消しゴムを使ったら出るのが「消しカス」。
そしてその再利用法として誰もが最初に思いつくものが「練り消し」ではないでしょうか。
わたしが子どもの頃は消しカスをたくさん集めてこねて、練り消しをよく作っていました。
授業中にみんなで無心にコネコネしていたのを憶えています(先生ごめんなさい)。
つい先日、在宅勤務中で消しゴムを使っていた夫と練り消し作りの話で盛り上がりました。
わたしが小学生の頃は、液体のりをまぜてよく伸びる練り消しを作るやり方が主流だったのですが。
夫の周りでは、絵の具を混ぜて伸びの良い練り消しを作っていたそうです。
懐かしいと思い、他にどんな作り方があるか調べてみました!
他には
①スライム(分離を防ぐために保湿クリームなどの油分を足す)
②修正テープとテープのり(どちらも引いて剥がしたものを粉状にする)
この2つの方法はどちらも、混ぜて作ると、もっちりとした柔らかな練り消しが出来るようです。
消しカスからもう一度消しゴムが作れる!究極のリサイクル方法!?
練り消しについて調べていると、ふと疑問が浮かびました。
「消しカスは消しゴムから出たものなら、消しカスをまとめて固めたら消しゴムがまたできるのでは?」と。
もしできたら消しゴムを買わなくて良くなるかもしれません。
それに、子どもの消しゴムのカスが散らかっていても「リサイクルすればいっか!」と少し寛大になれますよね。
これについても気になって調べてみました。
どうやら
- 消しカスから消しゴムは作れる
- 作り方が難しく、家ではできそうにない
消しゴムはどうやってできるの?
そもそも消しゴムはどうやって作られているのか、知っていますか?
消し「ゴム」と言いますが、一般的な消しゴムの原料はゴムではありません。
ポリ塩化ビニルというプラスチックです。
このプラスチックと可塑剤(かそざい)とよばれる化学物質を混ぜて、熱を加えて練り上げると消しゴムが完成します。
可塑剤というのはプラスチックを柔らかくする働きを持っています。
子どもの頃に消しゴムを紙ケースに入れずに放置しておいたら、筆箱やCDケースにくっついて跡が残った!という経験をした方も多いと思います。
これは消しゴムに含まれている可塑剤が接しているプラスチック製品を溶かしてしまっていたからなんです。
消しカスから消しゴムが作れるけど簡単には作れない理由
消しゴム作りの工程と同じように、
「消しカスと可塑剤を混ぜて熱を加えたら、消しゴムがもう1度できるんじゃない?」
と思ったあなた、正解です。
でもこの工程。
残念ながら、家などでわたしたちが簡単にすることはできません。
それには、理由が2つあります。
消しカスから消しゴムが作れない理由①可塑剤は素人が扱うものではない
可塑剤は取り扱いに注意が必要な薬品なので、素人は簡単に手に入れることが出来ません。
消しカスから消しゴムが作れない理由②消しカスには黒鉛が付いている
“紙に書いた鉛筆の黒鉛を、こすって摩擦を起こして消しゴムの表面に吸着させる”
これが消しゴムが書いたものを消す原理です。
このときの摩擦で、黒鉛の付いた消しゴムの表面はけずれていきます。
これが消しカスの正体です。
なのできちんと消える消しゴムを作るためには、消しカスに付着した黒鉛を取り除く必要があるんです。
でもこの作業も、自宅などで簡単に出来るものではないようです。
作った練り消しを茹でたり揚げたりしたら消しゴムになる!という説もあるようです。
しかし、有毒なガスが出るなど思わぬ事故につながる恐れがあるので絶対にやめましょう。
消しカスの有効的な使い道!捨てるなんて勿体無い!?
消しカスから消しゴムを作るのは現実的ではないのがわかりましたね。
でもSDGs(持続可能な開発目標)が注目される今の世の中です。
練り消しを作る以外にも、簡単に消しカスを上手に再利用できたらいいなと思いませんか?
しかし、残念ながらこれといって有効的な使い方は見当たりませんでした。
練り消しは、消しゴムの用途としてはもちろんのこと、リモコンの溝やはんこなどの細かな場所の掃除に使えます。
また粘土のように遊んだりも出来るんですが・・・。
消しカスの状態では、ただのゴミとなってしまうんです。
消しカスの出ない消しゴムがある!?
そもそも消しカスの出ない消しゴムがあればいいのでは!?
と思い調べていくと、これがあったんです!
15年ほど前ですが「トントンエルサ」という消しゴムが販売されていたようです。
この消しゴムは、文字通りトントンと叩いて鉛筆の黒鉛を吸着させて書いた字を消すといったものでした。
ただ性能は普通の消しゴムにはかなわないようで、現在は製造されていないようでした。
これだけSDGsが話題になっている現代。
またこのような製品が開発されることを期待しています。
ちなみに消しカスが少ない消しゴム、というものも存在するようです。
たとえば「ホシヤのキープ消しゴム」。
消しカスが少ないということは、消しゴム自体も長持ちします。
ちょっとしたことですが、エコにも節約にもつながりますよね。
消しカスってそのまま捨てても環境問題にはならないの?どう捨てるのが環境にやさしい?!
消しゴムを使ってでた「消しカス」は、机の上に散乱したり床に落ちたりすることが多いと思います。
そしてその消しカスを
- 掃除機で吸い取ったり
- かき集めてゴミ箱行き
そう。何の考えもなしに「可燃ごみ」として扱っていることでしょう。
消しゴムの主成分は「プラスチック」!?
ただ、そもそも現在主流となっている消しゴムはプラスチック製で主成分が「塩化ビニール樹脂」です。
この「塩化ビニール樹脂」は塩素を含んでいて、不完全燃焼を起こすとダイオキシンが発生します。
ただ、各自治体のダイオキシン対策がされてきていて、焼却炉の改良も進んでいます。
なので、不完全燃焼を起こさないように改良されている焼却炉をもつ自治体では「可燃ごみ」として扱っているようです。
古いタイプの焼却炉を使っている自治体なら、プラスチックは出来るだけ分別してもらって「不燃ごみ」として扱っているでしょう。
ただ、もともと燃焼によって有害物質が発生するものですし、プラスチックはリサイクル出来るものなので家庭で分別を意識したいものですね。
プラスチックは石油製品なので限りある資源です。
環境問題として家庭で出る消しカスの量は微量なので特に問題はないと思いますが、極端に量が多い場合は自治体に確認するのがいいでしょう。
消しゴムそのものや他のプラスチック類は、意識してリサイクル品として意識した方が賢明です。
まずは住んでいる地域で、消しゴムの捨て方を確認してみることから初めてみませんか?
消しカスを再利用!?!何になるの?どうやって作るの?のまとめ
消しカスの再利用法について見ていきました。
残念ながら、練り消しを作る以外の目新しい活用法は見つかりませんでした。
消しゴムはわたしたちにとってはすごく身近なもの。
特に子どもたちの学びには必需品です。
使えばもちろん消しカスも出ます。
再利用できないからこそ、大事に使っていくことを子どもたちにも伝えていけたら良いですね。