
お祭りやイベントで出店していると、目の前をたくさんの人が通り過ぎていくのに、なかなか足を止めてもらえない瞬間ってありますよね。
周りのブースが賑わっていると、焦りや不安も出てきて「どうしたらもっと立ち寄ってもらえるんだろう」と悩んでしまうこともあります。
私も最初はそうでした。
わたあめの機械を回しても、ふわふわの綿菓子はできてもお客さんは思ったほど増えず、せっかく準備した材料を持ち帰った日もありました。
けれど、あるとき思い切ってSNS投稿に力を入れてみたんです。
イベントの告知を写真つきで載せたり、お客さんが笑顔でわたあめを持つ瞬間を投稿したり、ストーリーで「今日の空気感」まで伝えてみたら、反応がガラッと変わりました。
フォロワーから「行きたい!」というコメントが増え、実際に来てくれる人が目に見えて増えたんです。
投稿を始めてから数回目の出店では、なんとお客さんの数が以前の3倍になりました。
SNSの力って、ただの宣伝じゃなく「共感を生むきっかけ」なんだと実感した瞬間でした。
この記事では、そのときに試して本当に効果があった工夫や、気をつけたことをリアルな経験を交えながらお伝えしていきます。
きっとあなたの出店にも役立つヒントが見つかると思います。
なぜSNS投稿で集客が変わるのか?
イベント出店という場面では、ただ商品やサービスがそこにあるだけでは、お客さんの足を止めてもらうのはなかなか難しいものです。
特に今は、事前にSNSで「どんなブースが出るのか」「面白そうか」「子どもを連れて行っても安心できそうか」といった情報をチェックしてから訪れる人が増えています。
つまり、実際の出店前から“勝負”は始まっていて、SNSでの発信がその第一歩になるんですね。
私自身、イベント当日まで何も告知せずにいた頃は、通りすがりのお客さん頼みでしたが。
でも、告知投稿を始めてからは「見てきました!」と声をかけられることがぐんと増えました。
情報に触れてから来てもらえると、信頼感や安心感も全然違うんです。
「イベント前投稿」が9割を決める理由
イベント当日の朝に「今日出店してます!」と投稿するだけでは、正直間に合わないことが多いです。
人は予定を立てるとき、前日の夜や週の初めに「今週末どこに行こうかな」と検索したりSNSを眺めたりしています。
だからこそ、出店の1週間前くらいから投稿を始めて、日を追うごとに情報を小出しにしていくのがおすすめです。
「出店場所はここ」
「こんなわたあめを作る予定」
「雨でもテントあります」
などの情報を少しずつ伝えていくと、読んだ人の中に“行く理由”が積み重なっていくんです。
しかも、繰り返し目にすることで記憶に残りやすくなるので「気になってたから来てみた」という行動につながりやすくなります。
「映える」だけじゃない!SNSで信頼される投稿とは
SNSというとつい「映えるかどうか」に意識が偏りがちですが、本当に大事なのは“誰がどう運営しているか”が伝わることです。
たとえば、子ども連れのご家族が見る場合、「屋台の見た目」より
「清潔感」
「子どもが安心して近づける雰囲気」
「対応している人の人柄」
の方が気になるポイントだったりします。
実際、私の投稿の中でも特に反応が良かったのは、家族で設営している様子や、子どもが笑顔でわたあめを手にしている写真、出店者の素朴な顔写真が写っている投稿でした。
「誰がやってるのかわかる」ことで、なんとなく親近感がわいて
「話しかけやすかった」
「安心して子どもを連れていけた」
という声もいただきました。
お客さんの“安心材料”を投稿で先に届ける
SNSでの投稿は、単なる宣伝ではなく「イベントに行く理由」や「不安を解消する情報」を届ける手段でもあります。
たとえば、
「暑い日でも保冷材を用意しています」
「雨でもテント内で販売しています」
「混雑時も順番で対応します」
といった一言があるだけで、お客さんは「行って大丈夫そう」と感じられます。
こういった投稿は、おしゃれな写真よりもむしろ“読まれて信頼される”内容になるので、画像と合わせてしっかり伝えていくことが大切です。
SNS投稿は「心のハードル」を下げる魔法
イベントで出店するブースって、知らない人からするとちょっと近寄りにくい空間でもあるんです。
何を売っているのかもわからないし、価格が見えにくかったり、店員さんと目が合ってしまったら買わなきゃいけないのかなと緊張してしまったり。
そんな「心のハードル」を先にSNSで下げてあげることができれば、お客さんの足は自然と向いてきます。
「この人たちがやってるんだ」
「子どもが喜んでる様子がわかる」
「価格も見えてるし安心」
と思ってもらえることで、初対面でも“知っている人の屋台”のように感じてもらえるんですね。
SNSって、ただの告知じゃなくて、まだ見ぬお客さんと心をつなぐ“予告編”みたいなもの。
そこにちょっとだけ気持ちを込めて発信してみると、想像以上に温かい反応が返ってくるはずですよ。
投稿で気をつけた3つのポイント(再現OK)
SNSを活用してイベントでの集客を増やすには、やみくもに投稿するのではなく、ちょっとした“気遣い”や“見せ方”の工夫が大きな違いを生みます。
実際に私が出店のたびに意識していたポイントを3つ紹介しますね。
どれも特別なセンスや技術はいらないけれど、ちゃんとお客さんの心に届く工夫ばかりです。
そして、どれもすぐにマネできるものです。
だからこそ、今からでも遅くないし、むしろ次のイベントで試すのが楽しみになると思いますよ。
1. 写真の明るさと色味を統一してブランド感を出す
私がSNSに投稿する写真で一番こだわっていたのが「明るさ」と「色味」です。
と言っても、プロみたいな加工をしていたわけではありません。
単純に、同じ場所・同じ時間帯・似た角度で撮るようにしていたんです。
すると自然と投稿に統一感が出てきて、「あ、この人の出店だ」とわかってもらいやすくなるんですよね。
例えば、背景にテントが見えていたり、いつも同じ布を敷いていたりすると、それだけで「見たことある!」という安心感にもつながります。
色味も、なるべくふんわりしたトーンに寄せていたので、やさしくてあたたかい雰囲気に見えたみたいで、フォロワーから「優しそうな人がやってそうで安心した」という声もありました。
おしゃれに見せるよりも「伝わる雰囲気」を整える。
それだけでグッと親近感が出るんです。
2.「子どもが主役」になる構図を意識する
投稿する写真で、お客さんの心が大きく動く瞬間があります。
それは、「自分の子どももこうなったら嬉しいかも」と想像できるとき。
だから私は、商品単体の写真よりも「わたあめを嬉しそうに持っている子ども」の姿を優先して撮るようにしていました。
もちろん、お顔がはっきり写るときには必ず保護者に許可をとることや、後ろ姿だけにするなど、プライバシーにも配慮しながら撮っています。
写真の中に笑顔があると、言葉以上に空気が伝わるんですよね。
そして、それが「買いたい」ではなく「行ってみたい」「体験させたい」という気持ちを後押ししてくれる。
写真は“商品を魅せる”だけじゃなくて、“体験を共有する”ものなんだと強く実感しました。
3. 投稿文は「ストーリー」で伝える
SNSで一番反応が良かったのは、いわゆる“宣伝”の投稿じゃなかったんです。
むしろ、「今日こんな出来事がありました」といった、ちょっとしたエピソードを書いた投稿が、何倍も反応をもらえました。
たとえば
「小さな女の子が、おこづかいでわたあめを買ってくれて、帰るときに『また来るね!』って言ってくれた」
「初めて自分でお金を払った男の子が、すっごくドキドキした顔してて、こっちまで緊張した」
みたいな小話を添えるんです。
それだけで、人は“その場の空気”に触れられる気がして、引き込まれていくんですよね。
投稿って、ただの告知じゃなくて“誰かの記憶”になっていくもの。
そう思って一つひとつ綴ると、言葉のあたたかさが伝わっていくのを感じられますよ。
実際に効果が出たSNS運用の流れ
「SNSってどのタイミングで何を投稿すればいいの?」という声、よく聞きます。
私も最初は完全に手探りでした。
でも、何度か出店を重ねる中で、投稿の“流れ”を意識するようになってから反応がガラリと変わったんです。
まるで一本の映画みたいに、「予告編」「本編」「エンドロール」をイメージするとすごくやりやすくて、しかも効果もはっきり出ました。
ここでは、イベント前から終わった後まで、実際に私が行っているSNS運用の流れをお伝えしますね。
1週間前~前日:準備投稿(ストーリー・告知)
まずは1週間前くらいから、小出しに「出店のお知らせ」を始めます。
「次の土曜日、○○マルシェに出店します!」とシンプルな宣伝をするだけでも、見てくれている人の頭に「その日イベントがあるんだな」と残ります。
そしてその後、
「この日は限定カラーのわたあめを用意します」
「今回は新しい味のザラメを使ってみます」
といった情報を少しずつ追加していくことで、投稿に動きが出るんですね。
ストーリー機能を使って準備の様子を載せたり、家族で作戦会議してるシーンをシェアするのもおすすめです。
まるで一緒に準備しているような感覚を持ってもらえると、「当日行ってみたいな」と思ってもらいやすくなります。
当日:ライブ感ある投稿で来場促進
イベント当日は、なるべくリアルタイムで様子を発信するようにしています。
朝の設営風景や「今日の空はこんな感じ」といった小さな投稿でも、「現地でやってるんだ!」と伝わるだけで十分に効果があります。
さらに、開店直後に「今日の1本目はこんな感じで作りました!」という投稿をすると、フォロワーの中にはそれを見て「今から行こうかな」と思ってくれる人も出てきます。
お客さんとのふれあい写真や、少し行列ができている様子なども、見る人にとっては“安心材料”になるんですね。
ただし、忙しい時間帯に投稿ができないこともあるので、写真や動画だけでも撮っておいて、後からまとめて投稿しても大丈夫ですよ。
イベント後:お礼+フォロワーとの交流で次回につなげる
イベントが終わったあと、「今日来てくれたみなさん、ありがとうございました!」という投稿はとっても大事です。
これをすることで、来てくれた人とのつながりをもう一度感じてもらえるし、「次もまた行きたいな」という気持ちが残りやすくなります。
そして、
「こんな子が来てくれました」
「最後にこんな嬉しい言葉をもらいました」
といった振り返りの投稿も、“ストーリーの締めくくり”として心に残るんですよね。
私はいつも、「今日もたくさんの笑顔を見せてもらえて幸せでした」と書くようにしています。
それだけで、その日の出店が“単なる商売”じゃなくて“心の交流”だったことが伝わる気がするんです。
こうして、次の出店にも自然とつながっていくんですよ。
SNS発信で信頼を得るための注意点
SNSはとても便利なツールですが、同時に“見られる場所”でもあります。
発信を重ねるほどに、
「どんな人が運営しているのか」
「どんな考えで出店しているのか」
が伝わっていくからこそ、そこに誠実さや思いやりがあるかどうかが大きな差を生みます。
実際、同じようにおしゃれな投稿をしていても、「なんだか信頼できる」と感じてもらえる人と、どこか距離を感じてしまう人がいます。
その違いはほんの少しの配慮や言葉選びなんですよね。
ここでは、SNSを使うときに私自身が意識している“信頼を積み重ねるための工夫”をお伝えします。
写真・個人情報の扱いは慎重に
イベントの雰囲気を伝えるために写真を投稿するのはとても効果的ですが、そこに写る人のプライバシーには細心の注意を払う必要があります。
特に子どもの顔が写る場合や、他の出店者・お客さんが写り込む場合は、事前に一言確認を取るだけでも印象がまったく変わります。
私は「SNSに載せてもいいですか?」と笑顔で声をかけるようにしています。
断られたら潔くやめる。
それだけで“安心できるお店”として覚えてもらえますし、気づけば口コミで「丁寧な出店者さんだったよ」と広がっていくこともあります。
撮影時には、後ろ姿や手元のアップ、商品と笑顔だけの構図など、見る人の想像力を活かす工夫もおすすめです。
誇張よりも“誠実さ”を伝える投稿を
SNSでは、つい「たくさん売れた」「行列ができた」と伝えたくなるものですが、それを強調しすぎると「なんだか押しつけがましい」と感じられてしまうこともあります。
もちろん成果をシェアするのは悪いことではありません。
ただ、その裏にある感謝や努力を添えるだけで、伝わり方はまったく違うんです。
「たくさんの方に来ていただけて嬉しかったです。
次はもっとスムーズに提供できるように工夫します」といった一文を添えると、誠実さや謙虚さが伝わります。
見る人は数字よりも“人柄”を見ています。
だからこそ、飾らない言葉で伝えることが信頼につながるんですよね。
コメントやメッセージへの返信も「心を込めて」
フォロワーからのコメントやメッセージは、いわば“お客さんの声”です。
短い返信でも「ありがとうございます」「またお会いできたら嬉しいです」といった温かい言葉を返すことで、相手の中に安心感が生まれます。
逆に、無反応や冷たい返しは思った以上に印象を悪くしてしまうことも。
SNSは一方的に発信する場ではなく、“対話”の積み重ねです。
私は返信のとき、「この人がわざわざ書いてくれた時間」を大切にしたいと思っています。
ほんの数秒のやりとりでも、人と人との信頼ってそこから育っていくんですよね。
まとめ:SNSは「宣伝」じゃなく「信頼づくりの場」
SNSでの発信を通して実感したのは、集客の本質は“売り込み”ではなく“つながり”なんだということでした。
フォロワーの数よりも、ひとつひとつの投稿を通して「この人たちなら安心できる」「会ってみたい」と感じてもらうことが何より大切です。
イベント会場で「SNSで見てきました!」と声をかけてもらえた瞬間は、数字では測れない大きな喜びでしたし、その一言がまた次の出店の原動力になりました。
投稿というのは、自分をよく見せるためのステージではなく、自分らしさや温度感をそのまま届ける“手紙”のようなもの。
だからこそ、きれいな写真や完璧な言葉よりも、少し不器用でも誠実でまっすぐな姿が伝わるほうが、人の心は動きます。
もし今、「SNS投稿は難しそう」と感じている人がいたら、まずは一枚の写真や短い一言からでいいんです。
楽しさをシェアする気持ちで投稿を続けていくうちに、少しずつあなたの世界観に共感してくれる人が増えていきます。
出店という小さな場所から始まる信頼の輪が、やがて“次も会いたい人”として広がっていく。
その力こそが、SNSを使う最大の魅力なんだと思います。

