日本の国技である相撲。
元々は、日本古来の神事や祭りであったということもあり、他のスポーツ競技に比べて、礼儀作法や品格などに厳しいという特徴があります。
また、独自の言葉が多くあり、夕方の相撲中継を見ていても「これってどんな意味なんだろう?」という言葉がよく出てきませんか?
そんな相撲独特な言葉として、『三役』という言葉があります。
一般的に使われる“三役”は、その組織の中での重要な3つの役割のことを指す言葉なので、イメージとしては
- 社長
- 専務
- 常務
でも、相撲における『三役』は意味合いが異なります。
そこで今回は、そんな相撲の『三役』という言葉について、詳しく見ていきたいと思います!
相撲の三役になるには?上位の力士にしかなれない特別な役だった?!
相撲における『三役』とは、もともとの意味は
- 大関
- 関脇
- 小結
重要な3つという点では、一般的な使い方とも似ていますよね。
しかし、最近では少しその意味合いが変わってきています。
大関は番付の中でも特別な地位ということで、最近では関脇と小結の2つの地位を総称する意味で使われることが多くなっているんです。
大相撲では三役は特別な地位?
この『三役』という言葉は、上位を目指す力士にとっては決して軽々しく言える言葉ではありません。
相撲の世界に足を踏み入れた力士たちがまず目指すのが、この『三役』なのです。
まずはこの『三役』になるために努力をして、そのあと大関・横綱といったさらなる高みを目指していくというわけです。
大相撲で三役は維持が大変?
まずはなることが大変な『三役』ですが、実はそのあとの維持がもっと大変なのはご存じでしょうか?
なぜなら、大相撲の場合、番付が低いと対戦相手も番付が低いもの同士で組まれます。
その分、白星つまり勝つ可能性が高くなりますよね。
でも『三役』になった場合、対戦相手となるのは、自分と同じかそれ以上の実力をもつ『三役』、または横綱や大関といったさらに上位の力士となります。
強い相手との対戦ばかりになるわけですから、当然勝てる可能性は低くなってしまうというわけです。
負けが続いてしまえば、当然『三役』の維持が難しくなってしまいますよね(><)
関脇や小結の入れ替わりが激しいのは、こういった理由が考えられます。
でも、相撲ファンからすると、そんな攻防戦が楽しみの一つでもありますよね(^^)
維持が難しい『三役』ですが、基本的には人数制限はありません。
たくさん勝つ力士が一度にたくさん出てくれば、『三役』も人数が増えていくということも考えられますが、なかなかそんなことはありませんよね(;^_^A
現状では、
- 東の関脇
- 西の関脇
- 東の小結
- 西の小結
相撲の「三役揃い踏み」とは?どんなときに何のために行うもの?
『三役』の意味はわかりましたが、それに関連する言葉として、『三役揃い踏み』という言葉があります。
この言葉は少し意味が異なります。
本場所の最終日(千秋楽)場所で、結びから三番の取り組みの前に、「これより三役!!!」という言葉が館内に響き渡ります。
そして三番を取り組む力士が土俵上にあがり、四股を踏む。
この一連の流れが『三役揃い踏み』です。
この『三役揃い踏み』は、普段の『三役』という言葉とは違い、関脇や小結でなくとも、残り三番の力士であれば誰でも該当します。
大体は横綱や大関であること多いのですが、ここにその場所で成績が好評の平幕力士が入ってくる場合があります。
若くしてあがってきた平幕力士が、横綱や大関といったベテランの上位力士と一緒に土俵に上がる姿はとても凛々しく、思わず感動してしまうという相撲ファンも多いようです。
なので、平幕力士が『これより三役!!!』の掛け声で土俵にあがると、その日一番の大きな歓声で場内は盛り上がります(^^)
平幕力士にとってはまさに夢の舞台。
気合も入りまくりになりますね!!
大相撲で三役がそろう時はいつ?
『三役揃い踏み』は普段の『三役』とは少し違うものということがわかりました。
では、本来の『三役』をそろって見ることができる機会はいつなのでしょうか?
これは、場所初日の“協会あいさつ”の時に見ることが可能となります。
日本相撲協会理事長とともに、横綱と三役以上が土俵にあがり、全員そろってお辞儀をするんです。
場所初日なので、休場していない限り横綱と三役がそろう姿をほぼ見られるということで、これを目当てに初日の観戦をする方も多いようです(^^)
礼儀を重んじる力士たちがしっかりとお辞儀をする姿は、とっても凛々しくてかっこいいですよね(#^^#)
相撲の「三役」の意味は?のまとめ
大相撲の「三役」の意味について見てきました。
なにげなく見ていた相撲中継も、用語が少しわかるだけでまた違う見方をすることができます。
次に相撲を見る際には、『三役』という言葉に注目してご覧になってみてはいかがでしょうか(^^)