子どもが風邪をひいたり熱を出したりして体調を崩しているとき、親としては
「早く良くなってほしい」
「できるだけ安静にしていてほしい」
そう思いますよね。
それなのに、いざ看病が始まると
「布団に入ってくれない」
「じっとしていてくれない」
「すぐ起き上がって遊びたがる」
といったことが起こりがちです。
特に、夜になっても寝てくれないときは、「どうしてこんなに寝てくれないの?」とイライラしてしまったり、焦ってしまったりする方も多いのではないでしょうか。
また、看病しながら家事や育児を同時にこなさなければならない状況だと、親の心にもどんどん余裕がなくなってしまいます。
そんな中で子どもが寝てくれないとなれば、ストレスがたまるのも無理はありません。
この記事では、病気のときに子どもがなかなか寝てくれない理由をわかりやすく紹介するとともに。
無理に寝かしつけようとしなくても安静に過ごせる工夫や、看病する側の親のストレスをできるだけ減らすための方法などをていねいにご紹介していきます。
子どもが熱があるのに寝てくれない理由は?
少し元気が戻ると動きたくなっちゃう
熱が出ていても、ある程度回復に向かっているタイミングになると、子どもが見た目にはかなり元気そうに見えることがあります。
顔色もよくなってきたり、話し方にも活気が出てきたりすると、親からすると「もう少し寝てほしいのに、なんでこんなに動きたがるの?」と困ってしまうことも多いでしょう。
実は子どもは、大人と違って「体調がまだ完全に戻っていないから安静にしなきゃ」という判断がうまくできないことがよくあります。
「ちょっとしんどいけど、もう飽きた」「ベッドにいるのが退屈」と感じてしまうと、
- 「遊びたい」
- 「テレビが見たい」
とくに元気な子や活動的な性格の子ほど、少し熱が下がってくると「もう平気!」という感覚で動き出してしまいがちです。
そういったときに、無理やり寝かせようとするとかえって反発されてしまうこともあります。
だから、「なんで寝てくれないの?」とイライラしてしまう前に、
- 「少し元気になってきた証拠なのかも」
- 「まだ遊べる余力があるってことかな」
気持ちにゆとりが出ることで、子どもへの接し方もやわらかくなり、結果的に看病もうまくいくことが多いですよ。
無理に寝かせなくてもOK!気持ちを切り替えてみよう
横になってくれるだけでも体は休まる
親としては「しっかり寝てほしい」「寝ないと治らないのでは」と心配になってしまいます。
でも実は子どもにとっては“横になっているだけ”でも体はしっかりと休まるものです。
とくに、熱があるときや体調が悪いときは、横になって安静にしているだけでも十分に体力の回復につながります。
無理に寝かせようとすると、
「なんで寝なきゃいけないの?」
「寝たくない!」
という反発心が強くなってしまって、かえってイヤイヤが激しくなったり、親子ともにストレスがたまったりしてしまうことがありますよね。
そんなときは、「静かに横になってくれるだけで今はOK」と、思い切って気持ちを切り替えてみることをおすすめします。
お気に入りの毛布をかけてあげたり、少し薄暗くした部屋で好きな音楽や絵本を聞かせてあげたりするだけでも、リラックスできて自然と目を閉じる時間が増えることもあります。
“寝かせなきゃ”というプレッシャーを一度手放すだけで、親の心にも余裕ができ、子どもにもその安心感が伝わりやすくなります。
看病はただでさえ大変なものなので、完璧を求めず、「できることから少しずつ」で大丈夫ですよ。
看病中でも子どもが安静に過ごせる工夫
動かなくても楽しめる工夫を取り入れて
じっとしているのが苦手な子どもには、体を動かさずに楽しめる方法を工夫して取り入れてあげるのがおすすめです。
熱があっても元気が少し戻ってくると、子どもは動きたくなったり退屈してしまったりすることがよくありますよね。
そんなときには「寝なさい」と叱るよりも、自然と安静に過ごしてくれるような工夫が効果的です。
たとえば、次のような方法があります。
お気に入りのアニメや映画を静かに流しておくことで、横になりながら楽しめます。
好きなキャラクターの絵本を読んであげると、心が落ち着きますし、親子のコミュニケーションの時間にもなります。
タブレットやスマホを使って、ぬりえアプリや知育系の映像コンテンツを見せるのも良いでしょう。
ベッドの中で楽しめるので、体への負担も少ないです。
ぬいぐるみやお人形で「ごっこ遊び」を静かに取り入れてみるのも、子どもが安心感を得やすい方法です。
こうした工夫をすることで、子どもは「退屈だから動きたい」という気持ちを満たしながらも、自然と静かに過ごしてくれるようになります。
「とにかく寝かせなきゃ」と思い詰めると親のほうがつらくなってしまうので、
「静かに過ごしてくれたらそれでOK」
というくらいの気持ちで接してみると、お互いに気持ちがラクになりますよ。
看病中にイライラしたときの気持ちの整え方
イライラするのは自然なことだから大丈夫
看病中は寝不足が続いたり、やるべき家事がどんどんたまっていったりして、心に余裕がなくなるのはとても自然なことです。
特に子どもがなかなか寝てくれないと、自分の時間がまったく取れず、気持ちがずっと張り詰めたままになってしまいますよね。
「どうしてうちの子だけこんなに寝てくれないの?」と焦ってしまったり、「イライラしちゃだめなのに」と、自分を責めてしまうこともあると思います。
でも、そんな中でイライラしてしまうのは、本当に誰にでもあるごく自然なことです。
それだけ一生懸命に子どものことを考えている証でもありますし、自分のことを後回しにしてがんばっているからこそ、心が疲れてしまうのは当然です。
「私が悪い」と思い込まずに、「これだけ大変な状況なんだから、イライラするのも当たり前だよね」と、まずは自分の気持ちをそのまま受け入れてあげてください。
「こんな状況ならイライラしても仕方ないよね」とひと呼吸おいて、少しだけでも自分をいたわることができれば、心の負担はずいぶん軽くなります。
子育てや看病には、完璧を求める必要なんてありません。
がんばりすぎている自分に「よくやってるよ」と声をかけるような気持ちで、少しでもやさしく寄り添ってあげてくださいね。
5分でもいいから自分のための時間を
子どもが落ち着いたタイミングで、ほんの5分でもいいので、自分のためだけの時間を少しだけでも取ってみてくださいね。
看病中はつい子ども優先になってしまい、自分のことは後回しになりがちですが、その5分間だけでも自分の心と体を労わる時間にしてみましょう。
ずっと気を張りつめていた心と体が、そのわずかな時間でも少しだけほっとできるはずです。
たとえば、ゆっくり深呼吸をして、肩の力を抜いてみるだけでも、心がリセットされて気分が軽くなる感覚を味わえるかもしれません。
さらに、温かいお茶を一杯飲んで、ゆったりとした気持ちになったり、好きなお菓子をひと口だけ味わって甘さに癒やされたりするのも、とても効果的です。
ほんの数分でも、日常の中に自分の好きなことを取り入れることで、「自分らしさ」を取り戻すきっかけになりますよ。
また、スマホでお気に入りの動画を少しだけ見る、癒し系の音楽をイヤホンで聴く、本を数ページだけ読むなど、自分が「ちょっと好き」と思えることをしてみるのもいいですね。
もし余裕があれば、アロマオイルを使ってリラックスするのもおすすめです。
お気に入りの香りがふわっと広がるだけで、気持ちがふっとゆるみます。
忙しい中でも、自分にやさしくする時間を持つことはとても大切なことです。
自分自身の心をいたわる時間を持つことで、また子どもにやさしく向き合う力が戻ってきます。
「自分を大事にすることは悪いことじゃない」と思って、ほんの少しでも自分の心にごほうびをあげてみてくださいね。
その小さな習慣が、看病を乗り越えるための大きな支えになってくれるはずです。
看病を一人でがんばりすぎないで!
協力できる人には遠慮なく頼ろう
パートナーや親、兄弟姉妹、近所の人、ママ友など、ちょっとでも手助けしてくれそうな人がいれば、遠慮せずに頼ってみてください。
「私が全部やらなきゃいけない」と気を張りすぎてしまうと、心だけじゃなく体まで疲れ果ててしまいます。
看病は長引くこともあるので、途中で休憩できるタイミングを意識的に作ることも大切です。
たとえば、30分だけでも子どもを見てもらえたら、その間にゆっくりお風呂に入ったり、眠ったり、ごはんをちゃんと食べたりと、自分の体調を整えることができます。
協力をお願いするときは「○○の間だけ見ていてくれると助かる」など、具体的にお願いすると相手も応じやすくなりますよ。
もし身近に頼れる人がいない場合でも、一人で抱え込む必要はありません。
自治体の子育て支援サービスや、地域の子育て支援センター、一時預かり制度など、専門の支援サービスを活用することも考えてみてください。
最近では、オンラインで相談できる子育てサポートも増えてきているので、情報を集めて自分に合った支援を探してみるといいですね。
子どものためにも、そして何よりあなた自身のためにも、「助けを借りることは悪いことじゃない」と思って、少しずつでも頼ることに慣れていってみてくださいね。
まとめ|無理に寝かせなくても大丈夫。親もムリしすぎないで
子どもが病気のときに寝てくれないと、「どうして寝てくれないの?」「早く治ってほしいのに…」と焦ってしまう気持ちになるのは当然のことです。
特に熱があるときや体調が悪いときは、できるだけ寝て体を休めてもらいたいと思うのが親心。
でも、子どもはまだ自分の体調をうまくコントロールしたり、安静に過ごすことの大切さを理解するのが難しいため、なかなか寝てくれない場面も多いですよね。
そんなときは、「しっかり寝かせること」よりも、「子どもが安心して静かに過ごせる時間をつくること」を目指してみてください。
お気に入りの毛布にくるまって絵本を読んだり、静かな音楽を聴きながらゴロゴロするだけでも、体力はちゃんと回復に向かいます。
寝ていなくても体を横にしてリラックスしているだけで、回復には十分な効果があるんですよ。
そして、看病が続くとどうしても親のほうも疲れがたまって、思わずイライラしてしまうことがあります。
でも、それは自然な反応。
ずっと気を張っていたり、思うようにいかない状況が続いていたりすれば、誰でも心が疲れてしまいます。
そんなときは、自分を責めず、「今はがんばりすぎなくても大丈夫」と言い聞かせて、少し肩の力を抜いてみましょう。
協力してくれる家族や支援を受けられるサービスがあれば、遠慮せず頼ってみるのも一つの方法です。
無理せず、できる範囲で看病と向き合っていくことで、親子ともに心地よい時間を過ごすことができますよ。