子ども手当と児童手当の違いは?呼び方だけじゃない制度の中身を解説

スポンサードリンク

子どもが生まれると「児童手当」がもらえるようになりますよね。

実際に子育てをしていると、数ヶ月ごとに振り込まれるこの手当はとても助かる存在です。

でも少し前までは「子ども手当」と呼ばれていたこと、覚えている方も多いのではないでしょうか。

この「児童手当」と「子ども手当」、どちらも似たような響きで、どちらも子育て世帯を支援する制度という点では同じように見えます。

でも、よく調べてみると制度の内容や対象、金額、そして設けられている条件などが実はけっこう違うんです。

この記事では、「子ども手当と児童手当の違いって何?」という素朴な疑問に対して、それぞれの制度の歴史や背景、今現在の制度の仕組みまでをできるだけわかりやすく解説していきます。

これから手当を受け取る予定の方や、改めて確認しておきたいパパ・ママにとって、少しでも参考になればうれしいです。

スポンサードリンク

子ども手当と児童手当の違いは?わかりやすく比較

スポンサードリンク

そもそも子ども手当と児童手当って何?

「児童手当」は1972年にスタートした、子育て中の家庭を経済的に支えるための国の制度です。

はじめは5歳未満の第3子以降に月額3,000円が支給されるという、かなり限定的な内容でしたが、時代とともに対象や支給額が少しずつ見直されてきました。

その結果、現在のように0歳から中学生までの子どもを対象にした広い制度へと発展しています。

いっぽうで、「子ども手当」は2010年に民主党政権が導入した比較的新しい制度です。

当時は「子育てにもっと手厚い支援を」という考えのもと、すべての子どもに対して月額26,000円を支給するという、大きな方針転換が話題となりました。

この2つの制度は、どちらも子育て世帯に向けた支援策という点では共通していますが、実は内容や目的、制度設計に明確な違いがあります。

「児童手当」は長期的で安定した制度を目指したもの、「子ども手当」は一時的かつ大きな支援を掲げた制度でした。

それぞれの制度が誕生した背景には、時代のニーズや政治の方針が色濃く影響しています。

制度上の違いはここにある!

大きな違いのひとつが「所得制限」です。

子ども手当は、どんな家庭であっても一律で支給されていたのが特徴です。

つまり、収入が多いご家庭でも、少ないご家庭でも関係なく、同じ金額がもらえるという公平性を重視した制度でした。

それに対して、現在の児童手当には所得制限がしっかり設けられていて、一定以上の所得がある家庭には「特例給付」として月額5,000円のみの支給となっています。

所得の算定には、扶養親族の数によって基準が異なるなど、細かい条件もあります。

さらに、支給される金額にも大きな違いがあります。

子ども手当は月額26,000円を予定していましたが、児童手当は年齢や出生順によって金額が変わるしくみになっており、たとえば

  • 3歳未満は一律15,000円
  • 小学生以降は1万円
  • 第3子以降は15,000円
と段階的です。

また、対象となる子どもの年齢範囲はどちらも0歳から中学校卒業までですが、支給方法にも違いがあります。

子ども手当は毎月支給されていたのに対し、現在の児童手当は3か月ごとにまとめて振り込まれる仕組みになっています。

こうして見ると、単に名称が変わっただけではなく、制度の中身にもいろいろな違いがあることがわかりますね。

現在使われているのはどっち?

現在支給されているのは「児童手当」です。

2013年に「子ども手当」から再び名称が戻されて以降、この児童手当という名前と制度が継続されています。

実際に今、役所に申請する際も「児童手当申請書」という名称になっており、子ども手当という呼び名は公式には使われていません。

ニュースやネットの情報でも、ほとんどが「児童手当」で統一されています。

とはいえ、「子ども手当」と呼ばれていた時代の名残で、今でも両方の呼び方が混在して使われることがあります。

でも混乱しなくて大丈夫。

今は「児童手当」が正式な名称ですので、覚えておくと安心です。

スポンサードリンク

子ども手当はいつの制度?なぜ消えたの?

2010年に始まった「子ども手当」とは

子ども手当は2010年に始まった、当時の民主党政権による大きな政策のひとつでした。

この制度は、子育てにかかる経済的な負担を減らし、すべての子どもに平等な支援を届けることを目的として作られました。

その特徴はなんといっても、0歳から中学校を卒業するまでのすべての子どもに対して、所得制限を設けずに月額26,000円を支給するという、大胆な仕組みでした。

当時の選挙公約でも大きく打ち出され、子育て世代から多くの期待が寄せられていたのを覚えている方も多いかもしれません。

保育園や幼稚園の費用、学用品の購入、食費など、子どもにかかるお金は思っている以上に多く、「手当が増えるなら生活が少し楽になるかも」と感じた家庭も多かったことでしょう。

また、毎月決まって支給されるという点も、家計を安定させる面で非常に評価されていました。

この制度は、それまでの「児童手当」とは大きく異なるスタンスを取っていたため、社会全体でも大きな話題となり、導入当初はニュースでも頻繁に取り上げられていました。

満額支給されなかった背景とは

実際には、当初予定されていた月額26,000円の満額支給は実現しませんでした。

その大きな要因となったのが、2011年に発生した東日本大震災です。

この大規模な災害により、国全体での予算の見直しが必要となり、復興資金の確保が最優先とされたことで、子ども手当に割り当てられる財源が不足してしまったんですね。

また、当初の制度設計自体にも財源確保の課題があったとも言われており、「本当にこの金額を全国の子育て世帯に毎月支給できるのか?」という懸念が早い段階から指摘されていました。

財政の持続可能性に疑問が生じたこともあり、支給額は見直される方向へと進み、結局は段階的な減額措置が取られることになりました。

当初の期待が大きかっただけに、制度が縮小されていく過程では「話がちがう」と感じた方も多かったかもしれません。

子育て世帯の中には、あてにしていた金額と実際に受け取れた金額との差に戸惑いや不満を感じたという声も見られました。

2013年に「児童手当」に戻った理由

その後、政権が交代し、新たな政治方針のもとで「子ども手当」という名称と制度の見直しが進められました。

そして2013年、正式に「子ども手当」は廃止され、「児童手当」という名称が復活しました。

制度の内容も一部修正され、支給金額や所得制限などが見直されましたが、以前の児童手当の特徴を踏まえた、より現実的で持続可能な制度へと落ち着いた形です。

この変更は、財政負担を抑えつつも、子育て世帯への支援を続けるためのバランスをとった結果とも言えるでしょう。

現在私たちが受け取っている「児童手当」は、こうした制度の試行錯誤の末に形づくられたものなんですね。

スポンサードリンク

現在の児童手当とは?支給内容と条件をチェック

支給対象年齢と金額の詳細

現在の児童手当は、子どもの年齢や出生順によって細かく金額が設定されています。

この仕組みは、子どもの成長段階や家計の変化に応じた支援を目指して作られており、それぞれの家庭の状況に合わせた手当となっているのが特徴です。

具体的には以下のような金額で支給されています:

3歳未満の子どもには、一律で月額15,000円が支給されます。

乳幼児期はおむつやミルクなどで出費がかさむ時期なので、この金額はとても助かると感じる家庭が多いようです。

3歳以上から小学校修了前までは、月額10,000円が支給されます。

ただし、第3子以降についてはこの期間も月額15,000円が支給されます。

兄弟姉妹が多い家庭にとっては、この加算は非常に大きな支えとなっています。

中学生になると、一律で月額10,000円が支給されます。

学用品や部活動、塾などの費用が増える時期でもあるため、子育て世代にとって継続的な支援としてありがたい金額です。

所得制限を超えている場合は、特例給付として一律5,000円が支給されます。

これは制度の公平性を保つための措置で、一定以上の収入がある家庭にも最低限の支援を残している形です。

このように、児童手当は子どもの年齢や家族構成によって細かく支給額が決められていて、家庭の負担を軽減するための工夫がなされています。

所得制限や特例給付の仕組みとは

児童手当には、扶養している家族の人数によって変わる「所得制限」が設けられています。

これは、家族構成によって生活に必要な支出も異なるため、それを考慮した公平な基準が設定されているからです。

例えば、扶養親族が2人いる家庭の場合、所得制限の基準は698万円で、収入ベースで換算すると約918万円になります。

これを超えてしまった場合は、通常の児童手当の金額ではなく、「特例給付」として一律月額5,000円が支給されるかたちになります。

この特例給付は、制度の対象から完全に外してしまうのではなく、高所得世帯にも一定の支援を残すために作られたものです。

「うちはもう手当はもらえない」と思っていたご家庭でも、実は5,000円が支給されているということもあるので、しっかり確認しておくことが大切です。

また、所得の判定に使われるのは、前年の12月31日時点の所得で、扶養している家族の数によって変動します。

扶養親族が1人増えると基準額も高くなるため、家族構成に応じた調整が行われています。

このように、児童手当の所得制限は一律ではなく、家庭ごとの事情を考慮した仕組みとなっているのが特徴です。

実際にいくらまでなら支給対象になるのか、気になる方は自治体のサイトや窓口でシミュレーションしてみると安心ですよ。

支給時期や手続き方法も知っておこう

児童手当は、年4回に分けて支給されます。

具体的には、2月・6月・10月の年3回、それぞれの月に3か月分がまとめて振り込まれる仕組みです。

たとえば、6月の支給分では、4月・5月・6月分が一括で支給されます。

この支給方法により、手当を計画的に使いやすくなるというメリットもありますが、支給月をうっかり忘れてしまう方もいるかもしれません。

通帳の入金履歴などをチェックしておくと良いですね。

また、児童手当を受け取るためには、出生届や転入届の提出とあわせて、役所で所定の申請書を提出する必要があります。

申請をしないと、たとえ対象条件を満たしていても支給されないので注意が必要です。

さらに、毎年6月頃には「現況届」の提出も求められます。

これは、引き続き児童手当の支給対象であるかを確認するためのもので、提出し忘れると手当がストップしてしまう可能性もあります。

これらの手続きは、子育て中で忙しい中ではつい後回しにしがちですが、大切な支援を確実に受け取るためにも、カレンダーなどにメモしておくと安心ですよ。

スポンサードリンク

児童手当と子ども手当の比較表で違いを整理!

対象年齢・金額・所得制限の違い

名称の変遷と制度の移り変わり

「児童手当」→「子ども手当」→「児童手当」と、制度の名称はこれまでの政治の流れや方針の変化によって何度か変更されてきました。

初期の「児童手当」は1972年に始まり、少額ながらも子育て支援の第一歩として定着しました。

その後、2010年には民主党政権のもとで「子ども手当」として大きくリニューアルされ、支給金額の増額や所得制限の撤廃など、より多くの家庭が支援を受けられる制度へと転換されました。

このときは「児童手当」という名称も一時的に廃止され、全国的に「子ども手当」という名称が使われていました。

しかし、東日本大震災などの影響もあり、満額支給が難しくなったことや財源の問題が浮き彫りになり、制度は見直されることに。

2013年には政権交代を経て再び「児童手当」という名称とともに、より現実的な内容で制度が再設計されました。

このように名前が変わるたびに、制度の内容や支援のあり方も少しずつ変化していますが、その根底にある「子育て家庭をサポートしたい」という目的は一貫して続いているんですね。

名前の変遷だけにとらわれず、それぞれの背景や制度の中身もあわせて知っておくと、より理解が深まりますよ。

スポンサードリンク

児童手当は子育て家庭の味方!かしこい活用方法も紹介

児童手当のおすすめの使い道とは

児童手当は、毎月の生活費の一部として使うこともできますが、少し先を見据えた「計画的な使い方」をするのがおすすめです。

特に、子どもが大きくなるにつれて必要になる教育費や、習い事、クラブ活動にかかる費用など、今後確実に発生する支出に備えるという考え方が大切です。

たとえば、小学校高学年から始まる塾通いや、ピアノや英会話などの月謝、さらに中学や高校で必要になる制服代や教材費などは意外と高額です。

児童手当をこれらの費用の準備金として少しずつ積み立てていくことで、いざというときに家計への負担をやわらげることができますよ。

また、医療費や通園・通学にかかる交通費など、日々の出費の一部にあてるのも現実的です。

ただし「なんとなく使ってしまう」と、気づけば手元に残らないということもあるので、使い道を決めておくと安心です。

子ども名義の口座で将来に備えるアイデア

児童手当を貯めておくうえでよく取り入れられているのが、子ども名義の貯金口座を作っておくという方法です。

この口座に手当を毎回振り込んでいけば、自然とまとまった金額を蓄えることができます。

この貯金は、将来の高校や大学への進学時の入学金、引っ越しや一人暮らしの準備金など、大きなライフイベントのときに役立ちます。

また、「子どもが18歳になったら自由に使わせる」など、目的を決めておくと、貯金のモチベーションにもなりますよね。

さらに、定期預金やジュニアNISAなどを活用して、少しでも利率を上げる工夫をしているご家庭もあります。

将来の教育資金を少しでも効率よく準備する方法として、ぜひ検討してみてください。

まとめ

制度の呼び方が「子ども手当」から「児童手当」へと変わっても、その根底にある目的──つまり子育て家庭を支援するという考え方は、今も変わらず続いています。

名前が変わったことで「何が違うの?」と不安に思った方もいたかもしれませんが、制度の仕組みや支給内容をきちんと知っておくことで、自信を持って活用できるようになりますよ。

実際に、児童手当は家庭の家計をサポートする大切な存在ですし、長期的な視点で見れば、教育費の準備や子どもの将来の自立支援にもつながる大きな力になります。

だからこそ、「どう使うか」「どう貯めていくか」を考えることが、将来の安心にもつながっていくんですね。

今の制度を正しく理解し、家族のライフプランにあった使い方を選ぶことで、児童手当をもっと有効に活用していくことができます。

子育ては毎日が慌ただしく、考える時間もなかなか取れないこともありますが、少しの意識で支援の恩恵を大きく広げることができますよ。

ぜひ今の「児童手当」についてしっかり理解して、ご家庭にあった方法で活かしていってくださいね。