交わすことで相手の体制を崩し、そのまま叩き込みなどによって勝負を決める戦法」
のことをいいます。
一種の奇襲攻撃で、失敗すれば一気に押し出されるリスクも伴いますので、ハイリスクハイリターンな技と言えますよね。
また、この「変化」とは別で、
「体重の少ない力士や小柄な力士が、立ち合い直後の相手の圧力を回避するために、体をかわして相手の横河へまわり、直後に受けるあたりの威力を少なくする戦法のこと」
のこともも“変化”というそうです。
どちらにしても、相手がむかってきた時に、自分の体制を“変化”させることを、相撲においての“変化”といいます。
相撲で変化したことのある横綱はいる?その時会場はどうなった?
相撲の“変化”という戦法については、相撲の品格にかかわるということで、多くの相撲ファンからはあまり歓迎されない技です。
ここ数年でも、横綱がこの“変化”の戦法をつかったということで、非常に話題となりました。
2016年3月27日におこなわれた大相撲春場所千秋楽で、横綱白鵬が、当時横綱だった日馬富士と取り組みをおこないました。
横綱同士の直接対決ですから、当然相撲ファンは迫力のある横綱相撲を期待しますよね!
ところが、立ち合い直後に白鵬が変化をして、取り組みがはじまってほんの一瞬で勝負が決まってしまったのです。
変化をかけられた日馬富士は、その突進そのまま、一直線に土俵を駆け下りて行ってしまいました。
まさかの横綱同士の取り組みで、千秋楽での“変化”。
会場では、
- 「勝てばなんでもいいのか!!」
- 「恥を知れ!!!」
優勝インタビューでマイクを向けられた白鵬は、そのヤジをじっと聞いて言葉が出なくなってしまったそうです。
そして、「本当に千秋楽、ああいう変化で決まるとは思っていなかったので、本当に申し訳ないと思います」と謝罪。
その後も、声がつまって上手く話せなくなり、なんども「すいません」と謝罪の言葉を発し、最後は涙があふれ手で拭うという結末に。
この様子はNHKで生中継されていたため、全国のファンがその様子を見ることになってしまいました。
その後、ネット上では、変化の技を使った白鵬よりも、何もせずに自爆して土俵をかけおりた日馬富士の方に批判が集まりました。
それだけこの“変化”という技は難しい技というのがわかりますよね!
相撲で技をかわすことの何が悪いの?相撲の本質から紐解くその理由
ではなぜ、この“変化”を使うとブーイングがおこるのでしょうか?
その理由は、相撲の本質と離れているからということです。
大相撲では、がっぷりと真っすぐ相手にぶつかるか、四つに組みに行くのを良しとしています。
なので、相手の技や突進をかわして勝ちを取りに行く“変化”は、これによって勝利したとしても評価は得られず、むしろブーイングや批判の対象となってしまうのです。
特に、横綱や大関などの上位力士が、下位の力士に対してこれをおこなったり、大一番でおこなうのはタブーとされています。
先ほどご紹介した「白鵬と日馬富士の取り組み」は、やってはいけないタブーの取り組みだったというわけです。
下位の力士の場合、一発勝負として使う事もありますが、繰り返し使っていると「強くなりたいならやってはダメ」と指揮者から批判されることもあります。
何より、ケガのリスクなども増えますので、あまり多用するのはやめた方が良さそうですね。
相撲の変化の意味って?のまとめ
相撲で言う「変化」について見てきました。
相撲の“変化”、実は私も今回でこの言葉を初めて知りました。
ブーイングが起こる理由もわかったので、ますます相撲を楽しく見れそうです。
次に相撲中継を見る時は、ぜひこの戦法にも注目して、観戦してみてくださいね!