産後の無理は本当に更年期に響く?今からできる3つの備えと考え方

産後って、休んだほうがいいのは分かっているのに、現実はそんな余裕ありませんよね。

授乳に夜泣き、上の子のお世話、たまっていく家事。

そんな毎日のなかで「産後の無理は更年期にツケが回る」なんて言葉を見かけると、ふっと不安になりませんか?今がしんどいだけじゃなく、何十年も先の自分の体まで心配になってしまう。

この記事では、産後の無理が本当に更年期に影響するのか、いま分かっていることをやさしく整理したうえで、完璧に休めない人でも今日から始められる小さな備えをお伝えします。

読み終わるころには、漠然とした不安が「これならできそう」に変わっているはずです。

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産後の無理が必ず更年期を悪くするとは限りません

先に、いちばん気になっているところからお伝えしますね。

産後に無理を重ねたからといって、それが必ず将来の更年期をつらくする、と決まっているわけではありません。

「産後の肥立ちが悪いと更年期にひびく」という言い伝えは昔からありますが、それをはっきり証明した医学的な根拠は、今のところ見当たらないとされています。

だから、すでに無理をしてしまった日があっても、自分を責めなくて大丈夫です。

本当に大切なのは「過去にした無理」ではなく「これからの過ごし方」

今からでもできることは、ちゃんと残っています。

焦らず、一緒に見ていきましょう。

私も二人目の産後、上の子を抱っこしながら片手で家事をこなす毎日で、ふと「この無理、いつか自分に返ってくるのかな」と怖くなったことがあります。

同じ不安を抱える方に、あのとき私が知りたかったことをお伝えしますね。

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なぜ「産後の無理は更年期に響く」と言い切れないのか

「根拠がない」と言われても、なんだかモヤモヤしますよね。

完全に無関係だと言ってくれたら安心できるのに、「関係あるかも」という話も同時に聞こえてくる。

ここがいちばん迷うところだと思います。

少しだけ、ていねいに分けて考えてみましょう。

「産後の肥立ちが悪いと更年期がつらくなる」に医学的な証明はありません

「産後の肥立ち」とは、出産後の体が元気な状態に戻っていく過程のことです。

回復がうまく進まないと「肥立ちが悪い」と昔から表現されてきました。

この肥立ちの悪さが、そのまま将来の更年期障害につながる…そう語られることは多いのですが、これを裏づける医学的な証明はされていない、というのが現在の見方とされています。

産後の不調も更年期の不調も、どちらも女性ホルモンのバランスの乱れが大きく関わっています。

ですから、ホルモンの影響を受けやすい体質の人は、産後もつらく、更年期もつらく感じやすい、という傾向はあるのかもしれません。

でもそれは「産後に無理をしたから更年期が悪化した」という話とは少し違います。

無理をした事実そのものが、更年期を悪くする引き金になると確定しているわけではないのです。

この一点を知っているだけでも、気持ちはずいぶん軽くなるはずです。

それでも産後の過ごし方が将来につながると言われる理由

では、なぜ「産後の過ごし方は大事」と多くの専門家が口をそろえるのでしょうか。

それは、直接の因果ははっきりしなくても、産後に放っておくと後々まで尾を引きやすい不調が、いくつか分かっているからです。

ここを知っておくと、何に気をつければいいのかが見えてきます。

骨盤まわりのゆるみは年齢とともに表面化しやすい

妊娠から出産にかけて、骨盤を支える靱帯や、内臓を下から支える骨盤底筋はぐっとゆるみます。

このゆるみは産後3〜4か月ほどかけて少しずつ戻っていくとされますが、その時期に間違った姿勢や動作を続けると、骨盤がゆがんだまま定着してしまうことがあります。

若いうちは筋力でカバーできていても、年齢を重ねて女性ホルモンが減り、筋力も落ちてくる更年期に、尿もれや腰痛、子宮が下がってくるといった形で表面化しやすくなる、と言われています。

つまり、産後のゆるみそのものより、ゆるみを放置したまま何年も過ごしてしまうことが、後の不調につながりやすいというイメージです。

逆に言えば、今ここに少し意識を向けておくことには、ちゃんと意味があります。

産後うつを経験すると更年期の落ち込みも出やすいと言われる

気持ちの面でも、似たことが指摘されています。

産後うつを経験した人は、更年期にも気分の落ち込みを感じやすい、という見方があります。

更年期は女性ホルモンの急な変化に加えて、子どもの巣立ちや親の介護など環境の変化も重なり、心が揺れやすい時期です。

産後にも、わけもなく涙が出る、何をしても楽しめない、眠れないのに気持ちだけ焦る、といったサインが出ることがあります。

こうしたつらさを「気のせい」「みんな同じ」と我慢して放置してしまうと、その状態が長引いて後年まで続いてしまうこともあります。

体だけでなく、心の不調も「早めに手を打つ」ことが将来につながるのです。(つらいときほど「これくらい平気」と思い込んでしまうんですよね)

ホルモンの大波に揺さぶられる点で産後と更年期は似ている

産後と更年期は、一見まったく別のものに思えますが、「女性ホルモンの大きな変化に心と体が振り回される時期」という意味では、実はよく似ています。

並べてみると、こんな感じです。

産後の時期 更年期の時期
出産で女性ホルモンが急激に減る 閉経に向けて女性ホルモンがゆらぎながら減る
気分の落ち込みやイライラが出やすい 気分の落ち込みやイライラが出やすい
眠りが浅く疲れが抜けにくい 眠りが浅く疲れが抜けにくい
体が回復するまで時間がかかる 不調が落ち着くまで時間がかかる

こうして見ると、産後にホルモンの揺れとの付き合い方を少し知っておくことは、そのまま将来の更年期の予行演習にもなります。

今しんどい思いをしているぶん、自分をいたわる引き出しを増やしておける、とも言えるんですね。(せめてこのしんどさに意味を持たせたい)

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休めないあなたでも今日からできる3つの備え

「休んだほうがいいのは分かってる。

でも休めないんだってば」…そう思いますよね。

ここからは、まとまった休みが取れなくても、暮らしのなかに少しずつ差し込める備えを3つお伝えします。

完璧を目指さなくて大丈夫。

できる日に、できるぶんだけ、で十分です。

備え1 「ちゃんと休む」より「少しだけ休む回数」を増やす

産後の体は、交通事故に遭ったあとに近いダメージを受けているとも言われます。

本来ならじっと安静にしたいところですが、現実は赤ちゃん優先で、自分の休息はどうしても後回しになりがちです。

そこで、考え方を少し変えてみましょう。

「1時間しっかり昼寝する」ではなく、「10分だけ横になる」を1日に何回つくれるか。

赤ちゃんが寝たら家事より先に自分が横になる、立ち仕事の合間に座れるときは座る。

それだけでも体の負担は変わってきます。

とくに産後は出血や授乳の影響で貧血になりやすく、めまいや動悸、強い疲れやすさが出ることもあります。

無理を重ねると心臓や腎臓に負担がかかることもあるため、レバーや大豆製品、青菜、貝類など鉄分の多い食べ物も意識できるといいですね。

「休む」を一回ずつの小さな単位に分けて、こまめに積み重ねる

これなら忙しい毎日でも続けやすいはずです。

私は「赤ちゃんが寝たら、まず家事」が癖になっていて、気づくと一日中ほとんど座っていない、なんて日が続きました。

意識して「先に5分だけ横になる」と決めてからは、夕方のぐったり感が少しやわらいだ気がします。

完璧じゃないけど、ゼロよりずっとマシでした。

備え2 骨盤底筋を意識する時間を1日数回つくる

将来の尿もれや腰まわりの不調が気になるなら、骨盤底筋を意識する習慣がおすすめです。

骨盤底筋は、腟と肛門のまわりにあって、内臓を下から支えている筋肉。

ここを「締める」「ゆるめる」とくり返すのが、基本のトレーニングです。

やり方はとてもシンプル。

息を吐きながら腟と肛門をきゅっと締め、息を吸いながらふっとゆるめる。

立っていても、座っていても、横になったままでもできます。

授乳しながら、信号待ちのあいだ、歯みがき中など、「ついで」に紛れ込ませるのがコツです。

ただし、ここは知っておいてほしい注意点があります。

骨盤底筋トレーニングはすぐ効果が出るものではなく、続けて2〜3か月ほどかけてゆっくり変わっていくとされています。

そして、効果が出てもやめるとまた戻りやすいので、一時的にがんばるより、歯みがきと同じ「毎日のこと」にしてしまうのが、いちばんラクで確実な続け方です。

備え3 産後ケアや周りの手を「申し訳ない」と思わず借りる

3つめは、ひとりで抱え込まないこと。

これがいちばん大事かもしれません。

今は、出産後1年以内のママを対象にした「産後ケア事業」が、母子保健法のなかで各市町村の努力義務として位置づけられています。

心身のケアや育児のサポートを受けられる仕組みで、お住まいの自治体の窓口や母子保健の担当に問い合わせると案内してもらえます。

受けられる内容は自治体によって違いますが、たとえばこんな支援があります。

  • 助産師などによる体や育児の相談
  • 赤ちゃんを預かってもらいながらの休息
  • 授乳やケアの具体的なアドバイス
  • ママ同士がつながれる交流の場
注意したいのは、人気の地域では予約が1か月先になることもある、という点です。

「使いたい」と思ったときにはすぐ動き、できれば出産前から情報を集めておくと安心です。

家族の役割分担や、家事代行などの民間サービスも含めて、頼れる先を早めにいくつか確保しておくこと

これも立派な、そして将来につながる備えのひとつです。

正直、最初は「他人に頼るなんて」とためらいました。

でも思いきって産後ケアで半日預かってもらった日、久しぶりに何も気にせず眠れて、ほっとして涙が出たんです。

もっと早く頼ればよかった、と今でも思います。

逆に気をつけたい やらないほうがいいこと

備えと同じくらい大事なのが、「やらないほうがいいこと」を知っておくこと。

よかれと思ってやっていることが、かえって自分を追い込んでしまっている場合もあるんです。

体調不良を「みんな我慢してるから」で放置しない

腰や股関節が痛い、悪露がなかなか減らない、気持ちがずっと沈んでいる。

そんな不調を「産後はみんなこうだから」「そのうち治るはず」と我慢してしまう人は少なくありません。

でも、骨盤にひびが入っていたのに痛みを我慢し続けていた、という体験談もあるほどで、「みんな我慢してる」は、受診を遅らせてしまう危険な物差しです。

いつもと違う痛み、長く続く不調、気分の落ち込みが強いと感じたら、産婦人科に相談してください。

受診したのに「気のせい」で済まされてつらさが軽くならないときは、別の医師の意見を求めてもいいんです。

我慢の量で評価される必要は、まったくありません。

不安な情報ばかり集めて落ち込まない

「産後の無理は一生祟る」といった強い言葉は、目に飛び込んでくると不安をあおります。

気になって調べるほど、こわい情報ばかりが集まってしまうこともありますよね。(夜中の授乳中のスマホ検索、あれがいちばん心に悪い気がします)

情報を集めること自体は悪いことではありません。

でも、不安だけが大きくなって、肝心の休息や睡眠が削られてしまっては本末転倒です。

調べて落ち込みそうになったら、まず10分横になる

そのくらいの優先順位で、ちょうどいいと思います。

産後の今だからこそ、未来の自分にできること

最後に、大事なところを整理しますね。

産後に無理を重ねたからといって、それが必ず更年期をつらくする、と決まっているわけではありません。

「肥立ちの悪さが更年期に響く」という言い伝えに、はっきりした医学的な証明はないとされています。

だから、もう無理をしてしまった日があっても、どうか自分を責めないでください。

ただ、骨盤まわりのゆるみや、心の不調を放置すると、年齢を重ねたときに表面化しやすいのも事実です。

だからこそ意味があるのは、過去ではなく、今からの過ごし方。

完璧に休めなくても「少しだけ休む回数」を増やす。

骨盤底筋を「ついで」に意識する。

産後ケアや周りの手を、申し訳ないと思わずに借りる。

そして、不調を我慢しすぎず、不安な情報に飲み込まれない。

どれも、今日からひとつずつで大丈夫です。

今のしんどさは、女性ホルモンの大波と向き合う練習の時期でもあります。

ここで身につけた「自分をいたわるくせ」は、いつか更年期を迎えたとき、きっとあなたを助けてくれます。

赤ちゃんのお世話に追われる毎日のなかで、自分のことはどうしても後回しになりますよね。

それでも、ほんの少しでいいから、未来のあなた自身にも手を差し伸べてあげられたら。

そんなふうに思えたなら、それだけでもう、十分にいい備えができはじめているのだと思います。