母子分離不安とは、簡単に言うと子供が母親と離れることに不安を感じてしまう心の状態を言います。
これは、発達障害ではなく、発達過程として誰もが起こり得るもので、心の成長の一歩にとても大切なのです。
「母子」と名前がついていますが、母親のみではなく父親を対象にすることもありますし、母親のしつけが原因ということもありません。
なので、自分のことを思い詰めないでくださいね。
また、一般的には、3歳~5歳頃の集団生活に慣れ始めた頃に見られます。
ある程度時間が経過すると落ち着いてきますが、中には小学校に入学をしても状況が落ち着かず、身体的な症状が出てくる子もいます。
子供にとって、1番最善な方法を取るためには親としてどのようにしたら良いか、それは様々な方法や関わり方があります。
元保育現場で働いていた経験も踏まえながら、子供に対しての関わり方をお伝えをしますね。
母子分離不安は母親のせいじゃない!思い悩む前に相談出来る場所は?
最初にお伝えしますが、母子分離不安は、母親のしつけのせいではありません。
なので、自分のことを責めないでくださいね。
人間は皆が生まれながらに「不安」という感情を持っていて、自己防衛本能でもあり、生きていくうえで欠かせないのです。
成長段階で、どのような様子が見られたら母子分離不安症と診断されるのか、まずはお伝えしますね。
母子分離不安症と診断されるまでの過程は?
生まれたばかりの頃は、母親に依存をしていますが、子供は成長するにつれて、少しずつ母親との間に距離が取れるようになっていきます。
そして、集団生活の中で、自立して過ごせるようになっていくのです。
3歳前後の子供は、成長に個人差が大きいので、「他の子は自立しているのに、うちは出来ていない。」と、心配はしないでくださいね。
しかし、小学校に入学をする頃になっても、学童保育に預けられたり留守番をしたりするときに、強い不安感を感じてしまう子がいます。
場合によっては、不安状態から腹痛や頭痛といった身体的な症状が見られることがあります。
さらに通園・通学拒否などが見られる場合もあり、1ヶ月以上子供の様子を観察して子供にとって大きな負担が感じられていると判断されると「分離不安症」と診断されます。
子供の不安症について相談できる場所はどこ?
「もしかして、自分の子供は母子分離不安症なの?」と疑ったときに、一人で抱え込んでしまう母親は多いです。
子育てにあまり積極的でない父親がいる家庭の場合は、尚更母親への負担が多くなっていると保育現場では感じました。
もしも不安に感じたとしても、家族に1番最初に相談をする必要なんてないのですよ。
家族に相談しづらい内容でもでも、子供のことを気軽に相談できるおすすめの場所をご紹介しますね。
子供の不安症について相談できる場所①子ども家庭支援センター
子ども家庭支援センターというところは、18歳未満の子どもだとか、子育て家庭のいろんな相談に対応してくれる場所として、全国にあります。
相談以外にも、「ショートステイ」や「一時預かり」、「ケース援助」、「サークル支援」や「ボランティアの育成」などの活動を行っていますよ。
自治体によって名称が異なる場合があるため、ホームページにて確認の上相談をしてほしいと思います。
子供の不安症について相談できる場所②児童相談所
18歳未満の子どもの心や身体の成長に関して相談を受ける場所です。
また、家庭や学校での子供の問題行動が見られた場合に、本人や家族はもちろん、学校も混ざって皆で共通理解を持ってサポートを行う機関となっています。
専門職としてのスペシャリストが揃う場なので、相談する側にとっても心強い場所でもありますよ。
子供の不安症について相談できる場所③精神科
精神科では、多様な場面から総合的に考えて子供の成長や心のケアを進めています。
結果を判断してくれることはもちろん、患者にあった適切な治療法を提案してくれるので、早めの受診がおすすめです。
母子分離不安を克服するには?先輩ママが試した克服方法3選!
母子分離不安が特に見られる時期が、小学校入学のタイミングの子供です。
そのくらいの子供達を育てる家庭で実際に試した方法を3つご紹介しますね。
これから紹介する方法は、どれも簡単でかつ何も準備をするものがいらないというメリットがあります。
同じ悩みを抱えている家庭でも、すぐに実践出来るので、ぜひ試してみてくださいね。
母子分離不安に先輩ママが試した方法①子供と一緒にいる時間を増やす
家庭で十分に保護者に甘える時間を持つことが、愛着関係はもちろん離れていくことにも重要になってきます。
意識的に、子供と一緒にいる時間を確保するようにしましょう。
一緒に遊ぶことはもちろん、膝の上に座ることや一緒に就寝をすることも効果的です。
仕事や家事に追われて毎日慌ただしいとは思いますが、今一度子供と向き合う時間はしっかり取れているのか見つめ直してみても良いですね。
母子分離不安に先輩ママが試した方法②子供が安心出来る言葉をかけてから離れるようにする
子供が自分と離れても、しっかりと待っていてくれたことを褒めてあげることで、子供が安心して保護者のそばを離れることが出来ます。
集団生活に入る前から、段階的に支援センターや一時預かりを利用して保護者と離れる時間を作ることも大切です。
自分では当たり前と思っている
「待っていてくれて、ありがとう」
「必ず、迎えにくるからね」
といった言葉でも、母子分離不安の子供には「その言葉ひとつ」で、とても安心することができるんです。
なので、そういった「子供が安心できる言葉」を安心できる言葉を優しくかけてあげましょう。
母子分離不安の克服に先輩ママが試した方法③保護者が過干渉や心配のしすぎをしないように気を付ける
大人が想像するよりも、子供は新しい環境に慣れるのが上手です。
保育園で担任を務めていたときに、年少クラスの担任になると必ずと言っていいほど
「自分の子はちゃんと出来ているのだろうか」
と尋ねてくる保護者の方は数人いました。
もちろん心配する気持ちはわかりますが、大人が心配をしすぎると、かえってその心配が子供に影響することがあります。
ある程度は子供を信じて、ときには離れて見守ってあげることも大切なのです。
母子分離不安があるのは発達障害だから?のまとめ
普段から子供と関わる時に、甘えたい時にはたっぷりと甘えさせてあげる時間を持つということを心がけてほしいと思います。
そうすることによって、子供が持っている不安が徐々に減り、良好な親子関係を構築していけますよ。
そして、焦らずに自分の子供を信じて見守ってあげることも、立派な親としての役割になります。
是非、克服法を参考にして、これからの子供との関わり方を見つめ直していただけたら嬉しいです。