3歳児検診、なんとなく受け流すように迎えたあの日。
身長、体重、歯のチェック……
全部順調に終わってホッとしたのも束の間、「視力の検査で少し気になるところがありました」と言われた瞬間、胸の奥がズキンと痛みました。
「3歳で目が悪いの?」「うちの子、本当に見えてないの?」そんな不安が一気に押し寄せてきて、頭が真っ白になってしまったんです。
まだ3歳だし、きっとちゃんと測れてないだけだよね、なんて自分に言い聞かせながらも、心の中ではぐるぐると不安が止まらなくて。
もしこのまま治らなかったら一生眼鏡?夢をあきらめなきゃいけなくなったら?そんな未来ばかり想像してしまうけれど。
同時に「ちゃんと向き合わなきゃ」と強く思ったのも事実です。
この記事では、3歳児検診で乱視を指摘されたときに感じた親としての戸惑いと、そこからどう行動したのかという体験をもとに、同じような状況で不安を感じているあなたの背中をそっと押せたらという気持ちでまとめました。
不安があるのは当然。
でも、知っておくだけで少しだけ心が軽くなる。
そんな情報を、ひとつひとつ丁寧に届けていきます。
3歳児検診で乱視を指摘された…本当に治るの?
「お子さん、視力の検査で気になるところがあったので、一度眼科を受診してみてくださいね」
そう言われた瞬間、私の中で“何かが引っかかる感じ”が残りました。
正直なところ、「3歳って、ちゃんと検査できない年齢だし、きっとうまく答えられなかっただけでは?」と楽観的な自分もいたし。
「もしかして本当に見えてないの?」と、どんどん不安になっていく自分もいて、頭の中がグラグラするような感覚でした。
見逃されやすい「弱視」と「乱視」のサイン
実は、3歳という年齢で乱視や弱視を見つけることって、思っている以上に難しいんです。
大人と違って、見えづらさを言葉で伝えられないし、「ぼやけて見えている」ことが普通だと思っている子どもも多いので、自分から「見えない」と言うことはほとんどありません。
うちの子もそうでした。
テレビの距離がやたら近かったり、絵本を読むときに片目をつぶったりしていたのに。
それが“見えていないサイン”だったなんて、当時はまったく気づけませんでした。
3歳からの視力治療には「時間の猶予」がある
それでも3歳児検診で指摘されたことは、ある意味「運が良かった」と今では思います。
というのも、視力の発達には限られた“ゴールデンタイム”があるからです。
視力は目そのものだけでなく、脳が「映像を正しく処理する力」と一緒に育っていきます。
その発達が活発に行われるのが、おおよそ8歳から10歳くらいまで。
この時期を逃してしまうと、どんなに矯正しても「ぼんやりとした映像しか処理できない目」になってしまうことがあるのです。
だからこそ、3歳での発見はまさにギリギリ間に合うタイミングだったと言えます。
「本当に治るのか?」という不安に向き合った日々
正直、最初は眼鏡をかけさせることに抵抗がありました。
「まだ3歳なのに」
「こんなに小さい子が一生メガネだったらどうしよう」
そんなふうに思ってしまったこと、正直に言います。
でも、専門医の先生が「3歳ならまだ“見える力”を伸ばしていけますよ」と言ってくださって、少しだけ心が軽くなりました。
実際に治療を始めてみると、すぐに結果が出るわけではなくて、1~2か月ごとの視力検査でも数値は少しずつしか変わりませんでした。
でも、ある日「眼鏡をかけると数字が読めるようになった」と笑顔で話す我が子の姿を見たとき、この道を選んで本当に良かったと心から思えたのです。
「治る」ではなく「育てる」視力との向き合い方
乱視や弱視は、風邪のように「治った!完治した!」とスッキリ言えるものではありません。
とくに子どもの場合は、時間をかけて少しずつ“視力を育てていく”という考え方が大切になります。
専門医の診断と定期的な検査を受けながら、眼鏡の度数やかける時間、生活環境を整えていくことが、治療の柱となります。
そしてその過程には、親の関わりもとても重要。
嫌がる眼鏡を「かけなさい!」と怒るのではなく、
「これをかけると、よく見えるんだよね」
「かっこいいね!」
と一緒に前向きに取り組む姿勢が、治療の効果にも繋がっていきます。
私も最初は戸惑いだらけでしたが、今では毎朝の「めがねタイム」が日課になっています。
見えることが未来を広げるということ
「このまま視力が伸びなかったら、将来どうなるんだろう?」そんな不安は今でも時々浮かびます。
運転免許は?希望の職業は?いろんな“もしも”が頭をよぎります。
でも、そのすべては“今この瞬間の選択”で大きく変わるのだと、息子の目を通して実感しました。
将来の夢を語る我が子の言葉を、ただ「頑張れ」と応援するだけじゃなくて、ちゃんと現実に届くようにしてあげたい。
そのために今、眼鏡をかける日々を親子でがんばることに、しっかり意味があるんだと、心から思えています。
3歳の乱視治療は間に合う?今こそスタートの時
「まだ3歳なのに、こんなに小さいうちから治療なんて本当に必要なの?」
私自身が一番最初に感じたのは、この疑問でした。
3歳って、まだ保育園でぬりえをしているような年齢です。
そんな小さな子どもに“眼鏡をかける”という現実は、どこか遠い世界の話のように感じてしまったんです。
でも、医師の話を聞いて、その考えはガラッと変わりました。
視力の発達には“タイムリミット”がある
「視力は10歳ごろまでに完成します」
この言葉、正直ドキッとしました。
視力って、年齢とともに伸びるものだと思い込んでいたんです。
でも実際には、脳が“見る”という情報処理を覚えていく過程には期限があるのだそうです。
生まれたばかりの赤ちゃんの視力はとてもぼんやりとしていて、そこから時間をかけて、はっきりした世界を認識していきます。
その大切な成長の期間に、網膜にうまく像が映らなかったり、脳にしっかり伝わらなかったりすると、「ちゃんと見える力」が育たない。
だからこそ、「見える経験」をなるべく早く、確実に積ませてあげることがとても大切になるんです。
メガネ=ずっとかけ続けるもの…ではない可能性もある
「一度眼鏡をかけたら、一生外せないんでしょ?」
私も当初そう思っていました。
でも先生は「今は視力を“育てる”ための眼鏡です」と言ってくれました。
今の目的は、視力の発達をしっかりと助けてあげること。
将来的に眼鏡を卒業できるかどうかは個人差があるけれど。
少なくとも“視力を改善できる時期”に何もしないより、今頑張った方がずっと未来の可能性が広がるということなんですよね。
私の子も、眼鏡をかけ始めてから定期的に視力が上がってきていて、「眼鏡をかけたら遠くの文字も見えるよ!」と嬉しそうに報告してくれるようになりました。
その姿を見るたびに、治療を始めて本当に良かったと思っています。
親が一緒に治療に向き合うことが何よりの支えに
治療と言っても、子どもだけに頑張らせるものではありません。
眼鏡をかけるのがイヤな日もあるし、見えづらさにイライラして投げ出したくなる日もあると思います。
だからこそ、私たち親が「一緒に頑張ろうね」と寄り添うことがとても大切なんです。
我が家では、朝の準備で眼鏡をかける時間を“鏡の前でおしゃれチェックする時間”に変えたり、「今日は何が見えるかクイズしようか」とちょっとした遊びにしたり。
そんな風にして、毎日のルーティンにしていく工夫をしました。
「めがねがあるとママがもっと可愛いって言ってくれる」と、息子はある日、得意げに言いました。
その言葉に、思わず涙が出そうになったのを今でも覚えています。
「治すこと」が目的じゃない、「未来をひらくこと」が目的
乱視の治療には、時間がかかります。
すぐに視力が1.0になることも、眼鏡を外せる保証もないかもしれません。
でも、何もしなければ可能性はゼロのまま。
だから私は、目の治療を「見える力をプレゼントするための時間」と考えるようにしました。
将来、自分で文字を読んだり、外の景色を楽しんだり、夢に向かって進んだりする時に
「あの時、ママと頑張って良かった」と思ってもらえたら、どんなに大変でもこの時間は意味のあるものになると信じています。
眼科受診の前に知っておくと安心なこと
「眼科に行ってください」と言われても、正直
- どこに行けばいいのか
- どんな検査をするのか
- 何を準備しておけばいいのか
ましてや相手は3歳の小さな子。
ただでさえ病院に慣れていないのに、
「視力の検査なんてちゃんとできるのかな?」
「泣き出さないかな?」
そんな不安が次々と押し寄せてきました。
でも、事前にちょっとしたことを知っておくだけで、当日がぐんとスムーズになります。
ここでは私が実際に受診したときに「知っておいてよかった」「準備しておけば安心だった」と感じたポイントを紹介します。
午前中の早い時間を選ぶのがベスト
まず一番のポイントは、「なるべく早い時間帯に予約を取ること」。
眼科では、視力検査の結果によって“散瞳検査(さんどうけんさ)”という詳しい検査が必要になることがあります。
これは瞳を薬で広げて、眼の奥までしっかり見るための検査で、薬が効くまでに30分~1時間ほどかかるうえ、検査後も数時間は眩しさが残ることがあるんです。
我が家もこの検査を受けることになり、午前中に予約を入れていたおかげで、余裕をもってすべての検査を終えることができました。
もし午後からの受診だったら、時間が足りなくなって再診になっていたかもしれません。
小さい子のコンディション的にも、元気な午前中がおすすめです。
「ランドルト環」に慣れておこう
視力検査では、よく見る“C”の形をしたマーク=ランドルト環を使いますが、3歳児にはこれが意外と難しい。
上下左右の向きの区別がつかなかったり、そもそも検査の意味がわからなかったりするからです。
事前に家で遊び感覚で練習しておくと、当日がスムーズです。
我が家では段ボールで大きめのCを作って「ママと同じ向きをやってみよう」と毎晩5分だけ“お風呂あがりの検査ごっこ”をしていました。
「どっち向き?」と聞いて、子どもが手で同じ向きを指さすだけでOK。
声かけはシンプルに、そして楽しくがコツです。
病院では検査用の道具を子どもにも持たせて、真似っこしながら進めてくれるので、少しでも
「見たことある!」
「知ってる!」
という安心感があると、ぐっと緊張が和らぎます。
病院選びに迷ったら、まず紹介状を確認
3歳児検診で視力に関する指摘があった場合、多くの自治体では紹介状をもらえることが多いです。
実際に診察してくれる眼科の名前が書いてある場合もありますし、「小児の検査に慣れている眼科を選びましょう」とだけ書かれていることもあります。
正直、私は「眼科ってどこも同じじゃないの?」と思っていました。
でも実際には、子どもの視力検査に慣れているかどうかで、対応の仕方や子どもへの接し方が全然違いました。
受付の時点で「3歳児検診で来ました」と伝えるとスムーズに案内してもらえます。
それに、電話で予約のときに「子どもの視力検査が初めてで不安なんですが…」と相談するだけでも、丁寧に教えてくれるところが多かったです。
持ち物リストと心の準備
持ち物は、
- 保険証
- 医療証
- 紹介状
- 母子手帳
- お気に入りの絵本
- 小さなおやつ
- 水筒
そして、親である私たちも「うまくできなくて当たり前」という気持ちで行くのが大切です。
私も、最初の受診で息子が検査中に集中力が切れてしまって「もうやらない!」と泣き出してしまったことがありました。
でも先生は、「3歳の検査は難しいことも多いですから、今日はできる範囲で大丈夫ですよ」と優しく対応してくださいました。
焦る必要なんてまったくなかったのに、自分が一番緊張していたことに気づかされました。
“安心感”が一番の準備になる
初めての眼科受診は、子どもにとっても親にとっても緊張の連続です。
でも、事前に少しでも準備しておくことで、「よし、今日はこれをやる日だね!」と声をかけられる余裕が生まれます。
小さな不安を先回りしてつぶしておくことが、親子にとっての“安心”につながるんです。
あの日、知らないまま突撃していたら、きっとバタバタしていたと思います。
だからこそ、今この記事を読んで「なるほど、そうなんだ」と思ってくださったなら、それだけで受診の第一歩はもう成功しています。
乱視の原因ってなに?親のせいじゃないよ
「乱視です」と言われた瞬間、真っ先に頭に浮かんだのは、「私が何か悪いことをしたのかな?」という気持ちでした。
スマホを見せすぎた?テレビとの距離が近かった?寝転がって絵本を読ませてた?次から次へと心当たりを探してしまう、あの独特の罪悪感。
でも、先生の言葉でその重たい気持ちがすっと軽くなったんです。
「乱視は、生まれつきの要因が大きいです。
決してお母さんのせいじゃないですよ」って。
ここでは、3歳の子どもに見られる乱視の主な原因について、分かりやすく、そして何より“安心できる形”でお伝えしていきます。
先天性の乱視:多くの子にある「生まれつきの個性」
乱視には大きく分けて2種類あり、ひとつは「先天性乱視」と呼ばれる、生まれつき角膜や水晶体の形にゆがみがある状態です。
このタイプの乱視は、親や祖父母からの遺伝によって起こることが多いとされています。
実際、うちの子もこの先天性タイプでした。
先生から「お母さんかお父さんに乱視がありますか?」と聞かれ、思い返せば私の父が強い乱視持ち。
きっとそこから受け継いだんだな、と納得しました。
このタイプの乱視は、どんなに育て方に気をつけていても防げないことがほとんどです。
言い換えれば「どうにもできなかったこと」なので、責める必要なんてまったくないんです。
個性として受け止めて、その子に合った環境を整えてあげることこそが、親としてできる最良のサポートだと私は感じました。
後天性の乱視:生活習慣や視力の影響で起こることも
もうひとつは、「後天性乱視」と呼ばれるものです。
こちらは、後から何らかの要因で角膜の形が変わってしまうことで起こる乱視です。
例えば、近視や遠視を放置して目を細めるクセがついたり、片目だけで物を見る習慣がついてしまったりすると、角膜に負荷がかかってゆがみが生じることがあります。
これが結果的に乱視を引き起こしてしまうこともあるそうです。
また、意外なことに「赤ちゃんの頃の肥満」も視力に影響を与えることがあるという話を耳にしました。
脂肪が多くついて目の周りが圧迫されることで、視野や焦点に影響が出る可能性があるのだとか。
とはいえ、これも防ぎようのないことも多く、過去を悔やむより「今から何ができるか」に目を向けることのほうがずっと大切だと感じます。
「乱視=悪いこと」ではないと知ってほしい
乱視と聞くと、どうしても「よくないこと」「不便な状態」とネガティブに捉えがちですが、実際には日本人の多くが多少なりとも乱視を持っているそうです。
成長の過程で自然に落ち着くこともありますし、眼鏡やコンタクトで矯正すれば、生活に支障なく過ごしている人もたくさんいます。
それに、子どもの目はまだ成長途中です。
今の段階で乱視があるからといって、それが一生続くとは限らない。
逆に、今気づけたからこそ、伸びしろのある視力をサポートしてあげられるチャンスなんです。
我が家でも「眼鏡をかけて何が変わるんだろう?」と不安だった日々がありました。
でも数か月後、はっきりとした景色を見て嬉しそうに話す息子の表情を見て、乱視と向き合って良かったと心から思えました。
不安になったときは、誰かに相談してみて
どうしても気持ちがふさぎ込みそうなときは、一人で抱え込まずに、信頼できる小児科や眼科の先生に相談してみてください。
「よくあることですよ」「心配しすぎなくて大丈夫です」と言ってもらえるだけで、肩の荷がふっと軽くなります。
私も最初はネットで情報ばかり調べては不安が増していましたが、専門家のひと言が何よりの安心材料でした。
「ちゃんと見てくれる人がいる」「ひとつひとつ対応していけば大丈夫」そんな安心感があったからこそ、今こうして前向きに治療に取り組めています。
乱視の治療法は?早めに眼科で適切な治療をしよう
「乱視の治療って、何をするの?」「うちの子、痛いことされるのかな?」
初めてのことって、わからないからこそ不安になりますよね。
私もそうでした。
「乱視」と診断されただけでドキッとしてしまったのに、「治療」という言葉に、さらに気持ちが構えてしまって。
でも、実際に治療が始まってみると、拍子抜けするくらいシンプルで、そして“毎日の積み重ね”こそが一番の治療になることに気づかされました。
眼鏡治療の目的は“鮮明な像”を脳に届けること
まず知っておいてほしいのは、子どもに眼鏡をかけるのは、ただ単に「見えにくいから矯正する」ためではないということです。
本当の目的は、「脳にちゃんと“はっきり見える”体験を積ませてあげること」。
私たち大人は、はっきりした映像が見えて当たり前だと思っているけれど、子どもはまだそうじゃありません。
特に弱視や乱視がある子は、ぼんやりした像を“当たり前”として認識してしまっているので、脳が“はっきりとした見え方”を知らないんです。
このまま何もしないと、「見えないことが普通」になってしまい、脳が鮮明な視界の処理を学ばないまま視力の発達が止まってしまう可能性があります。
それを防ぐために、“正しい見え方”を日常の中で少しずつインストールしていく
それが、眼鏡治療の意味なんです。
日常生活の中で「見る力」を育てていく
うちの子も、最初に眼鏡を渡されたときは、「え、こんなに小さい子にもう眼鏡なの?」と内心びっくりしました。
でも先生は、「むしろ今だからこそ必要なんです」ときっぱり。
まだ“見る力”が育ちきっていないこの時期だからこそ、正しく見える経験をたくさん積ませることが未来につながると説明してくれました。
それから毎日、朝起きたらまず眼鏡。
テレビを見るときも、絵本を読むときも、できるだけかけるように意識しました。
最初はちょっと嫌がる日もあったけれど、少しずつ“かけることが当たり前”になっていって、気づけば自分から進んで眼鏡を探すようになりました。
そうやって、毎日のなかで視力が育っていくのを感じるのは、親としてとても嬉しい経験でした。
「見えるようになってきたね」と声をかけるたびに、子どもの表情が誇らしげになっていったんです。
アイパッチは「目のトレーニング」アイテム
眼鏡だけでは視力の改善が難しい場合や、左右で見え方に差があるときには、「アイパッチ」という方法が使われることもあります。
これは、よく見える方の目を一時的に隠して、見えにくいほうの目を集中的に使わせる訓練です。
初めてその話を聞いたときは、正直「えっ、片目を隠すの?本当に大丈夫なの?」と不安になりました。
でも、先生が「脳はよく見える方の目ばかり使いたがるから、もう片方の目が育たないことがあるんです。
だから意識的に“使わせる”時間を作るんです」と説明してくれたことで、納得できました。
最初の頃は嫌がって外してしまったり、アイパッチ姿を気にしたりしていた息子。
でも、可愛いデザインのものを選んだり、毎日決まった時間に貼るルーティンを作ったりして、少しずつ慣れていきました。
「これは“目の筋トレ”なんだよ」って言ったら、「じゃあ頑張る!」と張り切るようになったのが嬉しかったです。
継続と経過観察が、未来を変えるカギになる
治療を始めてから、すぐに効果が出るわけではありません。
視力検査の結果も、一進一退を繰り返すこともあります。
でも、それは決して「効果がない」ということではないんです。
視力の成長って、波のようなもの。
波が小さく見えるときでも、確実に前には進んでいます。
私たちも、1~2ヶ月ごとに眼科で視力検査を受けています。
そのたびに、
「お、少し良くなってる」
「今回は現状維持だけど、悪くなってないからOK」
と先生が丁寧に見てくれるのが、とても心強かったです。
子どもも検査に慣れてきて、視力が数値として上がったときには「ぼく、がんばった!」と嬉しそうに報告してくれます。
その姿を見るたびに、地道に続けることの大切さを噛みしめています。
治療は「未来の選択肢」を守るためにある
乱視や弱視の治療って、子どもの“今”の不便をなくすためのものでもあるけれど、それ以上に「将来、どんな道でも選べるようにするための準備」だと私は思っています。
例えば運転免許を取るにも、視力はとても重要ですし、警察官やパイロットなど、視力基準がある職業もたくさんあります。
今ちゃんと治療しておくことで、将来「やりたいことがあるのに視力のせいで無理」と諦めさせることがなくなる。
それって、すごく大きなプレゼントになるんじゃないかなと思うんです。
治療って、どうしても「大変そう」「かわいそう」と思われがち。
でも、未来を明るく照らすための前向きなプロセスだと気づいてからは、私自身の心の持ち方も変わりました。
眼鏡も、アイパッチも、検査通いも、全部“できることをしてあげたい”という愛情のかたち。
そして何より、子どもが自信を持って「見える」世界を歩けるようになるために、親子でできることは、たくさんあるのだと実感しています。
就学前ならまだ間に合う!視力の伸び代
「もしうちの子が本当に弱視だったら、この先どうなってしまうんだろう……」
3歳児検診で視力の問題を指摘されたとき、私の頭の中を支配していたのは、漠然とした“取り返しのつかない未来”への恐れでした。
「今この瞬間に、何か決定的な分かれ道を通っているんじゃないか」って。
でも、ちゃんと知ることで、その不安が「まだ間に合う希望」へと変わっていったんです。
視力の発達には“限られた時間”がある
まず知っておいてほしいのは、視力の発達にはタイムリミットがあるということ。
これは医学的にも明らかになっていて、視力が完成するのはおおよそ8歳から10歳頃までとされています。
つまり、10歳を超えると視力は“脳が覚えた見え方”で固まってしまうため、そのあとにどれだけ矯正しても、脳が「これが正しい映像」と認識してくれないことがあるんです。
怖い話のように聞こえるかもしれません。
でも、この事実を知ったことで、私の中では逆にスイッチが入りました。
「今、まだ発達途中なら、今こそチャンスなんだ」って。
3歳の検診で見つかったこと、それ自体が大きな救いだったんです。
眼鏡での“視力トレーニング”は、今だからこそ効果が出る
我が子の場合、初めて眼鏡をかけて検査を受けたときの矯正視力は0.7でした。
正直「たったそれだけしか上がらないの?」とショックを受けたのを覚えています。
でも先生がこう言ってくれたんです。
「これはスタート地点としては上出来ですよ。
視力はかけ続けることで、少しずつ育っていきますからね」と。
そこから毎日欠かさず眼鏡をかけて生活する中で、3ヶ月、半年とたつごとに視力はじわじわと伸びていきました。
最近では、眼鏡をかけた状態で1.0に届く日もあって、検査のたびに先生と一緒に小さくガッツポーズを取っています。
“矯正視力”ってどういう意味?
ところで、「矯正視力」という言葉、耳慣れない人も多いかもしれません。
これは、眼鏡やコンタクトなどで視力を補った状態で、どのくらい見えるかを示す数値です。
裸眼視力とは違って、「治療の成果」「今、脳がどこまで見え方を学習してきたか」を示す大切な指標になります。
つまりこの矯正視力を伸ばしていくことが、弱視や乱視の治療においての“目標”のひとつになるんです。
うちの子も、最初は矯正視力で0.7。
「運転免許がギリギリ取れるくらいの視力だよ」と聞いて、驚いたような、でも少し希望が見えたような気がしました。
未来の夢を叶えるために、今できること
息子は最近「将来はパトカーに乗る人になりたい」とよく言っています。
つまり警察官。
でも、警察官の採用には視力の条件があり、裸眼または矯正視力で1.0以上が必要とされています。
今のままでは難しいかもしれない。
でも、今ちゃんと治療を続けていれば、その夢に近づけるかもしれない。
だから私は、治療というより「未来の可能性をひらく時間」だと思って、息子と一緒に眼鏡生活に取り組んでいます。
目の前にいる我が子の、小さな“いま”を支えることが、やがて“大きな将来”をつくることにつながっていく。
その実感が、毎日の原動力になっています。
“間に合った”を現実に変えるには
「まだ間に合う」と聞くと、どこか救われたような気持ちになるかもしれません。
でも、それを“本当に間に合った”に変えるには、行動にうつすことが何より大事だと私は思います。
眼科の受診を後回しにしないこと。
眼鏡やアイパッチに戸惑わず、正しく向き合うこと。
そして何より、子どもの可能性を信じること。
この小さな積み重ねこそが、未来の
- できる
- 見える
- 選べる
片目塞いで大丈夫なの?アイパッチの目的
「えっ、片目をふさぐの?それって大丈夫なの?」「視力が落ちたりしない?」
子どもの視力治療で“アイパッチ”という言葉を初めて聞いたとき、私は正直すごく驚きました。
しかもまだ3歳の子に、片目だけ隠すなんて……。
なんだか無理やり見えないようにしているみたいで、かわいそうな気がしてしまったんです。
でも、医師の説明をしっかり聞いて、少しずつ気持ちが変わっていきました。
むしろこれは、“見える力を育てるため”の大切なステップなんだって、腑に落ちたんです。
「よく見える方の目」ばかり使う子どもの脳
人間の脳って、とても賢いけれど、とても効率重視でもあります。
たとえば、右目の視力が良くて、左目はぼんやり見えている場合、脳は自然と「右目ばっかり」使うようになってしまうんです。
でもそれって、裏を返せば「左目はずっと使われないまま育たない」ということ。
これが“片目だけ視力が伸び悩む”原因になってしまうことがあるそうです。
先生に「目も筋肉と同じで、使わないと育ちません。
弱い目を使わせてあげるために、強い目を一時的に休ませるんです」と言われたとき、その仕組みに納得しました。
アイパッチって、ただふさぐためのものじゃなくて、“もう一方の目にバトンを渡す”ための方法だったんですよね。
どんなときにアイパッチを使うの?
アイパッチが必要になるのは、主に以下のようなケースです。
両目の視力に差がある(左右で視力が大きく違う)
片目だけ近視・遠視・乱視が強く出ている
両目の治療中に、片方だけ急激に回復して差が開いてきた
片目だけ視野が欠けているなど、発達に偏りがある
うちの子も、最初の検査では両目とも視力が弱かったのですが、眼鏡治療を続けていく中で片目だけぐんと伸びて、もう一方が伸び悩むようになってしまいました。
そのタイミングで、医師から「視力にバランスを持たせるために、アイパッチを検討しましょう」と提案されたんです。
アイパッチ生活、どう乗り切る?
最初はやっぱり、嫌がりました。
目が見えづらいことで不安になるし、何より慣れない貼り心地が気になる様子。
でも、可愛い動物柄のアイパッチに変えたり、「これは目のヒーローになるための秘密アイテムなんだよ!」とちょっとしたごっこ遊びにしたり、いろんな工夫を重ねていくうちに、少しずつ自然に受け入れてくれるようになりました。
慣れてきたら、「◯分だけ頑張ろうね」「ご飯の前まで貼ろうか」など、時間を区切って無理のない範囲で続けていくと、子どもも主体的に取り組みやすくなります。
大切なのは、“続けること”と“焦らないこと”。
先生からも「完璧にやらなくていいんです。
できる範囲で継続することが一番大切です」と言われて、ホッとしたのを覚えています。
片目をふさぐことへの不安を手放して
「ふさいでいる間に、もう一方の目が悪くなるんじゃないか?」という不安も、私の中にはありました。
でも、アイパッチの使用時間や方法はすべて専門医の判断のもとで管理されていて、必ず両目のバランスを見ながら治療が進められます。
そして、何度も繰り返される視力検査や経過観察を通じて、医師と一緒に治療の進み具合を確認できるので、「何となくやっている」不安がなくなるのもありがたかったです。
アイパッチの先にある“視界の広がり”を信じて
アイパッチ治療は、毎日目に見える変化があるわけではないし、子どもにとっても負担になることがあります。
でも、その先にあるのは、「両目でしっかり見る力」が育っていく未来。
視力に偏りがあると、将来的に奥行き感がつかみにくかったり、片目だけに負担がかかって疲れやすくなったりすることがあります。
それを防ぐために、“見えづらいほうの目”を丁寧に育てていく。
その過程こそが、今後の生活の質を守ることにつながるのだと、私はこの数ヶ月で実感しました。
私たち親にできるのは、無理なく、でも確実に目の成長を支えていくこと。
たとえ小さなステップでも、子どもが前に進めるようにそっと背中を押してあげること。
それだけで十分なんですよね。
「片目をふさぐなんて…」という戸惑いから、「両目の未来を整えるためなんだ」と思えるようになるまで、少し時間はかかるかもしれません。
でも大丈夫。
少しずつでいいんです。
今その一歩を踏み出そうとしているあなたなら、きっと大丈夫です。
3歳児検診で乱視を指摘されたけど治るの?のまとめ
3歳児検診で乱視を指摘されたとき、私もまっさきに思ったのは「本当に治るの?」という不安でした。
まだ小さいうちに眼鏡をかけさせること、病院で検査を受けさせること、そのすべてが親として初めてのことで、胸の奥がざわざわして眠れない夜もありました。
でも、知れば知るほど「今だからこそできることがある」という希望も見えてきたんです。
視力の発達にはタイムリミットがあること、弱視や乱視は早期に気づけば改善の可能性が高まること、そして何より治療は“未来を守る選択肢”だということ。
眼鏡もアイパッチも、決してかわいそうなことではなく、「見える世界を広げてあげる」ための手段なんですよね。
小さな努力の積み重ねが、将来「できること」を増やしてくれる。
そう信じて、今を一緒に乗り越えていけたら、それはきっと子どもにとっても、自分にとっても大切な時間になると思います。
目の治療は、時間も根気も必要だけれど、焦らず、諦めず、一緒に歩んでいきましょう。
不安な気持ちが少しでも軽くなって、「やってみようかな」と思えるきっかけになれていたら嬉しいです。