「赤ちゃん返り」って聞いたことありますか?
子供が急に、赤ちゃんみたいになってしまって
「今までできていたことが、急にできなく(やらなく)なってしまったり」
「急に必要以上に甘えてくるようになったり」
「「バブバブ」なんて言って、赤ちゃんのマネをするようになったり」
しかも、家の中だけじゃなく、外でもこんなことをするものだから。
恥ずかしいやらイライラしちゃうやらで、本当に面倒!って思ってしまいますよね。
そんな「赤ちゃん返り」とは、実は「幼児退行」とも言って、自分の心を守るために無意識に働く「防衛機制」であるんです。知っていましたか?
「退行」は、それまでの発達状態から逆にさかのぼって、その年齢に比べてずっと幼い行動をしたり、表現したりするのが特徴です。
「退行」は、幼児退行、つまり赤ちゃん返りの原因の1つと考えられます。
その他にも、「退行」の原因には防衛機制以外に脳損傷・脳疾患などがあるとされています。
そこで今回は、この退行についてお伝えしていきますね。
赤ちゃん帰り(幼児退行)の原因がわかると。
今までイライラしてしまって、面倒に感じていた子供の赤ちゃん返りも、見方が変わってくるかもしれませんよ。
赤ちゃん返りの謎!子供ってなぜ退行が起きるの?
退行は、具体的には次のようなことが起こります。
- 第二子の誕生で急に赤ちゃん返りするようになる第一子
- お酒に酔って周囲の人に甘える大人
- 家中でパートナーから全く離れようとしない大人
- 今までできていた、着替えや入浴、食事を親に手伝ってもらう
- その年齢ではもう必要でなくなったにもかかわらず、哺乳瓶でミルクを飲もうとしたり、離乳食を食べようとする
フロイトの学説では3つの役者が出てきます。簡単に説明していきますね。
「今すぐあれがしたい」「これがしたい」という欲求を出すことにより、満足を得ようとする
自我は欲求を現実させるために必要な準備行動を作る。
例えば試験に受かるために計画的に勉強するなど。
子供の時に親に叱られたり、反対に褒められたりする経験を経て、行いの善悪が身に付くようになる。
要するに、自我はイドと超自我の間に立って調整する役割を果たすもので、その三者は、
- 車
- 運転手
- 交通ルール
第二子の誕生により退行を起こす第一子のケース
第一子は、誕生後しばらくの間、親の愛情を独占できる期間があります。
その分、弟や妹が誕生すると、親の愛情を独占できる時期が終わり、寂しさを感じるようになります。
その時に、欲求を支配するイド(エス)は「もっと自分にかまってほしい!!」と強い欲求を出してきます。
年齢が小さい時分には、まだ超自我が発達しておらず、その欲求はその子の親に直接ぶつけられます。
しかし、親もその要求に応ずることができない時もあります。
その時自我はイド(エス)との外の世界での行動のつり合いが取れなくなり、追い詰められます。
その結果、最初にイド(エス)の欲求(自分にかまってほしいという気持ち)を無意識下に抑圧するのです。
しかし、抑圧したものはそれを逃れた出てこようとします。
その結果、抑圧された「もっと自分をかまってほしい」という気持ちが、赤ちゃん返り」という形で外に現れるのです。
「何もできない赤ん坊に帰ると、弟や妹のように自分もかまってもらえる」からです。
幼児に退行する大人
幼児退行の結果、パートナーに食事や着替えを手伝ってもらうようになる、大人のケースです。
大人になると
- 社会から要求されるスキルが増え
- 人間関係が複雑になり
- 厳しいノルマをこなす必要も多くなる
そんな中、イド(エス)は「もう耐えられない!全て投げ出して逃げ去りたい!」という気持ちが大きくなります。
他方で、倫理観をつかさどる超自我は「すべてを投げ出して逃げ去るなんてダメ!大人なんだから仕事しなくては!」として、イド(エス)をコントロールしようとします。
そしてそれがコントロールするのが難しいほど強くなると、自我が超自我とイド(エス)、現実の世界との3つの状況の間で苦しむことになります。
そして「過去の子供の自分に返ればいい」と「退行」を選択します。
その結果「全文投げ出したい」というイド(エス)の願望がかなえられます。
その結果、未熟な行動として、食事や着替えの手伝いが必要な状況を作り出すのです。
子供の赤ちゃん返り 退行への対応の仕方
小さな子どもの赤ちゃん返りには、その子供の実際の年齢よりも2歳年下の子供に接するような気持ちを持って、十分に甘えさせてあげることが肝心だと言われています。
また、赤ちゃん返りで起きる「ぐずり」だとか「おねしょ」に対して、親自身があまり大きく心配しないことが大事なようですね。
その時取り入れると良い方法は
- 年上の子供だけの時間を作る
- 年下の子の面倒を年上の子が見た時に、大げさなほど褒めてあげる
実際に、私の周りにも、それで解決できたという経験をした人がいますよ。
子供の退行現象ってとっても面倒!?のまとめ
私には妹が一人いますが、4歳も年が離れていたので、赤ちゃん返りをしたという記憶がありません。
でも、赤ちゃん返りしたいという気持ちは分からないではありません。
大人でも、現実逃避として「退行」するというのですからなおさらですよね。
現在、小さな子どもをお持ちの人は、特に赤ちゃん返りについての知識を知っておいてよいのではないでしょうか!?
そして、正しくその行動を理解してあげることで、イライラしたり、面倒に感じてしまう気持ちも、子供への愛情へと切り替えることができるようになりますよ。