自治体によって違うとは思いますが、ゴミ出しは
「燃えるゴミ」
「プラスチックゴミ」
「燃えないゴミ」
などで分けて出しますよね。
私の自治体では、「プラ」と書いてあるものでも、油などで汚れたりしていたら「燃えるゴミ」として捨てるように定められています。
聞くところによると、プラゴミは手作業で仕分け作業をして再利用されているとか…。
でもそんな方法で、あの大量のプラスチックゴミが全て、ちゃんとリサイクル出来ているんでしょうか?
せっかく、ちゃんと分別してだしたプラスチックゴミですもん。
気になりますよね!
プラスチックのゴミを分別する理由
プラスチックのゴミを分別する理由は、言わずもがな、「リサイクルするため」です。
でも実は、この「ごみの処理方法」は各自治体に任されているので、国として決まった基準はありません。
なので、プラスチックのゴミでもなんでも分別せずに捨てている時代もありましたし、現在でもそのような自治体もあると思います。
しかし、廃棄物が増えてきた1995年に「容器包装リサイクル法」などの法律が公布され(完全施行は2000年)
そのあたりから、各自治体でも分別収集をするようになりました。
私の自治体では、「プラスチックゴミ」ではなく正しくは「プラスチック製容器包装」です。
(調べてみて今初めて知りました。苦笑)
具体的には
- ペットボトルのふた
- お菓子の袋
- カップ麺の容器
- 食品トレイ
- レジ袋
- お弁当の容器
ただし、こういったものでも汚れているものはNGです。
汚れが付着している場合は、洗ったりゆすいだりふき取ったりして、汚れを落とさなければいけません。
私の自治体の場合は、少しのぬめり気が残っているくらいだったら良いとのことです。
なんと、納豆の容器でも「プラ」が書いていれば、プラスチック製容器包装のゴミとして出せるんだそうです!
(洗うの大変そうですが)
プラスチックのゴミは本当に再利用されているのか
自分の目で再利用されている姿を見ることがないので、本当に再利用されているのかわかりませんよね。
一生懸命分別しても、燃えるゴミと同じゴミ収集車で回収されていきますし。
そんな姿を見たら「結局は全てがごちゃ混ぜになってしまうんじゃないの?」と勝手に想像していました。
しかし、そんなことはないのです。
きちんと、人の手で仕分けされて再利用されています。
知らないだけで、そこにはきちんと人の手が関わっているのです。
私の自治体では、プラゴミのリサイクル方法を市民に知ってもらう機会を作るため、ゴミの仕分けなどの見学会を開いてます。
私は義母と一緒にその見学会に参加し、ちゃんと仕分けされていました。
私が普段ごみを分別するときは、「これは…うーん…プラゴミ!」などとテキトーになってしまうこともあります。
が、見学会に行ってきた義母の話を聞いてからは、ゴミを捨てる前に作業員さんの姿を思い浮かべるようになりました。
すると、ベタベタのものはプラゴミにはしませんし、今までよりもちゃんとゆすがないといけないなと思うようになりました。
仕分け作業をしてくださっている方には申し訳ないのですが、見えないところでのことはわかりません。
見学会などの機会があれば、本当にちゃんとリサイクルしてくださっている姿を見ることができるので、参加してみても良いかもしれません。
子供と一緒に参加するのもオススメです。
ペットボトルのキャップを分別するのは無駄って本当?
ペットボトルとキャップを分別するという自治体もありますよね。
私の自治体では、
- ペットボトル
・・・再生資源 - キャップ・ラベル
・・・プラスチック製容器包装ごみ
このように、ペットボトルのキャップを分別するという行為、「実は無駄だ」という話を聞いたことがあるかもしれませんが、これは、ウソです。
ペットボトルの本体と、キャップの部分は材質が少し違うので、自治体で指定されているのであれば分別するべきです。
もしキャップが再生資源のごみの中に混じっていても、ペットボトルを粉砕したあとに分別されるのですが。
でも、キャップが混じっていないに越したことはありません。
ペットボトルは、比較的どのメーカーでも同じような規格で材質もほぼ同じでリサイクル工程が効率的なんだそうです。
少しの注意で、より効率よく作業が進むということなので、きちんと協力するようにしましょうね。
この他にも、ゴミの分別についてまことしやかにささやかれている噂を検証してみましょう。
プラごみ噂の検証①
「プラゴミは分別せずに出した方が焼却炉が効率よく働く」
これはウソです。
プラゴミが燃えやすいというのは本当です(プラスチックの原料が原油なので)。
でも、温度が上がりすぎて焼却炉を傷める原因になってしまうんですね。
プラごみ噂の検証②
「分別後のゴミは、施設の中でもえるゴミなどとごちゃまぜになっている」
これもウソです。
プラスチックゴミだけでなく、再生資源などの価値のあるものはきちんと業者に売り渡します。
回収された施設の中では人の手で仕分け作業が行われています。
プラスチックのゴミはどうやって処理される?リサイクルされるまでの仕組みは?
では、プラスチックのゴミがリサイクルされるまでの処理の流れをご説明します。
2.消費者が仕分けして捨てる
3.自治体や民間処理業者が回収
4.回収後、選別・圧縮・梱包
5.再生事業者へ引き渡し
6.3種類のリサイクルを施される
そして実は、このプラごみのリサイクルには、大きく3つの方法にわけられます。
マテリアルリサイクル
マテリアルリサイクルは、「モノからモノに生まれ変わる」リサイクル方法です。
普通に私たちがイメージするリサイクルは、この「ものからもの」へのリサイクルですよね。
そして、このマテリアルリサイクルの日本のリサイクル率は、84%のうちの23%
ペットボトルゴミがペットボトルになるなど。
ただ、何度もリサイクルしていたら、プラスチック分子が劣化してくるというデメリットがあるようです。
ケミカルリサイクル
ケミカルリサイクルは、分子に分解してからプラスチック素材に変えるというリサイクル方法です。
プラスチック分子は劣化しないので、何度も再生可能という、理想的なリサイクル方法ですよね。
ただ、分子に分解するには鉄鉱石や石炭と一緒に燃やす必要があり、コストやエネルギーがかかるというデメリットがあります。
そういう理由からか、ケミカルリサイクルは、日本のリサイクル率84%のうちの4%です。。。
サーマルリサイクル
サーマルリサイクルは、「焼却炉で燃やしたときに発生する熱をエネルギーとして回収する」というリサイクル方法です。。
火力発電だとか、温水プールなどに利用されています。
プラスチックの原料は原油なので、生ごみなどよりもよく燃えることを利用した方法だとか。。
サーマルリサイクルの日本のリサイクル率は、84%のうちの56%です。
さらっと書いていますが、日本のプラスチックゴミはリサイクル率84%と言われています。
こう聞くと、リサイクルが高水準で行われていると思いますよね。
しかし、これにはちょっとワケがあります。
「リサイクル」と聞いて初めに思い浮かべるのは、モノからモノに生まれ変わるものだと思います。
つまり、これは「マテリアルリサイクル」や「ケミカルリサイクル」です。
それに対して「サーマルリサイクル」は、燃やして利用するという状態です。
ということは、リサイクル率84%のうちの約60%分(リサイクルされているものの7割強)は、焼却炉で燃やされてるということ。
あれ、直接モノになっているわけではないのか…?!
…うーん、なんだか腑に落ちないところはありますが、日本の現状はこういう状態だということなんですね。
プラスチックのゴミを分別する理由は?のまとめ
プラスチックのゴミを分別する理由についてみてきました。
では、最後にポイントをまとめておきますね。
- プラスチックのゴミを分別する理由は、リサイクルするため。
- 手作業で仕分けが行われており、いろいろな方法で再利用されています。
- ペットボトル本体とキャップは材質が少し異なるので、自治体で指定があれば必ず分別して出すようにしてください。
これから、いろんな技術が開発されて行って、「ものからもの」へのリサイクルが増えていってくれることでしょう。
そのためにも、私たちも「ごみの分別」、ちゃんとしなきゃいけませんね。