
離乳食が進みはじめると、これまで母乳やミルクだけで生きてきたわが子の変化に、少し感動すら覚えますよね。
スプーンを手にして口を開ける姿を見ながら、「もうこんなに成長したんだ」と胸が熱くなったり、嬉しさと同時に少しの戸惑いが入り混じったりするのが親心だと思います。
けれどその頃に必ずといっていいほど出てくるのが「ミルクって、いつまであげていいんだろう」という悩みです。
飲ませすぎると離乳食を食べなくなる気がするし、減らしすぎると栄養が足りない気もする。
そんなふうに、どこで線を引くのが正しいのか分からなくなってしまうママやパパは多いものです。
私自身も、上の子のときは「もう減らしていいのかな」と不安になり、下の子のときは逆に「まだ飲ませてもいいのかな」と迷いました。
赤ちゃんの個性も違えば、家庭のリズムも違います。
だからこそ一つの正解がなく、「この子にはこのペースが合っている」と思える判断が何より大切なんですよね。
この記事では、専門家の意見を参考にしながら、実際の体験を交えて“ミルクをやめるタイミングの見極め方”を分かりやすくお伝えしていきます。
読んだあとに「これなら自分の子にも合いそう」と感じてもらえるよう、親目線で丁寧にお話ししますね。
ミルクをいつまで続ける?まず確認したい3つのこと
ミルクをやめるタイミングに正解があるとしたら、それは“子どもと家族にとって無理のないペースで進められるとき”だと思います。
ですが、そう言われてもやっぱり不安になりますよね。
成長の節目とはわかっていても、「ミルクをやめたら夜に起きるようになったらどうしよう」「栄養は足りているのかな」など心配が尽きないもの。
そんなとき、いくつかのポイントを確認しておくと、自分たちなりの判断軸が持てて安心につながっていきます。
ここでは「ミルクをいつまで続けるか」を考える上で、まず見ておきたい3つの視点をご紹介しますね。
焦る必要はまったくありません。
今のわが子の様子と丁寧に向き合うことから始めてみましょう。
離乳食が安定してきたかどうかを見てみよう
最初のポイントは、離乳食がどのくらい“生活の一部”になっているかです。
1日3回の食事が自然な流れでできるようになってきて、食べる量も日によって大きな差がなければ、それはもう“ごはんの時間が身についてきている証拠”と考えていいと思います。
まだ1~2回食だったり、食べムラが大きくてミルクに頼る日が続いていたりする場合は、もう少しだけミルクの力を借りていても大丈夫です。
実際、我が子も2回食になったばかりの頃は
「今日はしっかり食べた!」と思える日
「ほぼお茶しか飲んでない…」という日
この2つが交互にやってきて、毎日右往左往していました。
でも、あるときから明らかに「お腹がすいて食事を楽しみにする」様子が見えてきて、そこからミルクを少しずつ減らす流れに変えていくことができました。
離乳食の回数や内容が安定してくることは、ミルクを卒業するための大きなサインになるんですね。
コップやストローの練習ができているかどうか
次に確認してほしいのが、“飲み方”の変化です。
ミルクを飲む道具がほ乳瓶からコップやストローに変わってきていると、それだけでも「ミルク卒業」の準備がぐっと進んでいると言えます。
ほ乳瓶は赤ちゃんにとってとても安心できる存在ですし、くわえるだけで自然とゴクゴク飲める仕組みになっているため、なかなか卒業が難しいアイテムでもあります。
でも、コップやストローになると“自分の力で飲む”という意識が強くなるため、それだけで「おっぱいやミルクに甘える」状態から一歩進むことができます。
わたしの息子は、ほ乳瓶を手放した途端に“自分で飲む”ことへの喜びが芽生えたのか、コップの中にミルクがあるだけで満足そうにしていました。
もちろん、すぐに切り替わるわけではありません。
何度もこぼしながら、何度も床を拭きながら、でも少しずつ“赤ちゃん期を卒業していく背中”が見えるようになると思います。
ミルクをやめるかどうかを考えるとき、まずは飲み方の移行を始めてみるのも良い第一歩かもしれませんね。
ミルクを減らしても離乳食を受け入れる様子があるか
もうひとつのポイントは、ミルクの量を少し減らしたときに、離乳食の食べ方に変化があるかどうかです。
たとえば、ミルクをあげる前よりも
「ごはんの時間を楽しみにしている」
「いつもよりパクパク食べる」
といった反応が見られたら、それは“お腹をすかせて食べるリズムが整ってきている”証でもあります。
逆に、ミルクを飲みすぎてしまうと、どうしても離乳食が“おまけ”のような位置になってしまい、なかなかごはんに集中できなくなることもあるんです。
実際、上の子はミルクが大好きすぎて、満腹状態で離乳食に突入してしまうことがよくありました。
ですが、あるとき「ミルクはあとでね」と伝えて食事からスタートしたところ、はじめてスプーンを自分で持ってお皿に手をのばしたんです。
もちろん、すぐに上手くいくわけではありません。
でも、
「ミルクを減らす→お腹が空く→ごはんを食べる→満足する」
という流れができてくると、ミルクの役割が“中心”から“補助”に変わっていきます。
そうなると、自然に「いつまでミルクを?」という疑問が「もう、そろそろかな」という確信に変わっていく気がしました。
+α:気になる体調や体格はどう?安心できる相談先も味方に
そして、もうひとつ大切なのは「体格や発育、栄養面で不安がないかどうか」を確認することです。
どれだけミルクや離乳食の量を調整しても、
「体重が増えていない気がする」
「お通じが乱れている」
といった小さな違和感があるときは、無理に進めるのではなく、まずは小児科や保健師さんに相談してみてくださいね。
相談することで「そのやり方で大丈夫ですよ」と言ってもらえるだけでも、親としての安心感がぐっと変わります。
私は一度だけ離乳食の食べムラについて市の栄養士さんに相談したことがあるのですが。
思いがけず「むしろちょうどいいペースですよ」と言われて、ほっと肩の力が抜けたことをよく覚えています。
子どもの成長は一人ひとり違うからこそ、判断に迷ったときは“専門家の声”を借りることも大切な選択です。
あなたの心が軽くなることも、お子さんの健やかな成長につながっていきますよ。
月齢別目安と、安心して減らしていくステップ
赤ちゃんのミルク量や回数は「月齢で目安が決まっている」というイメージを持つ方も多いと思います。
実際に育児書やメーカーのガイドを見ると、「〇ヶ月では〇回、〇mL」といった数値が書かれていることが多いですよね。
でも実際には、その通りにいかないこともたくさんありますし、毎日同じように飲んで食べてくれるわけでもありません。
だからこそ、目安はあくまで“参考にするための軸”であって、それに縛られすぎず、お子さんの様子や家庭のペースと照らし合わせながら使っていくのが大切なんです。
ここでは、月齢別に見たミルクの目安と、安心して少しずつ減らしていくためのヒントを紹介していきますね。
生後5~6ヶ月(離乳食初期)のミルクと離乳食のバランス
この時期は、離乳食を始めたばかりの「お試し期」。
赤ちゃんにとっては、初めて食べるものをちょっとずつ“なめてみる”段階です。
ミルク(や母乳)は依然としてメインの栄養源であり、離乳食は“食べる練習”という位置づけになります。
目安としては、ミルクを1日4~5回(200~220mL)飲ませる形がよく紹介されています。
けれど、うまくスケジュール通りに進まない日があっても心配しすぎなくて大丈夫。
離乳食が進まなかった日は、その分ミルクでしっかり補えばOKという気持ちで、柔軟に対応していきましょう。
私自身も、初めてのおかゆをスプーン一口分食べただけで「すごい!」と喜んでいた頃、食後にぐびぐび飲むミルクに安心感をもらっていました。
「食べない=失敗」ではなく、「今日はチャレンジした日」と捉えてあげると、親も子も心が軽くなりますよ。
生後7~8ヶ月(離乳食中期)はミルク量を調整するスタート期
離乳食が2回食になるこの時期になると、少しずつ“食事の役割”が出てきます。
食材の種類も増えてきて、量も安定してくる子が多いです。
とはいえ、まだ食事だけでは十分な栄養をとることが難しいので、ミルクは引き続き大切な栄養源です。
1日3~5回程度(200~220mLが中心)という飲ませ方が多く、離乳食の後にプラスでミルクを与えるというパターンもよく見られます。
この時期は
「食後のミルクをどのくらいにするか」
「飲まなくてもいいのかな」
と迷いやすいですが、ミルクの役割は“食事の補助”に変わりつつあると考えると、少しずつ減らしていく準備の段階とも言えます。
我が家では、離乳食後のミルクを半量に減らしてみたら、思ったよりご機嫌で。
その後も問題なく進んでいったので、「減らしても大丈夫な日」を見つけていくイメージで、少しずつ調整してみるのがおすすめです。
生後9~11ヶ月(離乳食後期)では“食べる力”を見ながら調整を
3回食が定着してくるこの頃から、赤ちゃんの“食べる力”がぐっと伸びてきます。
スプーンを自分で持とうとしたり、好きな食材がはっきりしてきたり、食べ方にも個性が出てくる時期です。
ミルクも少しずつ減らしていく子が増えてきて、1日2~3回(200mL前後)を目安に、あとは食後に少量飲むか飲まないかといった選択になります。
我が子もこの頃には、ごはんとスープとおかずをしっかり食べたあとは、自然とミルクを欲しがらない日が増えてきて、「もう飲まなくても平気なんだ」とこちらが驚くこともありました。
もし離乳食をしっかり食べている様子があれば、思いきって「食後のミルクなし」の日を作ってみても良いかもしれません。
その反応を見て、必要があればまた戻せば大丈夫。
柔軟な姿勢が、お子さんの安心にもつながります。
生後12~18ヶ月(完了期)は“卒ミルク”に向けた最終段階
1歳を過ぎると、離乳食もいよいよ完了期に入ります。
ごはん中心の生活が定着してきて、家族と同じメニューを少しずつ食べるようになったり、3回食とおやつで1日の栄養を補えるようになってきたりするタイミングです。
ミルクは1日1~2回程度(200mL前後)に減らすことができれば、もう「卒ミルク」に向けた準備は整ってきていると考えて良いと思います。
ただし、この時期も「寝かしつけに必要」「朝起きたらすぐ欲しがる」など、生活リズムの中にまだミルクが深く関わっていることもあるので、急にやめる必要はありません。
わたしの娘も、朝のミルクだけはなかなかやめられませんでしたが、ある日「ミルクよりバナナがいい」と言い出してくれて、その一言がまるで卒業証書のように感じられたのを覚えています。
お子さんの気持ちと生活リズムを大切にしながら、少しずつフェードアウトしていけると、自然なかたちで卒ミルクにつながっていきますよ。
迷ったときに読んでほしい“焦らず進めるための3つの工夫”
ミルクを減らすタイミングって、月齢や離乳食の進み具合だけじゃなくて、家庭のリズムや子どもの気分にも大きく左右されますよね。
「昨日までは飲まなかったのに今日はまた欲しがる」「もういらないと思ったら、寝る前に大泣き」そんな毎日の変化に、一喜一憂してしまうのが親というもの。
でも、そこで「やっぱり減らすのは早すぎたのかな」「このままずっとミルクを続けるの?」と不安になる必要はありません。
迷ったときこそ大切なのは、“焦らないで続けるための工夫”をいくつか持っておくこと。
ここでは、私自身が実践してきた中で「これは役に立った」と感じた3つの工夫を紹介しますね。
あなたの心をちょっと軽くして、子どもとの毎日を前向きに過ごせるきっかけになったらうれしいです。
食事の時間を“わかりやすく”してお腹のリズムを整えよう
ミルクを減らす上で、まず効果的なのが「食事の時間を生活のなかにしっかり位置づける」ことです。
たとえば、毎日同じような時間帯に離乳食をあげて、できれば椅子やテーブルも“ごはん用”にする。
そうすることで、子どもも「これは食事の時間なんだ」とだんだん理解してくれるようになります。
うちでは、最初はリビングの床でごろごろしながら食べていた離乳食も、子ども用のイスに座らせてみたら、スプーンを持つ手つきが急に“真剣モード”になったことがありました。
食事とミルクの時間が混ざっていると、どちらも曖昧になってしまいやすいので、リズムを整えることで自然と「今はミルクよりごはんだね」という意識が育っていきますよ。
ミルクの“量”と“タイミング”をちょっとだけ工夫してみる
いきなり「やめる」と考えるとハードルが高く感じますが、
「いつものミルクを少し薄めてみる」
「量を10~20mL減らしてみる」
「あげる時間を30分ずらしてみる」
など、ほんの少しの変化から始めるのがおすすめです。
我が家では、寝る前のミルクを180mLから160mLに減らしてみたところ、最初は気づかれませんでした(笑)。
そのあと少しずつ減らしていった結果、自然と「もういらない」となったので。
「ミルクをなくす」というよりも「気づいたら飲まなくなってたね」くらいのアプローチが、子どもにとってもストレスが少なく進められます。
特に頑張り屋さんのママほど「一度決めたらやり通したい」と思ってしまいがちですが、ミルクは急に手放す必要はないので、柔らかく進めていきましょうね。
“食べること”を楽しくする工夫で気持ちが切り替わることも
ミルクを減らす=栄養を離乳食からとるようにするということなので、どうしても「しっかり食べてほしい」という気持ちが先に立ちがち。
でも、実は“食べる楽しさ”を増やすことで、自然とミルクから気持ちが離れていくこともあります。
たとえば、
「スプーンやお皿を子どもが好きなキャラクターにしてみる」
「一緒に「どれ食べようか?」と話しながら選んでみる」
みたいに、ほんの少しの工夫でも食卓が“楽しい場所”になれば、ミルクの代わりにごはんで満足できるようになることもあるんです。
私は子どもに「このブロッコリーさん、こんにちは~って言ってるよ」と声をかけながら食べさせたら、いつもなら残す野菜をパクッと食べてくれて拍子抜けしたことがあります。
栄養のことも大事だけれど、「楽しいね、美味しいね」の時間が子どもの心に残っていくことも大事なんですよね。
安全・安心を確保するために知っておきたい注意点
「ミルクをやめていく」と聞くと、つい“段階を踏んで減らす”とか“フォローアップミルクに切り替える”といったスケジュール的な話を思い浮かべがちですよね。
でも実はそれだけじゃなくて、親として心に留めておきたい“安心のための視点”もあるんです。
どんなにしっかり準備していても、「本当にこれでいいのかな?」と感じる瞬間は訪れるもの。
そのときに大切なのは、正解を焦って探すことじゃなくて、安心できるよりどころや、今のわが子を見つめる視点を持っておくことなんですよね。
ここでは、ミルク卒業に向けて進む中で意識しておきたいポイントを、いくつかに分けてお伝えします。
「平均」に縛られすぎないで、わが子のペースを信じて
育児書やネットでよく目にする「〇ヶ月でこの量」「〇歳で卒ミルク」といった目安は、もちろん参考になります。
でも、それにピタッと当てはまる赤ちゃんばかりじゃないのが現実です。
うちの子も、上の子は1歳ちょうどでコップに切り替えて自然に卒ミルクしたのに、下の子は1歳半すぎても「寝る前はミルクじゃないと寝られない」と泣いてしまうタイプでした。
同じように育てていても違う。
その経験があったからこそ、「平均」に追いつかなくても、“その子の今の状態”を見てあげることが何より大事なんだと実感しました。
今しかない赤ちゃん期、ほんの少しの遅れは、決して失敗ではなく、個性として受けとめてあげる視点があると、親の心がふっと軽くなりますよ。
「減らす=我慢させる」ではないやり方を
ミルクを減らすというのは、“赤ちゃんに我慢を強いること”だと思ってしまう方もいるかもしれません。
でも、我慢させるというよりは「生活スタイルを少しずつ変えていく」というイメージを持つと、気持ちが少し楽になります。
子ども自身も、食事のリズムがついてきて、好きなごはんやおやつが見つかってくると、自然と「ミルクじゃなくても満たされる」経験を積んでいけるんですよね。
我が家では、お気に入りの野菜スープができてから、寝る前に「スープがいい」と言ってくれる日が増えてきて。
「これはもう次のステージなんだな」と親のほうが後押ししてもらったような気持ちになりました。
無理なく、少しずつ、子ども自身の安心がついてきているなら、その変化を信じていいと思います。
「気になるときは、気軽に聞いてみる」ことも大切
「こんなこと相談していいのかな」と遠慮してしまう親御さんも多いですが、保健センターや小児科、栄養相談などで気軽に相談できる場があるということを忘れないでくださいね。
赤ちゃんの成長は本当に人それぞれですし、その子の食べ方や飲み方をちょっと見てもらうだけで、安心につながることはたくさんあります。
私は下の子の卒ミルクのとき、保健師さんに「このままミルク続けてもいいですか?」と聞いたら、「むしろまだミルクで栄養とれてるなら安心ですよ」と言われて、拍子抜けしたくらいです。
でもその言葉で、「今のやり方でもいいんだ」と安心できて、無理に焦ることなく進めることができました。
迷ったときこそ、プロの一言に助けてもらう。
それは弱さじゃなく、賢い選択だと私は思っています。
離乳食後のミルクはいつまで?のまとめ
離乳食が進んでくると、「もうミルクはやめた方がいいのかな」とふと不安になる瞬間がありますよね。
でも、ミルクをいつまで続けるかに“正解のゴール”があるわけではなくて、その子自身の成長リズムや、食事の進み具合、生活リズムとのバランスの中で決めていくことがとても大切です。
月齢別の目安や一般的な回数、量の目安はあくまで“参考”として受けとめて、目の前のわが子がどんな様子で、どんな食べ方・飲み方をしているのかを一番の基準にしてあげてくださいね。
焦って急にミルクをゼロにしようとするよりも、
「今日は食後のミルクを少し減らしてみようかな」
「朝はミルクじゃなくてお茶にしてみようかな」
といった“小さな一歩”の積み重ねが、無理のない卒ミルクへの近道になっていきます。
そして、もし途中で不安を感じたり、食べる量が減ってきたり、何か違和感を覚えたときは、一人で抱え込まずに専門家に相談することも立派な選択です。
離乳食の進み方も、ミルクの卒業タイミングも、きっとひとつとして同じパターンはありません。
だからこそ、「うちの子はうちの子らしく」でいいんです。
この記事が、少しでもあなたとお子さんの「今ちょうどいいバランス」を見つける手がかりになっていたら嬉しいです。
ゆっくりでいいし、戻っても大丈夫。
今日できたことを、少しずつ積み重ねていきましょうね。

