小学校で学区外の学校へ通わせたいと考えたとき、「どんな理由なら許可されるの?」「どうやって申請するの?」と悩むご家庭も多いですよね。
基本的に、学区外通学を希望するには、お住まいの自治体の教育委員会が定める審査基準に合った“正当な理由”が必要になります。
たとえば、引っ越しが学年の途中だったり、保護者の仕事の関係で祖父母の家から通学させたいという場合。
あるいはお子さんがいじめや不登校といった心身の問題を抱えていて、今の学校に通うのがむずかしいという場合などが該当します。
こうした事情があるときは、その内容をできるだけ具体的に申請書に書くことで、学区外通学が認められる可能性が高くなりますよ。
ただし、通学距離が遠くなることでお子さんの負担が増えたり、近所に友だちができにくくなるなどのデメリットもあるので、しっかり検討したうえで判断することが大切です。
また、地域によっては「隣接校選択制」という仕組みがあるところもあり、特別な事情がなくても、隣の学区の学校を選べるケースもあります。
制度の内容は自治体ごとに違うので、詳しくはお住まいの地域の教育委員会に確認してみてくださいね。
小学校での校区外通学が絶対に許可される理由
では「就学学校変更及び区域外就学審査基準」の具体的な中身について。見ていきましょう
※小学校1年生~4年生、中学校1年生は学年が終了するまで許可
※小学校5年生・6年生、中学校2年生・3年生は卒業するまで許可
②調整区域、自治会分断、地理的理由などの場合
③家を建て替える際に一時的に転居する場合(最長1年間)
④新築や家を購入して引っ越すことが決まっている場合
⑤身体不自由などで通学に配慮の必要がある場合
⑥保護者が全員就労していて帰宅後の監督者が誰もいない場合(保護者の勤務地近くの校区へ通学など)
⑦難聴学級に入学を希望する場合
※私の住んでいる地域には、特別に難聴学級が開設されている学校があります。
⑧いじめ、不登校などで心身の安全が脅かされる場合
※教育委員会指定学校変更審査会で許可された場合のみ
⑨公共事業による立ち退きの場合
⑩小学校時、中学校時それぞれで2回以上の転校を重ねている場合
⑪やむを得ない理由で住民票を異動させられない場合
⑫兄や姉が指定学校変更し、弟妹も同じ学校へ就学を希望する場合
⑬その他、教育委員会指定学校変更審査会が必要と認める場合
が、おそらくあなたのお住まいの自治体でも、そう大差なく同じような規定になっているのではないかなと思います。
一つ言えることは、
「校区外に住んでいるけど、あの学校が新しくてキレイでいい感じなので、なんとなく校区外通学したいでーす(てへぺろ)」
という理由は認められないということです。笑
このような方は、行きたい学校の校区内に引っ越しをお願いします。
学区外通学の理由の書き方!小学校の場合の例文
私の住んでいる地域については、学区外通学の理由は前述した「①~⑬」の番号で記入するだけ。
なので、保護者が文章を考える必要はありません。
しかし、きちんとした文章記入を求められる場合もあるので、その際の理由の書き方の例文をいくつかご紹介します。
学区外通学理由ごとの例文①学年の途中で引っ越す場合
「小学校6年生の途中で転居が決まっています。しかし、子どもの心情を考慮して卒業するまでは学区外通学を希望します。」
学区外通学理由ごとの例文②保護者が働いているので祖父母の家の近くの学校に通わせたい場合
「両親共に就労しており、下校後も自宅は留守の状態です。そのため、育児に協力的な祖父母の家がある校区(〇〇地区)への就学を希望します。」
「保護者は全員働いており、自宅は留守になります。本来通学すべき学校には学童保育がないので、学童保育がある隣接の〇〇小学校への就学を希望します。」
学区外通学理由ごとの例文③いじめが原因の場合
「いじめを受け、現在の学校に通い続けた場合心身的負担があります。新しい環境での教育を希望するため、隣接する〇〇小学校へ就学させたいと考えています。」
「なぜ学区外通学をしたいのか?」という理由は必ず書こう
どの理由にしても、まずは「なぜ学区外通学をしたいのか?」という理由は明確に書くようにしましょう。
自分のことを振り返ってみると。
私が小学生の頃、家を建て替えるときに校区外に仮住まいをしており、半年ほど学区外通学をしていました。
夫は、小学校が目の前にある新築分譲マンションに入居したにもかかわらず。
目の前の道路が校区の境目になってしまったために、学区外通学という扱いで通学していました。
そして現在、私のママ友は公共事業による立ち退きを市から迫られていて
「子どもを転校させたくないけど、引っ越ししなきゃいけない」
という状況になっています。
学区外通学は少数派と思っていましたが、学区外通学に該当する人は割といるのかもしれませんね。
学区外通学にはデメリットも!小学校卒業後の中学校区はどうなる?
学区外通学について見てきましたが、学区外通学には以下のようなデメリットもあります。
学区外通学のデメリット①通学距離が遠くなる場合がある
親の都合などで職場の近くの小学校に就学させた場合、子どもが登下校する距離が学区内よりも長くなる可能性があります。
重たい荷物を持って歩くので、通学距離は短いに越したことはありません。
学区外通学のデメリット②通学路で一人になる場面が増える
学区外通学をすると、当たり前ですが下校時に「同じ方面に変えるお友だち」が極めて少ない状況になります。
地域のボランティアの方が下校時に見守り活動をしてくださることも増えてきましたが、学区外までは見てくれません。
一人になる場面もあるでしょうから、安全面が少し心配です。
学区外通学のデメリット③友だちの家にすぐに遊びに行けない
学区内であれば、おそらく友だちの家は徒歩圏内です。
でも、学区内だと友だちの家に遊びに行くのも一苦労ですよね。
学区外通学のデメリット④子ども自身が疎外感を感じてしまうかもしれない
親の都合で学区外通学をさせている場合、子どもからすれば「なんでぼくだけおうちが遠いの?」となることがあると思います。
お友だちからも「なんで?」と言われることもあるかもしれません。
上手に理由を伝えられたら良いのでしょうが、なかなかそれが難しい場合は子どもが疎外感を感じてしまう恐れがあります。
中学校区については再度申請が必要な場合も!
小学校で学区外通学をした場合、中学校区がどのようになるのかは、自治体によって違います。
私の住んでいる自治体では、「学区外通学の許可期間」は、ほとんど場合は最長でも「卒業まで」でした。
なので、小学生のときに申請したものは「小学校卒業まで」。
中学生のときに申請したものは「中学校卒業まで」です。
なので、中学校になっても学区外通学を希望するのであれば、また再度申請をする必要があります。
ただし、学区外通学の申請理由によってはこの限りではないようなので、お住まいの地域の教育委員会などにきちんと確認してみてくださいね。
小学校の隣接校選択制って何?どこにでもある制度なの?
ほとんどの地区では住んでいる地域によって通うべき小学校が1つ指定されています。
その指定された学校の校区に隣接する校区の学校にも通うことのできる制度を「隣接校選択制」といいます。
隣接校選択制を取り入れている地域では、学区外通学を希望するときのような特別な理由がなくても隣接する学校を選択することが可能です。
ですが、隣接校選択制はどこの地域でも導入されているわけではありません。
気になる場合は、あなたのお住まいの地域に、このような制度があるのか確認してみてくださいね!
「隣接校選択制度」にはどんなニーズがあるの?
最近は次のようなニーズに答えるために、隣接校選択制度を取り入れている地域も多くなってきているようです。
- 隣接する学校のほうが指定校よりも通学しやすい。
- 部活動がさかんな学校に通いたい。
- 友達が多くいる学校に通いたい。
隣接校選択制があなたのお住まいの地域にあり、隣接校への通学を希望する場合は、期限内に申請書を提出する必要があります。
申請書を提出すれば、基本は隣接校に通えますが、隣接校の受け入れ人数を超える入学希望があった場合は抽選が行われるところが多いようです。
その抽選に外れてしまうと、隣接校には行けないこともあるのでご注意を!
注意!隣接校選択制度は入学前にのみ適用される!
そして気を付けたいのは、隣接校選択制はあくまでも学校に入学する前のみに適用される制度だということです。
そのため、指定の学校に入学した後で「やっぱり隣の学校がいい」と思っても、隣接校選択制を利用して転校することはできません。
そのようなときは、やはり学区外通学の申請をするしかなさそうです。
隣接校選択制のある地域にお住まいの場合は、入学前にどの学校に通うのがベストかじっくり考えてみてくださいね。
校区外通学で絶対に許可される理由は何?のまとめ
「今の学校じゃなくて、別の小学校に通わせたい」「引っ越したけど前の学校にそのまま通わせたい」など、学区外の小学校への通学を考えるご家庭は少なくありません。
そうしたときは、まずお住まいの自治体にある教育委員会に相談し、学区外通学が認められる理由があるかどうかを確認する必要があります。
学区外通学が認められやすいケースとしては、たとえば学年の途中で引っ越しをした場合や、保護者が仕事で忙しくて祖父母宅から通わせたいという場合。
また、いじめや不登校などお子さん自身の心身に関わる事情がある場合などが挙げられます。
こうした理由があると、通学の変更を認めてもらえる可能性があるんですね。
ただし、学区外に通うことで学校までの距離が長くなったり、近所に同じ学校の友だちが少なくなるといったデメリットも出てくることがあります。
だからこそ、家族みんなでしっかり話し合って、お子さんにとってどの環境が一番いいのかを考えてみることが大切ですよ。
さらに、自治体によっては「隣接校選択制」という制度を導入しているところもあります。
この制度がある地域では、特別な事情がなくても、隣の学区の学校を自由に選べることもあるんです。
ただし、制度の有無や詳細は地域によって違うので、お住まいの市区町村の教育委員会に直接問い合わせて、最新の情報を確認してみてくださいね。
学区外通学を検討する際には、制度のしくみや申請方法をしっかり理解して、納得のいく選択ができるようにしていきましょう。