3歳児検診で視力検査が理解できない場合はどうすればいい?

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子供の健やかな成長のために、定期的に実施される「乳幼児健診」

就学前最後に集団で行われる3歳児健診では。

身体測定などの他に、「視力」、「聴力」、「尿検査」などが加わり、今までとは異なるより詳しい健診内容となります。

これらの検査は、事前に送られてくる健診の案内に検査用ツールが同封されています。

なので、あらかじめ自宅でパパやママが検査をする必要があります。

しかし、相手はまだ話し始めて1年にも満たない3歳児。

きちんと理解させて、正しく検査することはできるのでしょうか。

今回は、その中でも一番難しいといわれる「視力検査」のやり方や、教える時のコツについてまとめました。

視力検査を3歳児にする場合の教え方は?自宅での練習法を紹介

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日本弱視斜視学会のホームページによると、3歳児健診での視力検査は、

  • 一次検査
  • 二次検査
  • 眼科精密検査
の3段階で行われます。

一次検査では自宅で行う検査で「左右の視力が0.5あるか、子供の目で気になることがあるか?」を調べるものです。

その結果を二次検査(3歳児健診)に持参し、

  • 家庭で視力検査が出来なかった場合
  • 視力が0.5あることが確認できなかった場合
  • 「目で気になることがある」とアンケートに記入した場合
は、健診会場でもう一度眼科検査を受けることになります。

二次検査の結果、目の治療が必要と判断された場合には、その後の眼科精密検査へと進みます。

3歳児検診での視力検査の練習方法「準備するもの」

では、ここからは、自宅でのい視力検査の練習方法について詳しく説明していきます。

視力検査練習で準備するもの①ティッシュペーパー又はコットン・マスキングテープ

マスキングテープは、肌に貼るのでかぶれないものであればOKです。

片目ずつ検査をするため、眼帯の代わりに使用します。

視力検査練習で準備するもの②メジャー又はものさし

検査距離2.5mを測定するために使用します。

視力検査練習で準備するもの③指標

視力検査でよく見るアルファベットのCのような切れ目のある輪で、ランドルト環と呼ばれています。

健診の案内に、大きい輪(練習用)と小さい輪(本番用)の2つが同封されているので、そちらを使用してください。

※地域によっては、指標が絵のところもあります。

視力検査練習で準備するもの④回答用の輪

子供が答える時に、指や腕で方向を示すことが難しい場合に役立ちます。

視力検査練習の準備手順「回答用の輪の作り方」

回答用の輪は手作りできます。

1.厚めの画用紙などに、子供が持ちやすい大きさのランドルト環を書きます。
2.形に沿って切り抜けば完成です。
日本弱視斜視学会のサイトでダウンロードできます。

3歳児検診での視力検査の練習方法

準備ができたら早速練習をしてみましょう。

3歳児検診での視力検査の練習①両目で練習

(1)明るい部屋で50cmほど離れた場所に立ちます。

この時、回答用の輪を持たせても良いですし、できそうであれば指や腕で方向を示すように説明します。

(2)次に「ママが持っている丸の空いている方はどこかな?」と聞き、答えを示してもらいましょう。

回答用の輪を使う場合は。

親が持っているランドルト環と子供のものを同じ方向に持たせて「これが同じ向きだよ」「穴の空いているところをママと同じように持ってね。」と先に教えてから練習に移ってください。

(3)上と下、右と左を順番に練習し、それぞれ理解できるか確認してください。

3歳児検診での視力検査の練習②片目ずつ練習

両目が終わったら、眼帯をして片目ずつで練習します。

眼帯を嫌がる場合は、パパやママがハンカチや手で目を覆ってあげてください。

この時、極端に嫌がる場合は、弱視が原因のこともありますので、健診当日に先生に伝えましょう。

3歳児検診での視力検査の練習③本番と同じ距離で練習

片目ずつを上下左右練習できたら、今度は実際の測定距離で練習します。

パパやママが2.5m離れた場所に移動してください。

距離が遠くなるだけですので「さっきと同じように空いている向きを教えてね。」と伝え、同じ要領で練習してみましょう。

3歳児検診での視力検査の練習④本番

何回か練習して慣れてきたら、本番です。

(1)明るい部屋で、正確に2.5m測った距離に子供を座らせます。

(2)練習の時と同様に、片目ずつ眼帯をして左右の目の検査を行います。

正しく検査するために、眼帯の隙間から見えないようテープや絆創膏などでしっかり止めてください。

(3)輪の切れ目を4方向全て検査してください。

(4)何回か繰り返し、いくつ回答できたかチェックします。

(5)反対の目も同様に検査します。

3歳児検診で視力検査がうまくできない時はどうする?

  • 何回か繰り返すうちに慣れてきて、できるようになるので、日を変えて練習してみてください。
  • 集中力がもたないため、飽きてきてしまったら中断して、別日に検査しましょう。
  • 間違っても大丈夫なことを伝えて、楽しい雰囲気で検査してあげてください。
  • どうしても嫌がったり、できなかったりした場合は、アンケートに記入して検診当日に受けるようにしましょう。

それでも視力検査ができない場合はどうすればいいの?

パパやママが色々工夫してみたものの、検査がうまくできなかったという家庭はたくさんあります。

なぜなら、家庭で行う一次検査は3歳の子供がやるには、あまりに高度な課題だらけだからです。

単純に視力検査としての要素だけでなく

  • 親の指示を正しく理解する
  • それを行動に移す
  • 視野を塞がれる
  • じっと座って検査を受ける
これだけでも、かなり難しい課題を与えられていると思いませんか。

そしてこれを、当たり前のように家庭で実施してくださいと言われると「3歳なら普通にできることなの?」と不安に感じてしまいますよね。

たとえ視力に問題がなくても、単にふざけてしまってできなかったということもあれば、理解させるのが難しかったということもあります。

あくまでこの検査の目的は、視力の発達を確認することです。

ですが、検査を通して疑問に思うことや、不安に感じることが出てきた場合は、目の事以外でも、この機会に相談してみるのも良いかもしれません。


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発達障害で視力検査ができない時の対策の仕方と相談先は

発達障害の診断は、専門の医療機関での受診が必要となるため、この時点で確定診断がされることはありません。

しかし、3歳児健診で発達の遅れを指摘されたという家庭は多くあるようです。

視力や聴力の検査がうまくできなかった子供の中には、実は発達障害が原因だったということもあります。

では、発達障害で視力検査ができない場合には、どうしたらよいのでしょうか。

発達障害と視力の関係

視力検査で見えづらい場合、単純に眼鏡などで矯正すれば見えると思ってしまいますよね。

でも発達障害などの場合は、単に視力の弱さが原因というだけでなく

  • 弱視
  • 同時に複数のものを読み取れない
  • 視力認知力の低さ
といった別の「見えづらさ」があります。

万が一、発達障害が原因で視力検査が十分にできない場合は。

経過観察ではなく、すぐに精密検査が可能な病院や支援センターなどの援助を受ける必要があります。

障害の有無に関わらず、子供によって理解度や性格も異なるので、一般的に用いられる検査方法が合わない場合もあります。

そういった時には、専門の機関や発達に関して受診している病院などに相談してみましょう。

普段から子供の様子を見て、見えにくそうな素振りを見せたり、物にぶつかりやすいといった変化を感じたら、記録に残し病院での受診をおすすめします。

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3歳児検診で視力検査が理解できない場合のまとめ

3歳児健診で視力の問題を発見し、すぐに治療を開始することができれば。

小学校入学までに視力が上がっていき、普通に学校生活を送れる状態にすることができます。

治療開始が遅れるほど、一生視力の回復が見込めないこともあります。

3歳児健診が、大切な子供の目を守る一つのきっかけになります。

少しでも不安なことがあれば。

1人で抱えず、遠慮なく保健師さんや先生に相談するなど、一度ちゃんとした検査を受けることをおすすめします。