
雨の日に車を走らせていると、ワイパーが「ギーギー」「ガガガ」と鳴って、なんだか落ち着かない…そんな経験はありませんか?
音が気になって運転に集中できないし、隣に誰かが乗っているとちょっと気まずいんですよね。
「これって壊れたのかな」「お店に持っていったほうがいいのかな」と不安になってしまう方も多いと思います。
でも、まず安心してください。
あの不快な音は、その多くが故障ではなく、とてもよくある現象なんです。
正体は、ワイパーのゴムとフロントガラスがうまく滑らずに引っかかって起きる「ビビり」と呼ばれるもの。
原因はゴムやガラスの状態などいくつかあって、実はお金をかけずに、今日その場でできることから順番に試すだけで静かになるケースがほとんどなんです。
この記事では、車にあまり詳しくない方でも迷わないように、「なぜうるさくなるのか」から「まず何をすればいいか」「それでもダメなときはどうするか」までを、やさしい順番でお伝えしていきます。
焦って高い修理に出す前に、ここで一度、深呼吸して読んでみてくださいね。
この記事でわかること
- ワイパーがうるさくなる主な原因
- お金をかけずに今日できる音の止め方の手順
- それでも直らないときの交換とプロ相談の選び方
- 放置したときの危険と、条件で変わる鳴き方の見分け方
ワイパーがうるさくなる5つの原因
ワイパーの音を止めるには、まず「なぜ鳴っているのか」をざっくりつかんでおくのが近道です。
やみくもに部品を買い替えても、原因が違えば直らずにお金だけが出ていってしまうんですよね(あるあるです…)。
うるさくなる原因は、大きく分けると次の5つ。
どれか一つのこともあれば、いくつか重なっていることもあります。
自分の車はどれに近いかな、と思いながら読んでみてください。
ゴムが劣化して硬くなり引っかかる
いちばん多いのが、ワイパーゴムの劣化です。
ゴムは紫外線や雨、夏の暑さや冬の冷え込みにずっとさらされているので、少しずつ硬くなったり、ヒビが入ったり、先が反ってきたりします。
やわらかいゴムはガラスの上をスーッと滑ってくれるのですが、硬くなったゴムはうまく寝てくれず、ガラスに引っかかりながら動くようになります。
これがあの「ガガガ」という音の正体です。
目安としては、ワイパーゴムはおよそ半年から1年で交換のサインが出てくると言われています。
ゴムを指でなぞってみて、ザラついていたり、ヒビや欠けがあったり、拭いたあとにスジが残るようなら、劣化が進んでいるサインです。
ガラスの油膜や汚れで滑りが悪くなる
意外と見落とされがちなのが、フロントガラス側の汚れです。
走っているうちに、排気ガスの油分や花粉、砂ぼこり、それに鳥のフンなどがガラスにこびりついていきます。
とくに油分が膜のようにこびりついた「油膜」がやっかいで、これがあるとゴムがガラスの上をなめらかに動けず、ビビりや拭きムラの原因になります。
ここで大事なのが、ゴムが新品でも、ガラスが汚れていれば音は鳴るということ。
「ゴムを替えたのに直らない…」という人は、実はこのガラス側の汚れが残っていることがとても多いんです。
ブレードやアームの歪みで当たり方がずれる
ワイパーは、ゴムだけでなく、それを支える「ブレード(骨組み)」と、ブレードを動かす「アーム(腕)」という部品でできています。
ゴムは普通、ガラスに対しておよそ90度の角度でピタッと当たるように作られているのですが、ブレードがサビたり変形したり、アームが何かの拍子に曲がったりすると、この当たり方がずれてしまいます。
当たる角度がずれると、ゴムがガラスを押す力が均一でなくなり、部分的に引っかかって音が出ます。
ゴムもガラスもきれいなのに鳴る場合は、このブレードやアームの歪みを疑ってみるといいですね。
撥水コーティングとノーマルゴムの相性
ガラコなどの撥水剤を塗っていたり、お店で撥水コーティングをしてもらっている方は、ここが原因のことがあります。
撥水が効いていると、ガラスの上で水が玉になって弾かれるので、ワイパーが動くときにガラス面が乾いた状態に近くなります。
そうすると、ゴムが「半分から拭き」のような状態になって摩擦が増え、ビビりやキュッキュッという音が出やすくなるんです。
実は、車に最初から付いているノーマルのワイパーは、何も塗っていないガラスを前提に作られています。
だから撥水加工との相性が悪いことがある、というわけですね。
これは故障ではなく、組み合わせの問題なので、後ほどお伝えする方法で対応できます(コーティングを落とさなくても大丈夫なので安心してください)。
新品なのに鳴るときに見落としがちな取り付けの向き
「替えたばかりなのに鳴る」という場合、ゴムの取り付け方も確認したいポイントです。
ワイパーゴムには向きがあって、ロックされる穴がある側を、アームの根元側に向けて取り付けるのが正しい向きです。
ここが逆になっていると、ゴムがうまく寝返りできずにビビってしまいます。
新品で鳴るときは、「ゴムの向きが逆」「ガラスの油膜が残ったまま」「撥水とノーマルゴムの相性」のどれかであることが多いです。
新品=必ず静か、とは限らない、と覚えておくと慌てずに済みますよ。
私の車も去年の梅雨にギーギー鳴り出して、てっきりゴムが寿命かと思って交換したんです。
でも全然直らなくて…。
よく見たらガラスに油膜がべったり。
ゴムじゃなくてガラス側が原因だったんですよね(完全に見当違いでした)。
お金をかけずに今日できるワイパーの音の止め方
原因がなんとなくつかめたら、いよいよ対処です。
ここでお伝えしたいのは、いきなり部品を買いに行くのではなく、お金のかからないことから順番に試すということ。
じつは清掃と付け直しだけで静かになることがとても多いんです。
次の順番で進めてみてください。
まずはガラスとゴムを拭いて汚れを落とす
最初にやってほしいのが、いちばん手軽でお金もかからない「拭く」こと。
濡らした布やウェットティッシュで、ワイパーゴムのフチを軽くなでるように拭いてみてください。
黒い汚れがけっこう付いてくると思います(思った以上に真っ黒で、ちょっとびっくりするかもしれません)。
この汚れが、ゴムの滑りをじゃましていることがあるんです。
あわせて、フロントガラスのワイパーが通る範囲も水拭きしておきます。
砂ぼこりや花粉が乗っているだけでも音は出るので、ここをきれいにするだけで「あれ、静かになった」となることも。
お金ゼロでできるので、まずはここからどうぞ。
油膜取りやガラスクリーナーでガラスを拭き上げる
水拭きだけで取れない油膜は、専用のアイテムでしっかり落とします。
カー用品店に売っている油膜取り、またはシリコンの入っていない車用ガラスクリーナーを使って、ガラスの表面を磨くように拭き上げてください。
シリコン入りのものは、かえって膜を作ってビビりの原因になることがあるので、「シリコン非配合」のものを選ぶのがコツです。
油膜が取れると、水がガラス全体にうすく広がるようになります。
ゴムが新品なのに鳴っていた人は、ここで一気に解決することも多いですよ。
地味な作業ですが、効果は大きい工程です。
ゴムを外して正しい向きで付け直す
それでも鳴るなら、ゴムをいったん外して付け直してみましょう。
ゴムがずれていたり、向きが逆になっていたりすると、それだけで音が出ます。
先ほどお伝えしたとおり、ロック穴のある側をアームの根元側に向けて取り付けるのが正解です。
ゴムの溝に入れにくいときは、ウォッシャー液を少しだけ塗るとスルッと入りやすくなります。
付け直したら、一度ワイパーを動かして、きちんとガラス全体を拭けているか、音が消えたかを確認してください。
ここまでで多くのケースは落ち着きます。
逆効果になりやすいやってはいけない対処
よかれと思ってやったことが、逆に状況を悪くしてしまうこともあります。
次のような対処は避けてくださいね。
- ガラスの油膜を落とさないまま、新品ゴムだけを付ける(また鳴ります)
- ゴムの向きを確認せずに勢いで取り付ける
- アームを力任せにグイッと曲げて角度を変えようとする(破損やガラス割れのもと)
- 音が消えないからと、劣化したゴムをそのまま使い続ける
清掃で直らないときの交換とプロへの相談
拭いて、きれいにして、付け直しても音が消えないとき。
ここまで来たら、部品の交換やプロへの相談を考えるタイミングです。
とはいえ、まだ慌てなくて大丈夫。
どれを選べばいいか、判断のポイントを整理しておきますね。
ゴムだけ交換とブレードごと交換の選び方
交換には「ゴムだけ替える」方法と「ブレードごと替える」方法の2つがあります。
それぞれの特徴を比べてみましょう。
| 交換方法 | 費用の目安 | こんな人におすすめ |
|---|---|---|
| ゴムだけ交換 | 1,000円くらいから | とにかく安くすませたい。ブレードはまだきれいでサビや変形がない |
| ブレードごと交換 | 2,000円くらいから | ブレードがサビている・変形している。ゴムの着脱が面倒で確実に直したい |
ゴムだけ交換は安くて手軽ですが、ブレードがサビや変形でゆがんでいると、ゴムを新品にしてもまた鳴ってしまうことがあります。
ブレードの状態もあわせて見て、傷んでいるならブレードごと替えるほうが結局は早道です。
なお、お店で交換してもらう場合は、工賃が500〜2,000円くらい別にかかることがあります(金額は目安で、お店や時期で変わります)。
私は最初ケチってゴムだけ替えたんですけど、ブレードがサビていたみたいで一週間でまた鳴り出して…。
結局ブレードごと買い直すことになって、二度手間でした。
最初から状態を見ておけばよかったです(笑)。
撥水コーティング車に合うゴムの選び方
撥水コーティングが原因で鳴っている場合、せっかくの撥水を落とすのはもったいないですよね。
そんなときは、撥水ガラスに対応した「グラファイトタイプ」や「撥水タイプ」のゴムに替えるのがおすすめです。
グラファイトタイプは、ゴムの表面に炭素の細かい粒子をコーティングしてあって、摩擦をぐっと減らしてくれます。
だから撥水加工したガラスとも相性がよく、ビビりや拭きムラが出にくいんです。
ゴムを買うときは、必ず自分の車に合うサイズを確認してくださいね。
サイズが合わないと、それ自体が拭きムラや音の原因になってしまいます。
なお、撥水タイプのゴムは走りながら撥水被膜を足してくれて便利な反面、その被膜がだんだん減っていくぶん、寿命がやや短めになりやすい一面もあります。
便利さと交換頻度のバランスで選ぶといいですね。
自分で直すかプロに任せるかの分かれ目
ここまでの清掃や、ゴム・ブレードの交換は、車に詳しくない方でも十分チャレンジできる範囲です。
一方で、次のような場合は無理せずプロ(カー用品店やディーラー、整備工場)に相談したほうが安心です。
- ゴムもガラスもきれいで、交換しても鳴る(アームの歪みが疑われる)
- アームの角度を変える必要がありそうだが、自分でやる自信がない
- ワイパーがそもそも正しく動いていない・止まる位置がおかしい
- 作業中にガラスや車体を傷つけそうで怖い
「自分でできるところまではやってみて、難しそうなら任せる」くらいの気持ちでいると、ムリなく進められますよ。
放置すると危ない理由と条件で変わる鳴き方
「音はうるさいけど、走れているし、まあいいか」と後回しにしたくなる気持ち、よく分かります。
でも、ワイパーの不調を放っておくと、思わぬところで困ることがあるんです。
ここでは放置のリスクと、「特定の場面だけ鳴る」ときの考え方をお伝えします。
視界不良やガラスの傷と走行中のゴム飛散
ビビっているワイパーは、たいてい拭き残しやスジを作ります。
雨の日にガラスに水の筋が残ると、特に夜は対向車のライトや街灯がにじんで、一瞬視界が遮られることがあって危険です。
雨の運転はただでさえ気をつかうのに、見えづらさが加わるのはこわいですよね。
さらに、劣化して硬くなったゴムを使い続けると、ガラスにこすれてキズを付けてしまったり、ちぎれたゴムが走行中に風で飛んでいって、後ろの車や歩行者・自転車に当たってしまうおそれもあります。
安全のためにも、音は「直すサイン」として早めに対応してあげたいところです。
冬の朝や小雨のときだけ鳴る場合の考え方
「いつも鳴るわけじゃなくて、寒い朝だけ」「小雨のときだけ」という場合もあります。
これはゴムが冷えて硬くなっていたり、雨が少なくてガラスが乾きぎみだったりするのが理由のことが多いです。
気温が上がったり、雨がしっかり降ると収まるなら、深刻な故障ではないことがほとんど。
ただ、毎回その場面で鳴るなら、ゴムがそろそろ寿命に近づいているサインかもしれません。
「特定の条件で鳴る=まだ軽症だけど、ゴムをいたわってあげるタイミング」くらいに受け止めておくといいですね。
リアワイパーが鳴るときも同じ考え方でいい
うるさいのが後ろのリアワイパーだった、という方もいると思います。
リアワイパーも仕組みは同じなので、原因も対処も基本的にフロントと同じ考え方でOKです。
ゴムやガラスを拭く、汚れや油膜を落とす、それでもダメならゴムやブレードを交換する、という流れで試してみてください。
リア用のゴムはサイズや形が違うので、交換するときはリア専用の適合品を選ぶのを忘れずに。
静かなワイパーを取り戻すための直し方の選び方
ここまでいろいろお伝えしてきましたが、「で、結局自分は何からやればいいの?」となりますよね。
最後に、迷わないための進め方を整理しておきます。
まず試すことと次に進む目安
やることはシンプルで、お金のかからないことから順番に、ひとつ試すごとに音を確認するだけです。
- 1.ガラスとゴムを水拭きする
- 2.油膜取りやシリコン非配合のガラスクリーナーでガラスを磨く
- 3.ゴムを外して、正しい向きで付け直す
- 4.直らなければゴムを交換する(ブレードが傷んでいればブレードごと)
- 5.撥水加工しているならグラファイト・撥水対応ゴムに替える
- 6.それでも鳴る・作業が不安なら、プロに相談する
自分のケースに合った一手の見つけ方
急いで全部やる必要はありません。
ゴムがヒビだらけなら交換から、撥水加工をしているなら対応ゴムから、というふうに、思い当たる原因に近いところから手をつけてOKです。
多くの場合、最初の「拭く・きれいにする・付け直す」の3つで十分に静かになります。
それでも残るときだけ、交換やプロ相談に進めば大丈夫。
順番に切り分けていけば、必要以上にお金も手間もかからずに済みますよ。
まとめ
この記事のポイントをまとめます。
- ワイパーのうるさい音「ビビり」は、その多くが故障ではなくよくある現象
- 主な原因は、ゴムの劣化・ガラスの油膜や汚れ・ブレードやアームの歪み・撥水コーティングとの相性・取り付けの向きの5つ
- 対処は、お金のかからないことから順番に試すのが正解
- まずはガラスとゴムを水拭きする
- 次に油膜取りやシリコン非配合のガラスクリーナーでガラスを磨く
- それでも鳴るならゴムを正しい向きで付け直す
- 直らなければゴム交換、ブレードが傷んでいればブレードごと交換
- 撥水加工している車は、グラファイト・撥水対応ゴムを選ぶ
- 油膜を残したまま新品ゴムを付ける、アームを力任せに曲げる、はやってはいけない
- 放置は視界不良やガラス傷、ゴム飛散につながるので、音は早めの対処のサインと考える
でも、その正体が分かってしまえば、案外あっさり静かにできるものです。
まずは今日、布でサッと拭くところからで大丈夫。
雨の日の運転が少しでも快適になって、「自分で直せた」という小さな達成感まで手に入ったら、うれしいですよね。
気が向いたときに、できることからそっと試してみてください。