
「おたまじゃくしって、どうやって飼えばいいんだろう?」子どもが田んぼや池、用水路で捕まえてきたり、お友だちからもらってきたりして、急に小さな命を預かることになる。
いざバケツの中で泳ぐおたまじゃくしを前にすると、
「餌は何をあげればいいのか」
「水は水道水でいいのか」
「ちゃんとカエルになるまで育てられるのか」
…分からないことだらけで、なんだか落ち着かない気持ちになりますよね。
でも、安心してください。
おたまじゃくしは、特別な道具や難しい知識がなくても、容器・水・餌・水換え・上陸場所の5つさえ押さえれば、初心者でもちゃんとカエルまで育てられる生き物です。
むしろ、生き物の中ではかなり丈夫で飼いやすい部類なんです。
「死なせてしまったらどうしよう」と気が重くなる気持ち、よく分かります。
子どもが「お世話する!」と張り切っているぶん、親としては責任も感じますよね。
でも大丈夫。
最初はみんな分からないところからのスタートです。
この記事では、家にあるものを使って、初めての方でも無理なくできるやり方を、最初の日の準備からカエルになった後のことまで、順番にやさしく説明していきます。
焦らず、一緒に見ていきましょうね。
この記事でわかること
- おたまじゃくしの飼育に必要なものと最初の準備
- 餌の種類と与え方、水の作り方と水換えのコツ
- 足が生えてカエルになる時期に気をつけること
- カエルになった後の世話と逃がすときの判断
おたまじゃくしは家にあるもので初心者でも育てられる
まずは全体像から。
細かいことはこのあと一つずつ見ていきますが、最初に「これだけそろえれば始められる」という土台を知っておくと、ぐっと気持ちがラクになります。
おたまじゃくしの飼育は、専門的な設備をそろえなくても、おうちにあるもので十分にスタートできます。
飼育に必要なものは容器と水と餌の3つでそろう
おたまじゃくしを飼うのに、まず用意したいのは容器と水と餌の3つだけです。
容器は、金魚を飼うような水槽がなくても、洗面器やプラスチックの食品保存容器、バケツ、いらなくなったタッパーなどで大丈夫。
深さよりも、水面が広くて浅めの入れ物のほうがおたまじゃくしには向いています。
水面が広いほど空気にふれる面積が大きくなり、酸素が取り込みやすくなるからです。
水はあとで詳しくお話ししますが、基本は水道水でかまいません。
餌も、専用のものを買いに走らなくても、台所にあるもので代用できるものがたくさんあります。
つまり、思い立ったその日から、わざわざ買い物に行かなくても始められるんですね(気合を入れて道具を買いそろえなくていいって、ちょっとホッとしますよね)。
容器を選ぶときに一つだけ気をつけたいのは、洗剤やせっけんの成分が残っていないものを使うこと。
一度きれいな水でよくすすいでから使ってあげると安心です。
フタができるものだと、カエルになったあとの脱走も防げて一石二鳥。
といっても、最初から完璧をめざさなくて大丈夫です。
まずはあるもので始めて、育てながら少しずつ整えていけばいいんですよ。
初めてでも押さえておきたい5つの基本
細かいことを全部覚えなくても、次の5つさえ意識しておけば、おたまじゃくしはぐんと育てやすくなります。
- 広めで浅めの容器に入れて、直射日光の当たらない場所に置く
- 水は体長の2倍くらいの深さにする
- 餌はほんの少しずつ、食べ残さない量を与える
- 水換えは4〜5日に一度、半分くらいを替える
- 足が生えてきたら、陸に上がれる足場を用意する
逆に言えば、ここさえブレなければ、あとは細かい応用にすぎません。
特に最後の「上陸できる足場」は、カエルになる直前にとても大事になる部分なので、頭の片隅に置いておいてくださいね。
連れて帰った当日にやっておきたいこと
おたまじゃくしを連れて帰ったその日に、まずやっておきたいのは「すみかを整えること」と「置き場所を決めること」です。
捕まえてきたバケツのまま放っておくと、水温が上がりすぎたり、酸素が足りなくなったりして弱ってしまうことがあります。
広めの容器に移して、水は体長の2倍ほどの深さにしてあげましょう。
置き場所は、直射日光が当たらず、一日を通して暑くなりすぎない、温度が安定した場所がおすすめです。
窓際の日なたは、夏場だと水温がぐんぐん上がっておたまじゃくしには過酷なので避けてください。
玄関や室内の涼しい場所が安心です。
できれば、捕まえてきた池や田んぼの水を少し一緒に持って帰って入れてあげると、急な環境の変化がやわらいで、おたまじゃくしへの負担が減りますよ。
もし新しい水道水を使う場合は、いきなりたっぷりの水に移すのではなく、捕まえてきたときの水に少しずつ新しい水を足していくようにすると、水温や水質の変化がゆるやかになって負担が減ります。
バケツの水を半分くらいにしてから、汲み置きしておいた水を少しずつ加えていくイメージです。
生き物は急な変化が苦手なので、「ゆっくり慣らす」が合言葉。
最初のこのひと手間で、その後の元気さがずいぶん変わってきます。
うちでは子どもが学校でもらってきたおたまじゃくしを、急きょ使っていなかった大きめのタッパーに移しました。
捕まえた水路の水をペットボトルに少し分けてもらってきて混ぜたら、その日から元気に泳いでくれてホッとしたのを覚えています。
おたまじゃくしが丈夫で飼いやすいといわれる理由
ここでは、なぜおたまじゃくしが初心者でも育てやすいのか、その理由をお話しします。
理由が分かると、「だからこうすればいいんだ」と世話のコツも自然と腑に落ちやすくなります。
おたまじゃくしが飼いやすいのには、ちゃんとした理由があるんです。
雑食で身近な食べ物を食べてくれる
おたまじゃくしが飼いやすい一番の理由は、好き嫌いが少なく、いろいろなものを食べてくれることです。
おたまじゃくしは雑食性で、植物も動物質のものも口にします。
茹でて柔らかくしたホウレンソウや小松菜、鰹節、煮干し、ご飯粒など、台所にあるものでまかなえてしまうんですね。
専用の餌をわざわざ買わなくても、金魚やメダカの餌があればそれでも大丈夫ですし、なければ家の食べ物で代用できます。
つまり、「餌が手に入らなくて困る」ということがほとんどない。
これは、初めて生き物を飼う方にとって、とても心強いポイントだと思います。
水質にうるさくなく水道水でも飼いやすい
2つ目の理由は、水にあまり神経質にならなくていいことです。
熱帯魚のように水質をきっちり管理しなくても、おたまじゃくしはわりと平気で泳いでくれます。
基本的には水道水で飼うことができ、「水が汚れてきたら換える」くらいの気持ちでも育てられます。
ただし、水道水には消毒のための塩素(カルキ)が含まれていて、生き物にとっては少し刺激になることもあります。
短い期間や少ない数なら水道水をそのまま使っても飼える、という声も多い一方で、長くしっかり育てたいなら、ひと手間かけて塩素を抜いておくとより安心です。
このあたりの具体的なやり方は、あとの章で詳しくお話ししますね。
熱帯魚を飼うときのように水温計やろ過装置をそろえなくても始められるのは、おたまじゃくしならではの気軽さです。
とはいえ「水質にうるさくない」というのは「どんなに汚れても平気」という意味ではありません。
食べ残しやフンで水がにごってくれば、やはりおたまじゃくしは元気をなくします。
神経質になりすぎず、でも汚れはためすぎない。
この“ほどよい加減”が、長く元気に育てるいちばんのコツです。
カエルへ姿を変える成長を間近で見られる
3つ目は、飼いやすさそのものとは少し違いますが、おたまじゃくしならではの大きな魅力です。
おたまじゃくしは、育てているうちに後ろ足が生え、前足が生え、しっぽが少しずつ短くなって、最後にはカエルへと姿を変えていきます。
毎日少しずつ変わっていく姿を、子どもと一緒に観察できるのは、おたまじゃくし飼育の何よりの楽しみです。
「昨日まで足がなかったのに、今日はちょっと出てる!」そんな発見の連続で、子どもにとっては命の不思議をまるごと感じられる、またとない体験になります。
世話のしやすさと、この成長を見守れる喜びがセットになっているからこそ、おたまじゃくしは初めての生き物飼育にぴったりなんですね。
成長の様子をカレンダーやノートに書きとめておくと、あとから見返したときに「こんなに変わったんだ」と親子で驚けて、夏休みの自由研究にもぴったりです。
写真を一日一枚撮っておくだけでも、立派な観察記録になりますよ。
こうして変化を楽しめるのは、決まったゴールに向かって毎日少しずつ進んでいくおたまじゃくしならではの魅力です。
餌と水換えで失敗しないための具体的なやり方
ここからは、いちばんつまずきやすい餌と水のお世話を、具体的に見ていきましょう。
おたまじゃくしを死なせてしまう原因の多くは、実はこの2つに集まっています。
とはいえ、コツさえ分かれば難しくありません。
一つずつていねいに説明していきますね。
餌は茹で野菜や鰹節をほんの少しずつ与える
餌は、茹でて柔らかくしたホウレンソウや小松菜を小さく刻んだもの、鰹節、煮干し、ご飯粒などが使えます。
市販の金魚やメダカの餌でもかまいません。
おたまじゃくしの口は体の下のほうに付いていて下を向いているので、水に沈むタイプの餌のほうが食べやすいです。
与えるときに一番気をつけたいのは「あげすぎない」こと。
かわいくてついたっぷりあげたくなりますが、食べ残した餌は水の中で腐って、あっという間に水を汚してしまいます。
一日に1〜2回、数分で食べきれるくらいのほんの少しの量にとどめて、食べ残しがあれば取り除いてあげましょう。
- 茹でて柔らかくしたホウレンソウ・小松菜を細かく刻んで
- 鰹節や煮干し、ご飯粒も少量なら使える
- 金魚やメダカの人工飼料でもOK
- 沈むタイプの餌が食べやすい
これが水を汚し、結果的におたまじゃくしを弱らせる一番の近道になってしまいます(よかれと思ってあげたのに逆効果、これ本当にありがちなんです)。
ホウレンソウや小松菜を使うときは、さっと茹でてアクを抜き、細かく刻んでから与えると食べやすくなります。
生のままより、火を通して柔らかくしたほうが消化にもよく、口の小さなおたまじゃくしでもつつきやすいんですね。
鰹節や煮干しはそのままでも沈んでくれますが、煮干しは塩分が気になる場合は一度水につけて塩抜きしてから使うと安心です。
いろいろな餌をローテーションであげると栄養もかたよりにくくなりますが、最初のうちは「茹で野菜か人工飼料を、ほんの少し」くらいの気持ちで十分です。
水は体長の2倍くらいの深さにして日陰に置く
水の深さは、おたまじゃくしの体長の2倍くらいを目安にしてください。
深すぎると、おたまじゃくしが息継ぎや上下移動をしづらくなり、思うように動けません。
かといって浅すぎると、水温の変化が激しくなって体に負担がかかります。
広めの容器に、ほどよい深さ。
これが基本の形です。
置き場所は、先ほどもお話ししたように直射日光の当たらない涼しい場所が安心です。
日光で水温が急に上がると、おたまじゃくしは弱ってしまいます。
涼しい日陰に置いて、水温がゆるやかに保たれるようにしてあげましょう。
水換えは4〜5日に一度半分だけ替える
水換えは、4〜5日に一度くらいを目安に行います。
このとき大事なのが、一度に全部の水を換えるのではなく、半分くらいだけを新しい水と入れ替えること。
全部いっぺんに換えてしまうと、水温や水質が急に変わって、おたまじゃくしがびっくりして弱る原因になります。
新しく足す水も、できれば一日ほど汲み置きしておいた水だと、塩素が抜けていてより安心です。
水が濁ってきたり、においが気になったりしたら、目安の日数より早めに換えてあげてもかまいません。
「半分ずつ、こまめに」を合言葉にすると失敗しにくいですよ。
水を換えるときは、おたまじゃくしをすくい上げて移すのではなく、コップやおたまで上のほうの水をそっとくみ出し、新しい水を静かに注ぎ足すやり方がおすすめです。
おたまじゃくしは体がやわらかく、手で直接さわると弱ってしまうことがあるので、できるだけ網やコップを使ってあげてください。
底にたまった餌の食べ残しやフンは、水を換えるタイミングでスポイトやストローで吸い取ってあげると、水がぐっと長持ちします。
毎回ピカピカにする必要はなく、「汚れをためすぎない」くらいの感覚で大丈夫です。
容器に詰め込みすぎず数を控えめにする
意外と見落としがちなのが、飼う数です。
たくさん捕まえてくると全部育てたくなりますが、狭い容器にぎゅうぎゅうに入れると、水中の酸素が足りなくなったり、水がすぐ汚れたり、ときにはおたまじゃくし同士で共食いが起きたりすることもあります。
目安としては、小さなおたまじゃくし1匹に対して水が500mlくらいあるとゆったり過ごせます。
大きく育ってきたら、さらに数を減らしてあげると安心です。
「全部育てる」より「無理なく育てられる数だけ残す」ほうが、結果的にみんな元気に育ちます。
たくさん捕まえてしまったときは、育てる数を決めて、残りは捕まえた場所に返してあげるのも、やさしい選択です。
小さな容器でたくさん育てようとして全滅させてしまうより、数を絞って元気に育てるほうが、おたまじゃくしにとっても子どもにとっても、ずっと幸せな結果につながります。
足が生えてカエルに近づく時期の注意点
ここがおたまじゃくし飼育の一番の山場です。
足が生えてカエルに近づいてくると、体のしくみが大きく変わって、今までと同じお世話では対応できなくなります。
でも、ポイントを知っていれば落ち着いて見守れます。
大事なところなので、ていねいにお話ししますね。
後ろ足から前足の順に手足が生えてくる
おたまじゃくしは、まず後ろ足から生えてきます。
しっぽの付け根あたりに、小さな足がちょこんと出てくるんですね。
そのあと、しばらくしてから前足が出てきます。
後ろ足が出てから前足が出るまでは、だいたい1〜2週間ほどが目安です。
この順番を知っておくと、「後ろ足が出てきたから、そろそろ前足だな」「前足が出たから、もうすぐカエルだな」と、成長の段階が読めるようになります。
子どもと一緒に「次は前足かな?」とワクワクしながら観察できる時期でもあります。
前足が出たら餌を食べなくなる
前足が出てくるころになると、おたまじゃくしは餌を食べなくなります。
「急に食べなくなった、病気かな?」と心配になるかもしれませんが、これは自然なことなので大丈夫。
この時期のおたまじゃくしは、残っているしっぽを栄養にして生きているので、餌がいらなくなるんです。
ですから、前足が出て餌を食べなくなったら、無理に餌をあげる必要はありません。
あげても食べずに水を汚すだけになってしまうので、そっと見守ってあげましょう(食べないと心配になりますが、これは元気な証拠なんです)。
この時期は数日から一週間ほどでしっぽがどんどん短くなり、見た目もぐっとカエルらしくなっていきます。
変化が早い時期なので、毎日のぞいてあげると、その日ごとの違いがはっきり分かって楽しいですよ。
上陸できる足場がないと溺れてしまう
そして、この時期にもっとも気をつけてほしいのが上陸できる場所の用意です。
前足が生えるころ、おたまじゃくしはエラ呼吸から肺呼吸へと切り替わっていきます。
つまり、ずっと水の中にいると、息ができずに溺れてしまうんです。
水だけの容器のままだと、せっかくここまで育ったのに、上陸できずに命を落としてしまうことがあります。
これは本当にもったいない失敗です。
防ぐのは簡単で、水面から顔を出して陸に上がれる足場を作ってあげるだけ。
小石を積んで水面より高い島を作ったり、容器を斜めにして水のない陸地を作ったり、流木や大きめの葉っぱを浮かべたりすればOKです。
つるつるした垂直の壁はよじ登れないので、ゆるやかな傾斜になるように意識してあげてください。
それと、カエルになると意外とよじ登って脱走するので、最終的にはフタ(空気が通る穴を開けたもの)があると安心ですよ。
足場を作るタイミングは、後ろ足が生えてきたかな、というあたりが目安です。
前足が出てからあわてて用意するより、少し早めに陸地を作っておくほうが安心。
容器を斜めにする場合は、水のたまっている深い側とまったく水のない浅い側ができるように、下にタオルや本を敷いて傾けてあげるとうまくいきます。
陸に上がったばかりの子ガエルは、まだ体が湿っていないと弱ってしまうので、陸地の近くにも少し湿り気が残るようにしてあげると、より過ごしやすくなりますよ。
水温と夏の暑さもあわせて気をつけたい
基本のお世話に加えて、もう少しだけ知っておくと役立つのが、水温や季節の話です。
おたまじゃくしを飼うのはちょうど暖かくなる季節が多いので、暑さ対策は知っておいて損はありません。
ここでは、長く元気に育てるための補足をお伝えします。
水温は高すぎず低すぎずが育てやすい
おたまじゃくしは、極端に暑かったり寒かったりしない、ほどよい水温で育てやすくなります。
目安としては23〜25℃くらいが過ごしやすいとされています。
水温が高めだと成長が早まり、低めだとゆっくりになる傾向があります。
とはいえ、室内の涼しい場所に置いておけば、神経質に温度計とにらめっこしなくても大丈夫。
「暑すぎず、寒すぎず」を意識するだけで十分です。
急に水温が変わることのほうが体に負担になるので、置き場所をころころ変えないこともコツのひとつです。
夏は水温の上がりすぎと酸欠に注意する
特に気をつけたいのが夏場です。
気温が高くなると、小さな容器の水はあっという間に温まってしまいます。
水温が上がりすぎると、おたまじゃくしが弱るだけでなく、水に溶けている酸素も少なくなって、酸欠になりやすくなります。
直射日光を避けるのはもちろん、暑い日は涼しい部屋に移したり、容器を大きめにして水の量を増やしたりすると、水温が安定しやすくなります。
水面が広い容器が良いのも、空気にふれて酸素が取り込まれやすいからなんですね。
「夏は暑さと酸素不足に気をつける」と覚えておきましょう。
カルキ抜きは長く育てるなら一日汲み置きが安心
水道水の塩素(カルキ)について、もう少し詳しくお話しします。
短い期間や少ない数なら、水道水をそのまま使ってもおたまじゃくしは育つことが多いです。
ただ、塩素は生き物にとってまったく無害というわけではないので、長くしっかり育てたいなら抜いておくほうが安心です。
抜き方は難しくありません。
バケツなどに水道水をくんで、日の当たる場所に一日ほど置いておくだけで、塩素は自然に抜けていきます。
急いでいるときは、ホームセンターやペットショップで売っているカルキ抜き剤を使えばすぐに使える水になります。
どちらでもかまいませんが、「迷ったら一日汲み置き」を基本にしておくと、お金もかからず安心です。
ちなみに、水換え用の水をいつも少し多めに汲み置きしておくと、次の水換えのときにすぐ使えてとても便利です。
空いたペットボトルやバケツに水道水を入れてフタを開けたまま置いておくだけなので、習慣にしてしまうとラクですよ。
汲み置きの水は室温になじんでいるので、冷たい水道水をそのまま入れるよりも水温の差が小さく、おたまじゃくしへの負担も軽くなります。
ちょっとした準備ですが、こういう積み重ねが「死なせない飼い方」につながっていきます。
カエルになった後の世話と逃がすときの判断
無事にカエルになったら、本当におめでとうございます。
ここまで育てられたら立派なものです。
ただ、カエルになると今までとはお世話の仕方が大きく変わります。
最後に、カエルになった後のことと、逃がすかどうかの判断について見ていきましょう。
カエルは生きた小さな虫しか食べない
おたまじゃくしのうちは野菜や鰹節を食べてくれていましたが、カエルになると話が変わります。
カエルは基本的に、動いている生きた虫しか食べません。
しかも、カエルになりたての赤ちゃんガエルは体がとても小さいので、アブラムシやトビムシ、小さなコバエなど、ごく小さな生きた虫を用意してあげる必要があります。
これが、カエルを飼い続けるうえでの一番のハードルです。
小さな生き餌を毎日のように用意し続けるのは、正直なところなかなか大変。
飼い続けると決めるなら、餌をどう確保するかをあらかじめ考えておくことが大切です(虫が苦手な方には、ここがちょっとした関門なんですよね)。
どうしても飼い続けたい場合は、庭や公園の草むらでアブラムシのついた葉を探したり、ペットショップで売っているコオロギの小さいサイズを用意したりする方法があります。
ただ、生きて動く虫でないと反応してくれないことが多く、これを毎日続けるのは思った以上に手間がかかります。
カエルになった時点で「ここまで育てられたね」と一区切りにして、自然に返してあげるご家庭が多いのも、こうした理由からなんです。
どちらを選んでも、おたまじゃくしを最後まで大切にした気持ちに変わりはありません。
元の場所に返してあげるという選び方もある
餌の確保が難しそうだと感じたら、無理をせず、カエルになったところで元の場所に返してあげるのも、とてもよい選び方です。
おたまじゃくしからカエルへと変わる一番の見どころを見届けられたなら、それだけでも十分すばらしい体験になります。
返すときは、必ず捕まえてきた場所、あるいはその近くの自然に返してあげてください。
カエルは種類によって暮らせる環境が違いますし、もともといなかった場所に放すと、その土地の生き物のバランスを乱してしまうことがあるからです。
子どもと「元気でね」と見送る時間も、命を大切にする心を育てる、よい締めくくりになりますよ。
大きすぎるおたまじゃくしは逃がす前に確認する
最後にひとつ、知っておいてほしいことがあります。
おたまじゃくしの中には、体長が10cm近くにもなる、とても大きな種類がいます。
こうした大きすぎるおたまじゃくしは、ウシガエルという外来の種類であることがあります。
ウシガエルは法律で扱いが決められている生き物で、生きたまま運んだり、別の場所に放したりすることが禁じられています。
「いつもの池のおたまじゃくしより、やけに大きいな」と感じたら、逃がしたり飼い続けたりする前に、種類を確認しておくと安心です。
見分けの参考までに、身近なおたまじゃくしの特徴を少しだけ紹介します。
アマガエルのおたまじゃくしは、体がソラマメやおたふく豆のようなぷっくりした形で、上から見ると左右の目が離れているのが特徴です。
ヒキガエルのおたまじゃくしは小さくて全体が真っ黒、泳ぎ方もゆっくりひらひらしています。
トノサマガエルのおたまじゃくしは体長が7cmほどと比較的大きめ。
そして、最大10cm近くにもなる飛びぬけて大きいものは、外来のウシガエルの可能性があります。
ふつうの在来のおたまじゃくしは、もっと小さくてかわいらしいサイズです。
判断に迷ったときは、お住まいの地域の自然や生き物にくわしい窓口に相談してみるのも一つの方法です。
知らずにルールを破ってしまわないよう、頭の片隅に置いておいてくださいね。
まとめ
この記事のポイントをまとめます。
- おたまじゃくしは容器・水・餌・水換え・上陸場所の5つを押さえれば初心者でも育てられる
- 容器は広めで浅めのものを選び、直射日光の当たらない涼しい場所に置く
- 餌は茹で野菜や鰹節、人工飼料などを食べ残さない量だけ少しずつ与える
- 水は体長の2倍くらいの深さにして、4〜5日に一度半分だけ替える
- 容器に詰め込みすぎず、無理なく育てられる数だけにする
- 後ろ足から前足の順に生え、前足が出ると餌を食べなくなる
- 前足が生えるころには上陸できる足場を用意しないと溺れてしまう
- 水温は高すぎず低すぎずを意識し、夏は暑さと酸欠に気をつける
- カエルになると生きた小さな虫しか食べないので、飼育か放流かを考える
- 大きすぎるおたまじゃくしは外来種のことがあるので逃がす前に確認する
家にあるもので始められて、毎日少しずつ姿を変えていく様子を、子どもと一緒に見守れる。
これって、ほかではなかなかできない貴重な時間ですよね。
最初はうまくいくか不安かもしれませんが、おたまじゃくしは思っているよりずっと丈夫です。
肩の力を抜いて、「今日はどれくらい大きくなったかな」と毎日のぞいてみる。
そんなふうに楽しみながらお世話ができたら、きっとおたまじゃくしも元気に育ってくれます。
小さな命がカエルへと変わっていくその日を、親子で楽しみに待てたら素敵ですね。