母子手帳をもらったのに流産…返却すべき?気持ちの整理と向き合い方

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「おめでとうございます。赤ちゃんの心拍が確認できましたよ」

その瞬間、胸の奥にぽっと灯がともったような、言葉では言い表せない安心感がありました。

それまで不安でしかなかった妊娠という現実が、ようやく“喜び”として感じられたあの日。

そしてその足で役所に向かい、母子手帳を手にしたときのことは、今でもはっきり覚えています。

でも実は、その喜びの裏側にはずっと消えない不安もありました。

「本当に産めるのかな」「このまま順調にいくのかな」そんな気持ちが頭の片隅にあって、心拍が確認できたとしても、まだ“完全な安心”とは言い切れなかったのです。

母子手帳をもらうことは、妊娠のひとつの区切りであり大きな一歩です。

けれど、それが「絶対に大丈夫」という保証になるわけではないという現実もあります。

この記事では、母子手帳をもらったあとにもしも流産してしまったときに、どう向き合えばよいのか、心の整理のしかたや手帳の扱い方、そして防げること・防げないことについて、私自身の体験もまじえながら丁寧にお話ししていきます。

ちょっと勇気のいるテーマかもしれませんが、不安な気持ちと向き合いながらも、少しでも心が軽くなるように願いを込めてお届けします。

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母子手帳を受け取ったあとに流産してしまったら

母子手帳をもらったということは、病院で心拍が確認されて、妊娠が順調に進んでいる証でもあります。

ようやく安心していいのかなと思える節目であり、「赤ちゃんがここにいるんだ」と実感できる大きな出来事です。

けれど現実には、母子手帳を受け取ったあとに流産を経験する方も少なくありません。

それはけっして珍しいことではなく、誰のせいでもない自然な出来事であることが多いのです。

それでも、母子手帳という“形”が残っていることで、心の整理がより難しく感じられる方も多いのではないでしょうか。

返さないといけないの?という迷いに寄り添って

母子手帳を受け取ったあとに流産してしまった場合、多くの人が悩むのが「この母子手帳、どうすればいいの?」ということだと思います。

私自身も、流産したあとに手元に残された母子手帳を前にして、どうしたらいいのかしばらく分からずにいました。

市役所に返さなければいけないのかなと思ったり、でも返すことが何だか心を切り裂くような気がしたり。

結論からいえば、母子手帳は返却の義務があるわけではありません。

保健所や市役所からの返却依頼があるケースもありますが、それも対応は自治体によって異なります。

無理に返さなくてもいいし、しばらく手元に置いていてもいいのです。

処分のタイミングや方法に正解はなく、自分の気持ちにとって自然なかたちで決めていいのです。

その手帳は「命の証」だったと思えるようになるまで

私がそうだったように、母子手帳を見返すたびに胸が痛くなるという方も多いと思います。

妊娠週数や予定日、病院のスタンプ、ちょっとしたメモ。

それらがあまりにもリアルで、目にすると涙があふれてくるんですよね。

でも少し時間が経つと、「たしかに私のお腹に来てくれた命だったんだ」と思えるようになってきました。

それまでは、「無かったことにしたい」「忘れたい」と思っていたけれど、見えない存在だった赤ちゃんの証を、心の中で大切にする気持ちに変わっていったんです。

自分の心が整うまで、母子手帳をそっとしまっておくこと。

それが後悔しないための選択になるかもしれません。

供養やお焚き上げという形で気持ちに区切りを

手元に残る母子手帳をどうしても手放せないけれど、見ているとつらいというときには、神社やお寺での「お焚き上げ」や「水子供養」という選択肢もあります。

もちろん宗教的な儀式にこだわる必要はありません。

けれど、自分の中でひとつの区切りをつけたいとき、そのような“場”があるというのは、ありがたいものです。

私も、自宅近くの神社で母子手帳と小さなエコー写真をそっと手渡して、お焚き上げをお願いしました。

その後、お守りをひとついただいて、心の中で「ありがとう」と伝えることができたとき、ようやく少しだけ前を向けたような気がしました。

無理に忘れようとしなくても大丈夫

周囲の人が悪気なく「早く元気出してね」と声をかけてくることもあるかもしれません。

けれど、そんなに簡単に気持ちは切り替えられないですよね。

母子手帳という「目に見える証」は、流産後の心にとって、とても大きな存在です。

だからこそ、処分したあとに「やっぱり手放すんじゃなかった」と思う人もいます。

無理に忘れようとしたり、すぐに決断しようとしたりしなくて大丈夫です。

自分の気持ちに時間をかけてあげて、焦らずに、ゆっくりと気持ちの整理をしていってください。

母子手帳をどうするかは、「心が少し軽くなった」と思えるタイミングで決めても遅くはありません。

誰のせいでもないからこそ、自分を責めないで

妊娠中の流産は、その多くが赤ちゃんの染色体異常によるものとされています。

医学的にも「母体の行動が原因ではないことがほとんど」とされています。

それでも、あの日あの時ああしていれば、なんて考えてしまうこともありますよね。

私も何度も「もっと気をつけていれば」と自分を責めました。

でも時間が経って、たくさんの声や情報を知っていくうちに、ようやく理解できたんです。

あの子は、ちゃんと私のところに来てくれていたんだと。

ほんの少しの時間だったけれど、私たちはたしかに一緒に生きていたんだと。

だからどうか、あなたも自分を責めないでくださいね。

その子の命にちゃんと向き合おうとした、あなたの気持ちは、本物だったんですから。

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母子手帳をもらったら安心できる?流産の可能性はなくなるの?

母子手帳をもらった瞬間、「やっと安心していいのかな」と思いたくなる気持ち、すごくよく分かります。

病院で心拍を確認して、役所で手帳を受け取って、ようやく「妊婦さんになった」という実感が湧いてくる頃ですよね。

でもその一方で、「これでもう流産の心配はなくなるの?」と心のどこかに小さな不安が残ってしまうこともあると思います。

私自身もそうでした。

心拍が確認されたあとも、赤ちゃんが元気に育っているかどうか、エコーで確認するたびに祈るような気持ちでした。

心拍確認後はひとつの安心材料。でも「ゼロ」にはならない

医師から「赤ちゃんの心拍が確認できました」と伝えられたとき、ほっとした気持ちと同時に「これで大丈夫」と言い聞かせていた自分がいました。

医学的にも、心拍が確認されたあとは流産のリスクはぐっと下がるとされています。

けれど、それが「絶対に流産しない」という保証ではないこともまた事実です。

心拍が確認されたあとの流産率は、一般的に5~10%未満と言われています。

たしかに大幅に減少はするけれど、それでもゼロにはならない。

そして、安心したその直後に…というケースも少なからずあるのです。

流産の原因は母体のせいではないことが多い

私も妊娠初期のころ、運動しすぎたのかなとか、あのときストレスが強かったからかなとか、自分を責めそうになることが何度もありました。

でも多くの医療情報では、妊娠初期の流産の大半は胎児側の染色体異常が原因であるとされています。

つまり、どんなに気をつけていても、どんなに大切に過ごしていても、防げないことがあるということです。

そう聞いたとき、少し肩の力が抜けた気がしました。

「私が悪かったんじゃないんだ」「あの子はきっと来られるところまで頑張ってくれてたんだ」と思えたんです。

だから今、もしあなたが不安の中にいるなら、自分を責めないでいてほしいなって心から思います。

「母子手帳=安心」ではなく「第一歩の証」

母子手帳は、妊娠が順調に進んでいることをひとつ証明してくれるものではあるけれど、それが「すべてがうまくいく証明書」ではないんですよね。

むしろ、そこからが妊娠生活のスタートであり、長い道のりの第一歩。

私の友人も、母子手帳をもらった直後に流産してしまった経験があると話してくれました。

そのとき、ものすごくつらかったけれど、母子手帳をそっとしまって「この子がたしかに存在していた記録」として大切にしているそうです。

「安心できなかったけど、ちゃんとママになれたって思えるもの」と彼女は言っていました。

母子手帳を手にすることで安心できる部分もあるけれど、それだけで不安がすべて消えるわけじゃない。

でも、手にしたこと自体がひとつの大きな意味であり、誇っていいことなんです。

「安心」は少しずつ積み重ねていくもの

妊娠中の不安って、本当に次から次へと湧いてきますよね。

初期の流産の心配が少し落ち着いたと思ったら、今度はお腹の張りが気になったり、胎動が少ない気がしたり…。

私も妊娠中は、毎週のように「これ大丈夫かな?」と思うことの連続でした。

でも、そのたびに病院に行って話を聞いて、エコーで元気な姿を見て、少しずつ安心を積み重ねていったんです。

「完全な安心」なんてないかもしれないけれど、「今日は大丈夫だった」と思える日を少しずつ増やしていく。

それが、妊娠中の毎日を乗り越える方法なんじゃないかと、今では思っています。

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母子手帳の交付後に流産することもあるの?確率はどのぐらい?

母子手帳を受け取ったあと、手のひらサイズのその冊子を何度もめくっては「この子と一緒に生きていくんだ」と胸が熱くなった日がありました。

だけどその想いとは裏腹に、「でも、もしものことがあったらどうしよう」という不安も、ずっと心の奥に残っていたのです。

本当は考えたくない。

けれど、妊娠というのは、奇跡の連続でできているもの。

その中で「母子手帳をもらっても流産することがある」と聞いたとき、信じたくないと思う気持ちと同時に、「知っておいてよかった」と思う自分もいました。

「心音が確認されたら安心」と言われても…

多くの人が「心拍が確認できたら、もう安心だよ」と言います。

たしかに医学的にも、心拍が確認されれば流産の可能性は大きく減るとされています。

だからこそ母子手帳が交付され、妊婦健診が本格的に始まっていく流れになるわけです。

でも実際には、心拍確認後であっても、流産してしまう方が一定数いるのが現実です。

それは決して稀なことではなく、ある統計では妊娠が確認されたうちの15%前後が流産に至るとも言われています(出典:厚生労働省「不育症について」など)。

つまり「5人に1人」という言葉を見たとき、その数字の大きさに私は思わず息をのんでしまいました。

職場の友人の出来事から知った現実

私の職場にも、母子手帳を受け取ってから間もなく、流産を経験した友人がいました。

妊娠5週目で心音を確認できて、医師から「順調ですよ」と言われ、役所に行って手帳をもらい、「よし、これからだ」と新しい生活を始めた矢先だったそうです。

ところがその1週間後の健診で、「心拍が止まっている」と告げられたと聞きました。

「信じられなかった。あんなに元気だったのに」と、彼女の声は震えていました。

この話を聞いた私は、母子手帳を持つことが“安心の証”ではなく、“命と向き合うためのノート”なのだと改めて思い知らされました。

「母子手帳がある=産める」ではないからこそ

妊娠が判明して、母子手帳をもらうまでの時間は、ただでさえ不安でいっぱいですよね。

だからこそ、ようやく交付された母子手帳には「これでもう安心だ」と思いたくなる気持ちが強くなるのも自然なことだと思います。

でも、母子手帳をもらっても流産のリスクがゼロにはならないという事実は、知っておくことで自分を守れる情報でもあると感じています。

そうでないと、万が一のときに「安心しきっていた自分が悪いんだ」と、自分を責めてしまうからです。

そしてそれが、さらなる深い悲しみや孤独感につながってしまうこともあるからです。

流産の確率は数字だけでは語れない

たしかに、流産の確率が「何パーセント」だとか「何人に1人」だとか、数字で出てくると一見わかりやすく見えます。

でも、実際にその“1人”になってしまった人にとって、その確率なんて何の意味も持たないんですよね。

「こんなに確率低いのに、どうして私が…」と思ってしまう人の気持ち、私にはすごくわかります。

私自身も「確率に負けた」なんて言葉が頭の中に浮かんでしまって、自分の存在そのものが否定されたような気がして苦しくなった時期がありました。

でも後から思ったのは、数字は“傾向”であって“運命”じゃないということ。

確率に当たったからって、あなたが弱かったわけでも、努力が足りなかったわけでもないんです。

「母子手帳を受け取った」という事実は、消えない

もし母子手帳を受け取ったあとに流産してしまったとしても、それまでにあった時間や命の存在がなかったことになるわけではありません。

手帳に書かれた日付や、病院の記録や、小さなエコーの写真。

そのすべてが、あなたがその子と一緒に過ごした証です。

「でも、たった数週間だったから…」なんて思わないでください。

たった数週間でも、たしかにあなたのお腹にいて、あなたとつながっていた命です。

そして、その命の重みは、どんな長さとも比べられるものではありません。

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母子手帳をもらったあとに流産してしまったときに大切なこと

母子手帳を手にしたときのあの喜び。

新しい命と向き合う覚悟が少しずつ形になって、未来の自分が少しだけ見えたような気がした日。

けれどそのあと、流産という現実を前に、心が深く沈んでしまった方もいると思います。

「なんで私だけが」と苦しみ、「あのときこうしていれば」と自分を責める気持ちが止まらなくなることもありますよね。

でもまず伝えたいのは、流産は多くの場合、防ぐことができないものだということ。

それは決してあなたのせいではなく、赤ちゃん自身の運命として与えられた小さな旅路だったのかもしれません。

母子手帳をもらったあとであっても、流産という可能性がゼロになることはありません。

けれどその手帳は、たしかにその子が存在していた証であり、あなたがその命と向き合ってきた記録なのです。

返すもよし、手元に残すもよし。お焚き上げという選択肢もあります。

どれが正解ということではなく、あなたの心が落ち着けるかどうかが大事なんです。

気持ちが揺れるのは当たり前。

時間がかかってもいいんです。

どうか、自分にやさしくしてあげてください。

無事に出産できるということは、当たり前ではなく、奇跡の積み重ねです。

その奇跡の一歩目にたしかにいた、小さな命と、あなたの優しさを、誰よりも私が讃えたいと思っています。