皆さんは相撲中継はご覧になっていますか?
おじいちゃんおばあちゃんはもちろん、最近では若い女性のファンも増えたりと、なにかと話題の日本の国技ですよね。
この相撲は、もともとは日本固有の神道に基づいた神事としての役割があり、日本各地で“祭り”としておこなわれていました。
そのため、ほかのスポーツ競技に比べて、礼儀作法や品格などが重視されるので、ルールや使われる言葉などがわかりにくいものが沢山あります。
そんな言葉の中に、『激励』という言葉があります。
「え??激励なんて良く使う言葉でしょ?」っと思いますよね!私もそう思いました!
でも、相撲における『激励』は、私たちが普段使っている意味とは少し異なる意味で使われているようです。
そこで今回は、そんな相撲の『激励』にるいて、詳しく見ていきたいと思います!
相撲で横綱に対する激励があったとき…どんな意味があるの?
まずは『激励』の意味を見てみましょう。
一般的に使われる『激励』の意味は、「大いに励ますこと。励まして気を引き立てること」です。
ポジティブで、相手を元気づけるような意味合いで使われていますよね。
しかし、相撲における『激励』は少し意味合いが違います。
ざっくり言いますと、『「次は頑張れよ」ってわざわざ言ってる意味、わかるよね??』という少し怖いニュアンスになります。
つまり、『次に頑張れなければ終わりだよ』という、通告の意味合いとして使われているのです。
最後通告としてのこわ~い励ましということでしょうか?(;^_^A
横綱に対する『激励』とは?
横綱に対する『激励』は、“横綱審議委員会”がだすものです。
横綱審議委員会(通称 横審)は、成績不振の横綱に対して、段階的に
- 激励
- 注意
- 引退勧告
横審の内規には、
「横綱が次の各項に該当する場合、横綱審議委員会はその実態をよく調査して、出席委員の3分の2以上の決議により“激励・注意・引退勧告”をなす」
と明文化されています。
該当する理由としては、休場が多かったり、横綱としてのふるまいや、成績が芳しくない場合などが該当します。
過去には何人も横審から勧告をうけた横綱がいますが、最近では2018年に元横綱稀勢の里に対しての『激励』が話題となりました。
この稀勢の里のケースは、成績不振による決議の実施です。
今までこのように成績不振による激励はほとんどなかった為、異例の対応となりました。
過去には朝青龍のように“横綱としてあるまじき行為”をしたとして勧告がだされた例もあります。
ポイントとなるのは、“横綱審議委員会が決議をした”ということ。
このことはとても重く、『激励』は最後通告の意味合いが強いといわれています。
稀勢の里の『激励』には、驚いた相撲ファンも多かったようですね。
大相撲の横綱審議委員会とは何者?いつから何のためにあるの?
では、そんな『激励』を横綱に勧告する“横綱審議委員会”とは、いったい何者なのでしょうか?
“横綱審議委員会”(横審)は、日本相撲協会に設置されている諮問機関です。
設置のきっかけとなったのは、1950年の初場所での三横綱の途中休場でした。
色々な問題があがり、横綱批判が強烈にあったこの時期、『横綱の権威を保つためにも、相撲に造詣の深い有識者によって横綱を推薦してもらおう』ということで設置されました。
1950年4月21日に発足したそうです。
委員会を構成するのは、『相撲に深い理解を有する各方面の良識者の方々』です。
委員の定数は15名以内、任期は1期2年、最長で5期10年までとなっています。
ちなみに、委員長は、委員の互選によって選出されるのですが、任期は1期2年、最長で2期4年までとなっています。
過去の委員にはマスコミの関係者が多いのが特徴なのですが、これは少し前に話題になった八百長問題を封じ込める作戦ではないか?!とバッシングうけまくりでした。
驚いたのが、この横審の委員は無報酬だということ。
相撲の観覧も、自腹でチケットを購入して観覧しているそうです。
横綱審議委員会の仕事
横審の一番大切な仕事は、“横綱の推薦”です。
審判部から理事長に「この力士を横綱にしてはどうか」との要請があり、理事長は横審に当該力士の横綱推薦について諮問します。
これまで理事会が横審の答申を覆した例はないので、現状では、横審が横綱昇進の事実上の最終審査権を持っているとみられます。
また、上記にもある通り、横綱に関する諸種の案件も横審の仕事となります。
『激励・注意・引退勧告』の決議もその一つ。
横綱審議委員会は、横綱にとってはもちろんですが、相撲界全体にとっても大切な機関というのがわかりますね!
相撲での激励の意味は?のまとめ
相撲での「激励」の意味について見てきましたが、いかがでしたでしょうか?
相撲での『激励』にそんな意味があるなんて、私も今回はじめて知りました。
なにかと話題になる大相撲、今後はそんな相撲ワードや“横綱審議委員会”にも注目してご覧になってみてはいかがでしょうか(^^)
また違った相撲の楽しみ方ができるかもしれませんね!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。