親族が亡くなった時、葬儀に参列するため会社を休みますよね。
その時忌引き休暇の制度がある時は、忌引き休暇を取ると思います。
しかし忌引き休暇は有給休暇にあたらないと言われ、戸惑った経験はありませんか?
私も以前は「忌引き休暇=有給扱い」だと思っていたので、この事実を知ったとき、正直なところとても驚きました。
では、忌引き休暇は何のために存在しているのでしょうか?
忌引きが有給じゃないのには理由があるの?
まずは、忌引き休暇とは何かという事について見ていきましょう。
ちなみに「忌引き」の読み方は「きびき」です。
忌引き休暇とは、「本人は出社できる状態であるが、身内の葬儀(葬儀の準備も含む)の為に休暇を取る事」とされています。
昔は身内が亡くなると、一定日数自宅へこもって哀悼の意を示し喪に服す習慣があった為、忌引き休暇が生まれました。
忌引き休暇は有給じゃない? 会社によって違う?
では、忌引き休暇は有給に当たらない理由とは何なのでしょうか?
忌引き休暇は、労働基準法で定められた休暇ではないからです。あくまで会社側の好意による休暇と言えます。
ですので、忌引き休暇がないからと言って法律違反になりませんし、何日取得できるかはそれぞれ会社によって違います。
会社によっては「身内が亡くなった」と嘘をついて有給休暇を取得するのを防ぐ為に、葬儀関係の書類の提出を義務付けている場合もあります。
更にパートやアルバイトだと、忌引き休暇の制度があっても使う事ができない、という事もあると聞きます。
気になる方は今一度就業規則を見直し、忌引き休暇の項目を確かめましょう。
後から、「知らなかった!」とならないようにしましょうね。
忌引きの日数がどれくらいとれるものなのかについては、
「忌引きでも給料から天引きされる?有給じゃない忌引きの意味とは?」
に詳しくまとめていますので、参考にされてみてくださいね。
忌引きはいつからいつまで取れる?葬儀が終わった後ではダメなの?
「忌引き」というのは、喪主であれば葬儀を行うために、会葬する人は葬儀に参列するために休むことです。
そのため、葬儀が終わったあとに取るというのは、忌引きの趣旨から外れているのではないかなと思います。
これもおそらく会社ごとに就業規則に定められていると思うのですが、「いつを忌引き休暇の1日目とするか」というのは大きく2パターンがあるそうです。
- 亡くなった当日
- 亡くなった翌日
そのため、通常であれば葬儀のあとは忌引きが取得できない期間になっているのではないかなと思います。
ちなみに、土日などの休業日が忌引き期間中に含まれている場合も、それを含めるかどうかは会社ごとに違います。
忌引きは通常、日常的に発生するお休みではないので、取得方法に自信がない方の方が多いと思います。
不明なことがあれば、上司や人事部などにきちんと確認するようにしましょう。
会社によって忌引きは無給の場合もあると前述しましたが、慶弔費としていくらかお見舞金が支払われる場合もあります。
そのあたりも不明点があれば就業規則を読み直し、確認しておくと良いと思いますよ。
忌引き休暇を取る事になった! 覚えておきたい忌引きマナーとは
万が一忌引き休暇を取る事になったら、まずはすぐに電話で連絡しましょう。
最近はメールやLINE等でやり取りする場面も増えましたが、電話ですぐ伝えるのが正解です。
誰が亡くなったか、葬儀の日取りや会場等を伝え、後からメールやLINEに情報をまとめて送りましょう。
更に、休み中に業務を引き受けてくれる方にもきちんと連絡をします。
忌引き休暇をもらう事を伝え、更に引き継ぎ事項を伝えておくようにします。
忌引き明けには、上司や同僚達に長い間休みをもらった事への感謝を伝え、菓子折りを渡すのがマナーです。
忌引き明けにしっかり挨拶を行わないと、今後の人間関係に大きく響いてくる可能性があるので、注意するようにしてください。
パートやアルバイトで忌引きを取得したら給料はどうなる?
正社員ではなく、パートさんやアルバイトさんが忌引きを取得することもあります。
この場合についても就業規則で定められているのでそこを確認しましょう。
辛いですが、同じ会社でも正社員とパートさんやアルバイトさんとは待遇が違うこともあります。
例えば、正社員の場合は有給扱いになるところ、パート・アルバイトの場合は無給であったりということもあるそうです。
これについても会社ごとに異なってくるので、上司や人事部に確認しましょう。
無給か有給かという扱いは違うと思いますが、身近な大事な人が亡くなるというのは誰にとっても大きな悲しみです。
よほどブラックな企業でない限り、「休むな」とは言われないはずです。
派遣で忌引きを取得したら給料はどうなる?
派遣社員の方も、無給か有給かというのは会社によって異なります。
派遣社員の方の場合、派遣先の上司だけでなく、派遣元の担当者にも不幸があった旨を報告しておく必要があります。
ネットでいろいろ調べてみると、同じ会社で働いているにも関わらず、
★正社員
⇒有給の忌引きがあって社内に訃報メールが回って慶弔金支給
★派遣社員
⇒欠勤扱いになって誰にも訃報のお知らせはされず慶弔金なし
なんていう悲しくなるような目に遭った方もおられました。
派遣先の対応も、派遣元の福利厚生も、もうちょっとなんとかならなかったのかなと思います。
人が亡くなるという悲しみや喪失感は誰にとっても同じなんですけどね…。
…とは言いますが、派遣先や派遣元の会社によっては、正社員と同等の扱いをしてくれたという人もいます。
忌引きは法的に定めないといけないと決まっている休暇ではないので、忌引きだけにスポットを当ててもなかなかうまく調べられないと思います。
気になる方は、前もって派遣元の会社に聞いておくと良いかもしれませんね。
会社にとって忌引き休暇がある意味って何なの?
では、会社側が忌引き休暇を設ける意味とはどのような物があるのでしょうか?
忌引き休暇の意味①福利厚生の一環として
会社の福利厚生として、忌引き休暇を設けている場合があります。
身内の葬儀なのに仕事が休めない、なんて会社には働きたくないと思いますよね。
そう言った事態を防ぐ為に、あらかじめ忌引き休暇を設けている会社は多いです。
忌引き休暇の意味②遠慮せずに休んでもらう為
世の中には仕事が忙しく、身内の不幸があっても休みたいと言えない状況で働く人もいます。
しかし忌引き休暇の制度があるならば、遠慮せずに仕事を休んで葬儀に参列する事が出来ます。
以上2点の理由がありますが、やはり働いている方への配慮という意味で設けられている事が多いようです。
忌引きをとっても給料から引かれるの?のまとめ
忌引き休暇は労働基準法で定められた休暇ではなく、あくまでも会社の行為や福利厚生によるものです。
ですので、会社によっては
- 特別休暇
- 有給扱い
- 欠勤扱い
また、忌引き休暇を取得する際は、すぐに上司に電話での報告をしましょう。
それと同時に休暇中の業務の引き継ぎを行い、業務に滞りが出ないように配慮する事を心掛けましょう。
忌引き明けはしっかりと挨拶を行い、休暇を頂けた事への感謝の気持ちを伝えましょう。
更に菓子折りを用意するなどして、感謝の気持ちを形で表すのも重要ですよ。