
赤ちゃんのお世話で手がいっぱいなときに、上の子が
- 急にわがままを言ったり
- 自分でできていたはずのことを「やって!」と泣き喚いたり
「赤ちゃん返り」という言葉は知っていても、いざ目の前で上の子が赤ちゃんみたいな真似を始めたり、わざとお漏らしをしたりする姿を見ると、どうしてもイライラしてしまいます。
そして、つい声を荒らげてしまったあとに、子供の寝顔を見て「ごめんね」と一人で自分を責めてしまうこともあるのではないでしょうか。
そんな優しいあなたにこそ、この記事を読んでほしいと思っています。
この記事では、なぜ赤ちゃん返りが起きるのかという心の仕組みから、教科書通りの「上の子優先」ができないときの具体的な乗り切り方まで、詳しく丁寧にお伝えしていきますね。
読み終わるころには、少しだけ肩の荷が下りて、「明日はあんな風に接してみようかな」と前向きな気持ちになれるはずですよ。
赤ちゃん返りが起きる理由と子供の心理
赤ちゃん返りは、心理学では「退行」と呼ばれていて、自分の心を守るために無意識に働く仕組みの一つなんですよ。
なので、決して「お母さんを困らせよう」と思ってやっているわけではないんです。
心を守るための防衛反応
人は、
- 強いストレスや不安を感じたとき
- 今の自分では解決できない問題にぶつかったとき
それは、かつて自分が100%守られていて、何の不安もなかった時代に戻ることで、傷ついた心を癒やそうとしているからなんですね。
つまり、上の子が赤ちゃんのように振る舞うのは、「今のままの自分じゃ不安で壊れそうだから、もう一度赤ちゃんに戻って安心させてほしい」という、切実なSOSのサインなんです。
私の周りでも、下の子が生まれた途端に急に甘えん坊になった子がいましたが、それも自分なりの「安心したい」という気持ちの表れだったんだなと感じます。
本能と理性のあいだで揺れる小さな心
人の心には、大きく分けて3つの役割があると言われています。
- 一つは「今すぐやりたい!」という欲求の塊みたいな部分
- 二つ目は「それはダメ、ルールを守って」と自分を律する部分
- 三つ目が、その二つの間でバランスを取る自分自身
例えば、下の子が産まれてお母さんを独占できなくなったとき、心の中では「もっと甘えたい!」という欲求が叫び声を上げます。
でも、まだ幼い子供にとって、その強い気持ちを自分一人でコントロールするのは、とても難しいことなんですね。
その結果として、一番分かりやすい「赤ん坊に戻る」という方法を選んでしまうのです。
いつまで続くの?赤ちゃん返りが落ち着く目安
そんな赤ちゃん返りをした子供を見て「この生活、いつまで続くの?」と、終わりが見えないトンネルの中にいるような不安を感じることもありますよね。
でも、大丈夫ですよ。
赤ちゃん返りには、必ず終わりがあります。
年齢によって異なる安心感の得かた
赤ちゃん返りが落ち着くタイミングは、お子さんの年齢や性格によっても違ってきます。
「2歳前後」の頃の赤ちゃん返り
「自分でやりたい!」という気持ちと「やっぱり甘えたい」という気持ちが激しく入れ替わる時期です。
お母さんの愛情を再確認できて、心が満たされると少しずつ落ち着いていきますよ。
「3歳から4歳」ごろの赤ちゃん返り
言葉が発達して、自分の気持ちを説明できるようになると、行動での赤ちゃん返りは減っていきます。
お友達や遊びに興味が向くようになると、自然となくなっていくことが多いですね。
心の安全基地が完成するサイン
赤ちゃん返りが終わるサインは、お子さんが自分から「お母さん、あっちで見ててね」と言ったり、一人で遊びに没頭できる時間が増えたりすることです。
これは、「甘えたいときはいつでも甘えられる」という安心感が心の中にしっかりと根付いた証拠ですよ。
「もう一度赤ちゃんに戻って甘え直す」という時間は、決してお子さんの成長を後戻りさせているわけではなく、より強い安心感を育てている最中なんです。
今は大変ですけれど、このステップを踏むことで、将来の自立に向けた大切な土台を作っているんですね。
「上の子優先」が難しいときの具体的な乗り切り方
育児書にはよく「上の子を優先しましょう」と書かれていますよね。
でも、現実はなかなかそうはいきません。
下の子がギャン泣きしている中で、上の子を抱きしめるなんて、物理的にも精神的にも無理な場面もたくさんあります。
理想よりも現実的な方法で大丈夫
そんなとき、「上の子を優先できない私はダメな母親だ」なんて、自分を責めないでくださいね。
体は1つしかありませんし手は二本しかないんですから、できないことがあって当たり前なんです。
大切なのは、完璧に「上の子を優先すること」ではなく、上の子の「見てほしい気持ち」を少しだけ満たしてあげる工夫なんです。
教科書通りの対応が難しいときには、以下のような方法で乗り切ってみるのはいかがでしょうか。
1日5分だけの秘密の同盟
上の子に、長い時間付き合う必要はありません。
1日のうち、たった5分でいいので、下の子が寝ているときや誰かに預けられるときに「上の子とだけ」向き合う時間を作ってみてください。
「今はあなただけの特別な時間だよ」と言って、一緒におやつを食べたり、内緒話をしたりするだけで、上の子の心のタンクは急激に満たされます。
この「自分だけが特別」という感覚が、赤ちゃん返りを落ち着かせるための効果的な方法になることもあるんです。
「上の子が可愛くない」と思ってしまう自分を責めないで
赤ちゃん返りをする上の子に、どうしてもイライラが止まらず「可愛くない」とさえ感じてしまうこともあるかもしれません。
そんな風に思ってしまう自分にショックを受けている方もいるでしょう。
それは愛情不足ではなく脳の防衛反応です
上の子を疎(うと)ましく感じてしまうのは、あなたの性格のせいでも愛情が足りないせいでもありません。
実は、新しい命である下の子を守ろうとする、お母さんとしての強い本能が働いているからなんです。
特に、「下の子」という守らなければいけない存在がいるとき、上の子のわがままや大きな声は、母親の脳にとって
- ストレス
- 脅威
だから、カッとなってしまうのは、愛情がないからとかではなくて、あなたが家族を守ろうと必死に頑張っている証拠なんですよ。
心が限界を感じたときの対処法
イライラが頂点に達してしまったら、一度その場を離れても大丈夫です。
安全な場所に子供を置いて、別の部屋へ行き、深呼吸をして冷たい水を一口飲んでみてください。
「今、私、すごく疲れてるんだな」と自分の状況を認めてあげるだけで、少しだけ冷静になれますよ。
「今日は怒鳴ってしまったけれど、それでも頑張って子供たちを今日まで生かしてきた」という事実だけで、あなたは100点満点です。
完璧なママを目指すのではなく、まずは「今日を無事に終えること」を目標にして、自分をたくさん甘やかしてあげてくださいね。
赤ちゃん返りへのNGな対応と相談のタイミング
最後に、赤ちゃん返りの対応で気をつけておきたいことと、一人で抱え込みすぎないためのポイントをお伝えしますね。
避けたほうがいい言葉と接しかた
赤ちゃん返りをしているときに、「お兄ちゃん(お姉ちゃん)なんだから我慢して」という言葉をかけてしまうことがあるかもしれませんが、実はこれ逆効果になることが多いんです。
この言葉は、子供にとって「今のままの自分じゃ愛されないんだ」という不安を大きくさせてしまいます。
また、わざとお漏らしをしたときに厳しく叱りすぎるのも、さらに不安を煽ってしまいます。
「あら、出ちゃったね。着替えようか」と淡々と処理をして、自分からトイレに行けたときに「教えてくれてありがとう!」と大げさに褒めてあげるほうが、解決への近道になりますよ。
専門家の力を借りることも大切です
もし、赤ちゃん返りが何ヶ月も続いてお母さん自身の体調が悪くなってしまったり、夜眠れなくなったりしている場合は、一人で解決しようとしなくてもいいんです。
お住まいの地域の
- 保健センター
- 子育て支援センター
- 小児科
第三者に話を聞いてもらうだけで、新しい解決策が見つかったり、具体的なサポートを受けられたりして、重たい心が少しだけ軽くなることがありますよ。
まとめ
赤ちゃん返りは、お子さんがあなたを世界で一番信頼して、安心して甘えているからこそ起こる現象です。
今は毎日が嵐のようで、気が遠くなるかもしれませんが、この日々もいつか「あんなこともあったね」と笑って話せる日が必ず来ます。
赤ちゃん返りは心の成長痛: 自立のために必要な、愛情を再確認するステップです。
①理想の半分で合格
「上の子優先」に縛られず、できる範囲の方法で乗り切りましょう。
②自分を一番に大切に
あなたが少しでも穏やかでいられることが、お子さんにとって一番の栄養になります。
明日の朝、上の子が起きてきたら、おはようの代わりに一度だけ、頭をなでてあげてみませんか?
抱っこが無理なら、それだけで十分。
あなたは、もう十分に頑張っていますよ。
今夜は自分に「よくやったね」と言って、少しでも早く休んでくださいね。
