皆さんは相撲はご覧になったことがありますか?
日本の国技である相撲は、ほかのスポーツ競技よりも格式や礼儀を重んじる競技です。
その分、ルールや言葉など、聞いてもわからない単語などがよくでてきますよね(;^_^A
そんな相撲独特の言葉に『徳俵』という言葉があります。
読み方は『とくだわら』って読みます。
文字だけ見ると「お得な米俵かなにか?」と思ってしまうのは私だけじゃないですよね。笑
そこで今回は、そんな相撲用語の一つである『徳俵』について、詳しく読み解いていきたいと思います!
相撲の土俵の中でずれている「徳俵」!何のために必要なの?
『徳俵(とくだわら)』とは、相撲の土俵のなかで、東西南北の中央に埋めてある俵のことをいいます。
普通の俵より俵の分だけ外側にずらしてあります。
そのため、ほかの俵だと踏み切って負けになるときでも、ここなら残ることがあるので、『徳俵』という名前で呼ばれています。
また、徳俵はほかの俵に比べて少し高めになるように埋められています・
外側にずらしてあって、さらに高めになっている『徳俵』は、それだけ踏ん張りがきいて外に出にくくなるという、力士の方々にとってメリット満載の俵になるのです。
どうして『徳俵』があるの?
相撲のリングである“土俵”。
これは、土を詰めた俵で円形の境界線が作られたものを指します。
土俵には20俵の俵が使用されていますが、東西南北の4俵原は『徳俵』として外側にずらしてあります。
この『徳俵』は、野外に土俵を作っていたころのなごりといわれています。
野外に土俵を作っていた頃は、雨が降って土俵に水が溜まると、柔らかくなって崩れやすくなってしまっていました。
それを防ぐために、土俵にたまった水の吐き出し口として考案されたのが『徳俵』です。
ずらした所から、溜まった水を外に流していたんですね。
相撲が屋内でおこなわれるようになってからも、名残として残っているというわけです。
土俵のなかから水が流れ出る様子、少し見てみたい気がしますよね(^^)
そして現在では、力士たちが追い込まれたときに“得”になる『徳俵』としての役割を担っています(^^)
相撲の徳俵の数はいくつある?その数には何か意味があるの?
そもそも、相撲の土俵は20俵の俵で作られています。
土俵の大きさは4.55メートルで俵の大きさは約15cmです。
『徳俵』は、東西南北に全部で4つあります。
この4つという数字には特に意味はありません。
「昔の水を流していた時に、四方に流したほうが水が抜けやすかったから」と考えられます。
四方に15cm分だけ後ろにいけるということなので、その分“得”ということですね!
どうして“得”ではなく“徳”をつかうの?
力士にとって“得”なものなのであれば、どうしてその字を使わないのかな?と疑問になりますよね。
実は『徳俵』の“とく”は、損得の“得ではなく、徳川家康の”徳“をつかっています。
これは、“早起きは三文の徳”ということわざの“徳”と同じ使い方になります。
この時の“徳”とは、何かいいことがあるような意味になります。
“得”という字は、自分の利益になるものにたいしてつかう言葉です。
自分とって利益があるというものではなく、「押されて負けそうになって土俵際まで追い詰められた力士にとって、なにかいいことがあるかもしれない!」というような意味で、この『徳俵』という言葉があるのです。
『徳俵』が理由で決まった取り組みはあるの?
この『徳俵』がきっかけとなって決まった取り組みとして、印象的といわれているのが、昭和21年の秋場所におこなわれた一戦です。
当時の横綱栃錦がライバルの横綱東富士と戦った取り組みです。
中々決着がつかず、栃錦は『徳俵』まで押されてしまいます。
それでも最後に“うっちゃり”という大逆転技で勝ったのです!
まさに、『徳俵』による“徳”で勝負に決まった一戦でした。
しかし、最近ではこの“うっちゃり”という大技も見ることが少なくなりました。
このうっちゃりは、俵に足をかけて、踏ん張って相手を後ろにひっくり返すという技です。
でも、最近では力士が大型化してきて、このような技を見ることが少なくなってきたんですね。
体の大きな力士は、投げたする技よりも、そのまま押し出したりより切ったりすることが圧倒的に多くなるためです。
20俵ある俵のうち4俵が『徳俵』です。つまり、5分の1は“徳”という計算になります(^^)
せっかく今も『徳俵』が残されているので、是非土俵際で投げの技をかけるような見ごたえのある取り組みが見てみたいですよね!(^^)!
相撲の「徳俵」の読み方は?のまとめ
相撲の「徳俵」について見てきました。
ぼんやりと相撲中継を見ていたときも、この「土俵の少しずれている部分はどうしてなんだろう?」と気になっていました。
こんな理由で土俵をずらしていたとは驚きですね(^^)
次に相撲中継を見る時には、この『徳俵』に注目してご覧になってみてはいかがでしょうか?
土俵際で豪快にうっちゃりをする場面が見れる機会があるといいですよね(^^)/