相撲の取り組みをテレビや会場で見ていると、思わず目を引く場面がありますよね。
それは、格上の横綱が思いがけず敗れたときに、客席からたくさんの座布団がいっせいに宙を舞うあのシーンです。
この独特の風習は、相撲をよく知らない方でも一度は見たことがあるんじゃないでしょうか。
「どうして座布団を投げるの?」「あの座布団って、拾った人が持って帰ってもいいの?」なんて疑問に思ったことがある方も多いと思います。
実は、そこには長い歴史や相撲ならではの決まりごとがあるんです。
この記事では、相撲で座布団が投げられるようになった本当の理由や、その背景にある意味。
さらには投げられた座布団を観客が持ち帰ることができるのかどうかなど、気になるポイントをわかりやすく解説していきます。
また、初めて相撲を観に行く方にも役立つ観戦マナーやちょっとした豆知識もあわせてご紹介しています。
座布団ひとつにも、実は奥深い意味があるんですね。
この記事を読んでから相撲を見ると、きっとこれまでとは少し違った楽しみ方ができると思いますよ。
どうぞ最後までゆっくり読んでみてくださいね。
相撲で座布団を投げる意味は?座布団って持ち帰りできるって本当?
では、どうして座布団を投げるのでしょうか?
座布団を投げる意味は、なんと明治時代までさかのぼります(*_*)
当時の大相撲では、ひいきにしている力士に「ご祝儀」としての意味で、羽織や帽子を投げていました。
「力士はそのひいきにしてくれている方々へ、それを返却に行くがてらご挨拶をして、ご祝儀をもらう」という習慣があったのです。
その羽織や帽子には、しっかりと持ち主が分かるようになっていて、間違わずに返却に行っていたそうです。
このような習慣は「投げ花」と呼ばれていました。
しかし、この投げ花の習慣は、両国国技館完成とともに禁止になりました。
その代わりになったのが、「懸賞金」です。
ただ、土俵に褒美を投げ入れる習慣は、今でも座布団を投げ入れることで、「暗黙の了解」として残っているというわけです。
現在では、格下の相手が格上の相手を倒した時など、「よくやった!!」という意味で投げられています。
私はてっきり、逆に「なんで格下の相手に負けてるんだ!」という、負けた格上の力士に対して投げているんだと思ってました。笑
ただし、基本的には、本場所中の座布団投げは禁止されています。
土俵の周りには
- 勝負審判の親方たち
- 控えの力士
- カメラマン
そこに座布団が降ってきては危ないので禁止とされていますが、いまでも暗黙の了解として座布団は投げられていますね(^^;
やはり「盛り上がった取り組みのあとに、座布団が飛びかうのを見られないのは、少し寂しい」という意見が多いようです。
座布団は持ち帰れる?
投げることが出来るということは、基本的に座布団は固定されていません。
例外として、九州場所では「新型座布団」というのを取り入れていますので、座布団は固定されて投げることができなくなっています。
では、固定されていない座布団は持ち帰っても良いのでしょうか?
本場所では、座布団の持ち帰りはダメです。
相撲協会の関係者も目を光らせていますし、なにより相撲ファンはとてもマナーがいいので、誰もこっそり持ち帰ろうとする人はいません。
ただし、巡業では違います。
席によっては、土俵に近い高価な席で、座布団もプレゼントの一つとして持ち帰れる場合もあります。
巡業場所によっては、わざわざ「座布団を入れるショッピングバック」までついている所もあるそうです。
自分の座った座布団を持ち帰れたら、とても良い記念になりますよね、
相撲の座布団の値段は?どうしても手に入れたいあなたに教えます!
では、この相撲の座布団がどうしても欲しい!という時は、どうしたら良いのでしょうか?
インターネットなどのフリマサイトでも販売はされていますが、記念品として座布団を手に入れたい場合。
そんなときには、地方巡業で、座布団のお土産付きの
- タマリ席
- マス席
タマリ席とは、一番土俵の近くの席で、目の前で力士が戦う姿が見られるので、とても迫力のある席です。
マス席はタマリ席の一回り外側の席なので、お値段的にはこのマス席のほうがお手頃価格となります。
巡業場所などによって座布団がもらえたりするのは変わりますが、席の料金の中に座布団お持ち帰りの金額も含まれているチケットも販売されています。
なので、「どうしても記念座布団が欲しい!!」という方は、このチケットをGETして下さいね。
参考までに、2019年の所沢巡業の料金をご紹介します。
- タマリS席は“開催地記名アリ”の記念座布団のお土産付きで、一人14000円
- その一回り外側のタマリA席は、同じ座布団付きで、一人13500円
- ペアマス席は、“開催地記名ナシ”の座布団のお土産付きで、二人で23000円
開催地の記名があると、やはり記念品として嬉しいものですよね。
このような座布団のお土産付きの席はとても人気がありますので、チケットの販売は争奪戦になることもあるそうです。
まとめ
相撲を見ていて、横綱が負けたとたんに客席から座布団がバーッと飛ぶ光景を見たことがある方も多いと思います。
でも、「なんで座布団を投げるの?」「拾った人は持って帰ってもいいの?」といった疑問を感じた方もいるんじゃないでしょうか。
じつはこの座布団投げ、ただの冗談や盛り上がりではなく、昔から続いている相撲ならではの風習なんです。
強い横綱が負けたときの驚きや、応援していたファンの悔しさを、座布団を投げることで表現しているんですね。
そんなふうに、座布団にはファンの気持ちがこもっているとも言えるんです。
とはいえ、最近は安全面のことを考えて「座布団を投げるのはご遠慮ください」と呼びかけられることも多くなっていますし、投げられた座布団をそのまま持って帰るのも基本的にはNGです。
運営側としては、誰かにぶつかってけがをしてしまうリスクもあるからこそ、マナーやルールを大切にしてほしいという思いがあるんですね。
相撲という日本の伝統文化には、こうしたちょっと意外でユニークな風習がいろいろあります。
そういう意味を知って観戦すると、今まで以上に相撲が面白く感じられると思いますよ。
これから相撲を観るときは、土俵上の取り組みだけじゃなくて、周りの観客の動きや会場の雰囲気、そして座布団ひとつにも目を向けてみてくださいね。
相撲の楽しみ方が、ぐっと広がってくると思います。