雛人形をお下がりでも大丈夫?お祓いの必要性と正しい引き継ぎ方

雛人形を譲り受けるとき、「このまま飾ってもいいのかな?」「お祓いはしたほうがいいのかしら?」といった疑問や不安がふと頭をよぎることってありますよね。

とくに自分の娘や孫など、次の世代の子どもに使わせるつもりでいる場合は、やっぱり縁起やしきたり、昔からの言い伝えなども気になってしまうものです。

また、「誰が使っていたものなのか」「どういう思いが込められているのか」なども考えると、慎重になって当然だと思います。

せっかくの大切な人形だからこそ、気持ちよく引き継ぎたいし、できればトラブルや心配ごとは避けたいですよね。

そこでこの記事では、雛人形のお下がりに関するさまざまな疑問や不安を少しでも解消できるように、

「そもそも雛人形ってどういう意味があるの?」
「お祓いって必要なの?」

という基本的なところから、譲るときや受け取るときの注意点、そして心をこめた飾り方のアイデアまで、わかりやすくお伝えしていきます。

初めてお下がりの雛人形と向き合う方でも安心できるように、気軽に読めて実践できる内容をまとめましたので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

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雛人形のお下がりは縁起が悪いって本当?

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そもそも雛人形にはどんな意味があるの?

雛人形は、もともと子どもの厄や災いを引き受けてくれる身代わりの存在として飾られてきました。

人形が子どもの身代わりとなって災いを引き受け、健やかな成長を祈る。。。

そんな思いが込められているからこそ、昔から大切にされてきたんですね。

そのため、「雛人形はその子専用のもの」という考えが根強く残っていて、他の子と共有することに抵抗感を持つ方も少なくありません。

雛人形の飾り方や意味には地域ごとの違いもありますが、いずれにしても“その子の無事と幸せ”を願う気持ちが根底にあるのは共通しています。

昔から「一人一飾り」と言われる理由

「雛人形は一人一飾りが基本」とよく言われますが、それにはちゃんと意味があります。

先ほども触れたように、雛人形は子どもひとりひとりの災いを引き受ける身代わりの存在とされてきたため、兄弟姉妹で共有すると“災いが混ざる”などと縁起を担ぐ人もいます。

また、雛人形は一種の“守り神”のようなものとして扱われることも多く、それぞれの人形にはその子だけの願いや想いが込められているとも考えられているんですね。

だからこそ、家族間であっても「誰かのお下がりは避けた方がいい」と言われることがあるのです。

お下がり=NGというわけではない

とはいえ、現代の価値観では必ずしも「お下がりがダメ」とは限りません。

最近では、代々受け継いできた雛人形をリメイクして飾るご家庭や、祖母・母・娘の3代で共有することで絆を感じるというケースも増えています。

実際、お下がりを使うことで「大切にしてくれた想いを引き継ぐ」「家族の歴史を感じる」といったプラスの感情が生まれることもあるんです。

大切なのは“誰かが使っていたかどうか”ではなく、“どんな気持ちでその人形と向き合うか”ということ。

感謝の気持ちや丁寧な扱いを心がけていれば、お下がりでもまったく問題ありませんよ。

むしろ、思い出の詰まった人形を新たに受け継ぐことは、とても素敵なことだと思います。

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お祓いは必要?不要?気持ちの問題なの?

神社でのお祓いが必要なケースとは?

もし前の持ち主が亡くなっていたり、過去に何らかの不幸や不安な出来事が関わっていた人形であれば、気持ちを切り替える意味でもお祓いをお願いしてみるのもいいかもしれません。

そういった経緯を知ってしまった場合、「このまま飾って大丈夫かな…」とモヤモヤする気持ちになるのは、ごく自然なことです。

神社によっては「人形供養」や「お焚き上げ」として正式なお祓いをしてくれるところも多くあります。

特に地域の氏神様を祀る神社であれば相談しやすく、話を聞いてもらえるだけでも安心感が得られることもあるんです。

費用も数千円程度のところが多く、気持ちの整理としてもおすすめですよ。

お祓いをしないで使っても問題ない?

もちろん、お祓いをせずにそのまま使っているご家庭もたくさんあります。

とくに親戚や姉妹、信頼できる人から譲られた雛人形であれば、「良いご縁を引き継ぐ」という意味で前向きに受け取ることが多く、お祓いを省略するケースも珍しくありません。

そもそも雛人形に関する考え方や習慣は家庭や地域によって違うので、正解・不正解はありません。

大切なのは、自分や家族が納得して気持ちよく飾れるかどうか。

少しでも違和感がなければ、そのまま飾っても問題ないと考えて大丈夫です。

お祓い以外にもできる「気持ちの切り替え」方法

「お祓いまではしないけど、ちょっと気になるな…」という方には、家庭でできる簡単なお清めや“けじめの儀式”がおすすめです。

たとえば、初めて飾る前に軽く手を合わせて「これからよろしくお願いします」と声をかけてみたり、清潔な新しい敷布を用意して人形を迎えたりするだけでも、気持ちの面でスッと楽になります。

また、お線香を焚いたり、塩を紙に包んで人形の周囲を軽くなでるといった方法も、昔ながらの家庭で行われてきた“気持ちの整え方”です。

形式にこだわる必要はなく、自分や家族が安心して受け入れられるスタイルで構いません。

こういった“自分なりのけじめ”があると、お下がりの雛人形にも自然と愛着がわき、安心して飾れるようになりますよ。

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雛人形のお下がりで気をつけたいポイント

汚れや破損がないかをまずチェック

人形や道具にカビや破れがないか、保存状態はどうかをまずしっかりチェックしておきましょう。

雛人形は見た目以上に繊細な素材で作られていることが多く、湿気や経年劣化によって、知らないうちに劣化が進んでいることもあります。

とくに顔の塗装の剥がれや着物の黄ばみ、装飾品の破損などは見落としがちなので、できるだけ明るい場所でじっくり確認するのがポイントです。

もし破損があったとしても、すぐに処分せず、修理可能かどうかを人形専門店などに相談してみると安心です。

また、全部を買い替える必要はなく、一部のパーツや道具のみを新しくするだけでも、ぐっと印象が変わって気持ちよく飾ることができますよ。

前の持ち主の気持ちを大切に

譲ってくれた方の思いや歴史がこもったお人形には、物以上の価値があります。

たとえば「おばあちゃんが大事にしていた」「お姉ちゃんが毎年楽しみに飾っていた」など、それぞれの家庭にエピソードがあるものです。

もらったときには、ぜひ「ありがとう」という感謝の気持ちを伝えてくださいね。

そのひと言で、譲ってくれる側も「受け継いでもらえてよかった」と安心できますし、自分自身もより丁寧に扱おうという気持ちが生まれます。

また、できるだけ大切に使っていくこと自体が、相手の気持ちに応える最高のマナーになります。

たとえお下がりであっても、心のこもったやりとりができれば、それだけで十分価値のあるものになるはずです。

新しい持ち主(娘など)にも気持ちの確認を

小さな子どもでも、「このお人形、もらったんだよ」と話してあげると、自然と愛着がわいてくることも多いんです。

子どもにとって人形は、ただの飾りではなく「自分の守り神」のような特別な存在になります。

「お姉ちゃんも大事にしてたよ」
「おばあちゃんが〇〇ちゃんのことを思ってくれたんだよ」

そう伝えることで、その人形に宿る思いや背景を理解しやすくなり、自分にとっても大切な存在として受け入れやすくなります。

こうして家族みんなで気持ちを共有することで、雛人形は“ただのもの”から“家族の絆をつなぐ存在”へと変わっていくのかもしれませんね。

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どうしても気になる場合の対処法

簡単にできる家庭でのお清め方法

塩をふりかけたり、白い布で拭いたりといった簡単なお清めでも、気持ちはずいぶんと整うものです。

たとえば、雛人形の周囲をぐるりと時計回りに塩でなぞってみる、もしくは人形の下に敷く布に塩を少しだけ忍ばせるなど、昔から伝わる簡単なお清め方法もいろいろあります。

また、白い布でやさしく拭くときは、「きれいになってね」という気持ちを込めて行うと、自分自身の心もスッと軽くなる感じがするものです。

そして「これからよろしくね」と声をかけてあげるだけでも、お人形との新しい関係が始まるような気持ちになります。

このように、形式ばった方法にこだわる必要はなく、自分たちのやり方で、丁寧に接することがなにより大切です。

家族で一緒にお清めをすることで、子どもにもその思いが伝わりやすくなるでしょう。

神社でのお祓い・供養の申し込み方

地元の神社やお寺では、「人形供養」や「お焚き上げ」を通して、お祓いや感謝の気持ちを形にする場を設けているところがあります。

これらの行事は決まった日にまとめて執り行われることも多いので、希望する場合は早めに問い合わせてみるのがおすすめです。

また、郵送での受付をしている神社や寺院もあり、遠方で持ち込みが難しい人でも安心して依頼できるようになっています。

供養料は神社ごとに異なりますが、相場としては3,000円~5,000円程度のところが多く、のし袋に「人形供養料」と書いて包むと丁寧です。

申し込む際は、人形の名前や由来、これまでの感謝の気持ちなどを一言添えると、より心のこもった供養になりますよ。

お祓いをした後はどう飾ればいい?

お祓いやお清めをしたあとは、心機一転、新しい気持ちで雛人形を飾ってあげましょう。

飾る場所をいつもと少し変えてみるだけでも、気分がガラリと変わります。

たとえば、お日さまの光が入る明るい窓辺に置く、桃の花や季節の小物をそっと添える、新しい敷物や畳マットを敷くなど、ちょっとした工夫で雛人形まわりの雰囲気がぐっと華やかになります。

さらに、子どもと一緒に飾り付けをすることで、「この人形は大切な存在なんだよ」と自然に伝えることができます。

季節の行事としてだけでなく、家族の温かな思い出をつくるきっかけにもなりますよ。

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雛人形の正しい譲り方と処分の仕方

気持ちよく譲るためのひと言メッセージ

譲るときには、「たくさん守ってくれた人形だから、次の子も元気に育つように」といったメッセージを添えると、もらう側の気持ちもほっこりしますよ。

ただ人形を渡すのではなく、思い出や感謝の気持ちを一緒に伝えることで、お下がりであっても特別な意味を持った贈り物になります。

たとえば、

「この雛人形は○○ちゃんの健やかな成長を見守ってくれたから、次はあなたのところでまたたくさんの幸せを見守ってくれると思うよ」

といった言葉を添えるだけで、雛人形に込められた思いがより伝わります。

手紙やカードを添えてみるのもおすすめです。

人形とともに“心”を贈ることが大切なんですね。

譲れない場合の供養・処分方法とは?

どうしても譲るのが難しいときや、破損などで人に渡せない状態の場合は、無理に残さず供養をお願いするのも一つの選択肢です。

人形は長い間家族を見守ってくれた存在なので、「ありがとう」と声をかけてから送り出すと、自分自身の気持ちも穏やかになります。

お焚き上げや人形供養の儀式では、住職や神主さんが丁寧にお経や祝詞をあげてくださることも多く、心の区切りとしてとても大切な機会になります。

「お疲れさま」と感謝の気持ちを込めて手を合わせることで、気持ちもすっきりするはずですよ。

供養をお願いできる神社・お寺の探し方

「人形供養 地域名」などで検索すると、対応している神社やお寺が見つかることが多いです。

ホームページに詳細が載っている場合もあるので、供養料や受付方法、持ち込みの日時などを事前に確認しておくと安心です。

また、直接持ち込む以外にも郵送で受け付けてくれるところもあり、遠方でもお願いしやすくなっています。

供養料の目安は3,000円~5,000円ほどで、のし袋に「人形供養料」と書いて納めるのが一般的です。

特に大切にしてきた人形の場合は、備考欄や手紙に人形のエピソードやお礼の言葉を添えてみると、より丁寧な気持ちを伝えることができますよ。

まとめ

雛人形のお下がりは、扱い方と気持ち次第でとても温かい贈り物になります。

新しい人に渡されても、元の持ち主の思いや歴史を引き継ぎながら、また別の場所で大切にされるということは、とても素敵なことだと思います。

お祓いをするかどうかに明確な正解はなく、あくまで自分や家族が「これで安心して飾れる」と思えることが大切です。

お祓いを受けることで気持ちが落ち着く人もいれば、簡単なお清めや感謝の気持ちだけでも十分という方もいます。

大事なのは、「この雛人形をどんな気持ちで迎え入れるか」「どんなふうに毎年飾っていきたいか」という想いを持って向き合うこと。

そうすれば、お下がりの雛人形も、その家の一員として、また新たな思い出を一緒につくっていけるはずです。

無理なくできる範囲で、気持ちよく飾れる方法を取り入れて、自分たちらしいかたちで受け継いでみてくださいね。