小学校の入学を控えた時期に、急な転勤や家庭の事情で引越しをしなければならない…
そんな状況になると、何から手をつけていいのか、頭の中が真っ白になってしまいますよね。
特に、子どもが初めての小学校生活を迎える大事なタイミングとなると、失敗できないというプレッシャーも感じてしまうものです。
しかも、引越しに伴う手続きは大人だけでも大変なのに、子どもの就学に関わることとなると、役所や学校への対応、書類の準備、スケジュールの確認など、やらなくてはいけないことが一気に押し寄せてきます。
さらに、初めて経験する方にとっては「何をどう進めればいいのかがまったくわからない」という不安がつきまといます。
この記事では、そんな保護者の方に向けて、
- 小学校入学前に引越しをする際に必要な手続き
- 実際にあったトラブルの体験談から学べるポイント
- 事前に知っておくと安心できる注意点
この記事を読むことで、少しでも心のモヤモヤが晴れて、スムーズに新生活の準備が進められるようになれば嬉しいです。
小学校入学前の引越しってみんなしてるの?
入学前に引越す理由は?転勤や家庭の事情が多い
小学校の入学前に引越すケースは実は思っている以上に多く、特に春の新生活が始まる時期には多くのご家庭がその準備でバタバタしています。
旦那さんの転勤が突然決まり、それに合わせて家族ごと引っ越すことになったり、親の介護や家族のサポートのために実家の近くへ戻る必要があったりと、家庭の事情はそれぞれ異なります。
引越しが入学の直前に重なってしまうと、保護者としては
「子どもが新しい環境にスムーズに慣れることができるのか」
「入学手続きはちゃんと間に合うのか」
といった不安も出てきますよね。
特に初めて小学校に入る子どもを持つご家庭にとっては、準備すべきことが多すぎて、どれから手をつければいいか迷ってしまうことも。
タイミングによって手続きの難易度が変わる!
引越しのタイミングは、手続きの大変さに大きく影響します。
例えば、年末年始や年度末(3月)の時期は、役所も学校も休みが多かったり混雑していたりするので、必要な手続きがスムーズに進まないこともあります。
しかもこの時期は、引越し業者の予約も取りづらく、費用が高くなることもあるんですね。
特に注意したいのが3月末に引越すケース。
これは多くの家庭が動くタイミングでもあるため、役所や教育委員会の手続きが混雑していたり、スケジュール的に新しい学校側の受け入れ準備が間に合わなかったりすることがあります。
実際に「入学説明会が終わったあとにしか転校先がわからなかった」というケースも。
ですので、できることなら引越しのタイミングは余裕をもって調整して、2月中旬~下旬あたりに引越しを済ませておくのがおすすめです。
まず確認!引越し前に見落としがちな3つのポイント
新住所の学区を調べておこう
まず大切なのは、新しく住む場所の「学区」をしっかり確認することです。
小学校は基本的に学区制となっており、住所によって通える学校が決まっています。
たとえ引越し先が今の家から車で数分程度の距離でも、住所が違えば学区も変わってしまうことがあります。
また、同じ市内であっても「通えると思っていた学校に行けない」というケースも珍しくありません。
そうなると、入学予定だった学校と違う場所に通うことになり、子どもだけでなく保護者も慌ててしまいますよね。
さらに、すでに入学説明会や健康診断を受けていた場合、それが引越しによって無効になってしまうこともあるんです。
なので、引越し先を決めるときは
「どの学区になるか」
「希望する学校に通えるか」
「学区外就学は可能か」
といった点を、あらかじめ市役所や教育委員会の窓口、または通わせたい学校に確認しておくと安心です。
最近は市町村の公式サイトに学区一覧が載っていることもあるので、チェックしてみてくださいね。
就学時健康診断の時期との関係
多くの市区町村では、毎年秋ごろに就学時健康診断が行われます。
これは翌年の4月に小学校に入学する子どもを対象とした重要な検査で、入学予定の小学校から案内が届くことが多いです。
もしこの健康診断の時点で、まだ旧住所に住んでいるけれども、実際の入学時には別の市区町村に引っ越す予定がある場合、少しややこしい対応が必要になります。
例えば、「旧住所の小学校で健康診断を受けたけれど、新住所の学校にも結果を提出しないといけなかった」というケースもあります。
健康診断の結果がどのように共有されるのか、転居後の学校に引き継がれるのかどうかは、自治体によって異なることも。
なので、引越しが決まっているなら、健康診断を受ける前に市役所や教育委員会、または学校に相談しておくとスムーズです。
役所や教育委員会の対応に地域差がある!
引越しに関する手続きや対応は、市区町村によって驚くほど違いがあります。
「転入届を出せば自動的に入学予定の学校に連絡が行く」と思っていても、実際には自分から教育委員会や学校に連絡しなければいけない場合もあるんです。
中には、役所の窓口で「特にやることはありませんよ」と案内されたにもかかわらず、学校側から「事前に説明を聞きに来てください」と言われた、という体験談もあります。
このように、担当者によって案内が違ったり、説明不足だったりすることもあるので、過信せずに自分でも確認を取ることが大切です。
また、引越し時期によっては教育委員会や学校が多忙になっていて、対応が遅れることも。
特に3月は新年度準備で混み合うので、早めに問い合わせておくと安心ですよ。
小学校入学前の引越しで必要な主な手続き
現住所で転出届を出す
まずは、現在住んでいる市区町村の役所で「転出届」を出すところからスタートです。
この手続きが完了しないと、新しい住所での手続きができないため、引越し前に必ず済ませておく必要があります。
転出届は基本的に窓口での申請が必要ですが、自治体によっては郵送やオンライン申請が可能な場合もあるので、あらかじめ確認しておくと安心です。
転出届を出すと、「転出証明書」という書類が発行されます。
これは次の市区町村に引越したときに必要になる大事な書類です。
無くしてしまうと再発行に手間がかかることもあるので、きちんと保管しておきましょう。
ついでに、印鑑登録の廃止手続きや児童手当などの変更も一緒に済ませておくとスムーズですよ。
新住所の役所で転入届+教育委員会への報告
新しい市区町村に引越したら、14日以内に役所で「転入届」を提出します。
先ほどの「転出証明書」と、本人確認書類、マイナンバーカードなどが必要になるので、忘れずに持参してくださいね。
転入手続きが済んだら、就学に関わる手続きも進めていきます。
多くの自治体では、転入窓口で教育委員会への連絡も一緒に行ってくれることが多いです.
ですが、自治体によっては別途教育委員会への申請が必要なこともあるので、その場で確認しておくと安心です。
教育委員会が把握することで、入学通知書の再発行や、転入学のための手続き書類が整えられます。
場合によっては面談や健康診断の情報提出を求められることもあるので、事前に必要書類を聞いておきましょう。
入学予定の小学校への連絡と確認も忘れずに
役所や教育委員会の手続きだけで終わり…と思いがちですが、実は「入学予定の小学校」にも直接連絡をしておくことがとても大切なんです。
学校によっては、入学説明会の資料配布や提出物の案内、制服や体操服の準備リストなど、独自の対応をしているところもあります。
また、健康診断の結果を事前に提出しておくよう求められたり、入学前に必要な物品の購入タイミングを教えてくれたりと、直接話してみることで具体的な準備がしやすくなります。
校長先生や担当の先生が親身に対応してくれることもあるので、連絡を入れるだけでも安心感がぐっと高まりますよ。
特に引越しの時期が3月など説明会が終わった後になる場合は、説明会資料を郵送してくれるようお願いするのもおすすめです。
体験談から学ぶ!よくあるトラブルとその回避法
役所の説明が不十分だったケース
実際に寄せられた体験談の中で、
「役所に行って『特に手続きは必要ありませんよ』と軽く言われたので安心していたら、実は入学予定の小学校には別途連絡が必要だった」
というケースがありました。
その方は、役所の窓口の対応が半笑いで、なんだか軽くあしらわれたように感じたそうです。
必要な手続きについて尋ねても、「大丈夫ですよ、通知がいきますから」と言われるだけで、詳しい説明がなく、かえって不安になってしまったと話していました。
結果的に、自分で学校に問い合わせたことで「事前に説明を聞きに来てください」という案内があり、間に合ったものの、「もし確認していなかったら大変なことになっていた」と振り返っていました。
このように、自治体によっては案内が不十分だったり、担当者によって説明内容にバラつきがあったりすることもあります。
信じて待つだけではなく、こちらから積極的に確認する姿勢が大切ですね。
入学予定の小学校に直接確認したことで解決
実際、小学校に直接問い合わせをしたことでスムーズに解決できた、という声は多くあります。
「電話一本かけるのは勇気がいったけれど、先生がとても丁寧に対応してくれて、必要な持ち物や説明会の資料も送ってくれた」といった経験談は少なくありません。
特に、引越しの時期が年度末に近いと、入学説明会がすでに終わってしまっていることもあります。
その場合でも、学校側に事情を話せば、過去の資料を送ってくれたり、個別に説明の時間を設けてくれたりすることがあります。
学校との連絡は「迷惑かも?」と思いがちですが、意外と親切に対応してもらえることが多いので、不安なことがあれば遠慮せずに連絡してみてくださいね。
健康診断の扱いは地域によって違うことも
就学前の健康診断に関しても、地域によって対応に違いがあります。
ある地域では「健康診断の結果は自動で引越し先に引き継がれる」とされていたのに対し、別の地域では「結果をコピーして持参してください」と言われることも。
こうした違いがあるので、健康診断を受けた際には「このあと引越し予定なんですが、結果はどのようになりますか?」とその場で聞いておくのが安心です。
場合によっては、書面でもらった結果を次の小学校に持っていくように指示されることもあります。
引越しの時期が健康診断のあとであれば、その結果をしっかり保管しておくことも大切です。
紛失してしまうと、再検査が必要になることもあるので、書類はまとめてファイルなどに入れておくと便利ですよ。
子どもへのフォローも忘れずに
引越しによる環境の変化に寄り添う
引越しの準備や手続きに追われていると、つい後回しになってしまいがちなのが、子どもの心のケアです。
でも、子どもにとっても引越しは大きな環境の変化。
慣れ親しんだ家やお友達、通い慣れた保育園や習い事から離れるというのは、大人以上に不安なことかもしれません。
新しい場所に対する期待と同時に、
「友達できるかな」
「先生は優しいかな」
といった不安や緊張を抱えていることも多いので、子どもが口に出さなくても、そっと様子を見て寄り添ってあげることが大切です。
もし落ち着きがなかったり、急に甘えん坊になったりしたら、それは環境の変化に対するサインかもしれません。
声かけやスキンシップ、夜寝る前のちょっとした会話の中で
「引越し、緊張する?」
「わからないことあったらママと一緒に調べてみようね」
といった言葉をかけてあげると、子どもも安心できますよ。
前の友達とお別れをする時間を持つ
仲良しのお友達とのお別れは、子どもにとってとても大きな出来事です。
突然「明日から会えないよ」と言われるより、
「あと何回遊べるかな」
「お別れの日にプレゼント渡そうか」
といったように、段階的にお別れの準備をすることで、気持ちの整理がしやすくなります。
例えば、手紙を書いたり、お絵かきをして「ありがとう」を伝える機会を作るのもおすすめです。
引越し先の住所や電話番号を交換しておけば、「また連絡できるんだ!」と前向きな気持ちになれますし、遠く離れてもつながっているという安心感が生まれます。
親同士でLINEグループをつくっておくと、子どもたちも交流が続きやすく、保護者としても安心ですね。
引越し直前の週末などにちょっとしたお別れ会を開いてあげると、子どもにとって良い思い出になりますよ。
新生活のワクワク感を一緒に見つけよう
引越し=別れ、だけでなく、「新しい出会いの始まり」でもあることを子どもと一緒に感じられるようにしたいですね。
例えば、
「引越したらどんな公園があるのかな?」
「新しい家の近くにアイス屋さんあるかな?」
といった楽しい話題をふくらませて、子どもが前向きな気持ちになれるようにしましょう。
一緒に引越し先の街を地図で見たり、ネットで調べたりして「ここ行ってみよう!」と親子で計画を立てるのも楽しいですし、新居での生活をイメージすることでワクワク感が高まります。
さらに、新しい小学校の通学路を実際に一緒に歩いてみたり、近所の子どもが遊ぶ場所を一緒に見て回ったりすると、「ここなら大丈夫そう!」と安心できる材料が増えていきます。
新生活のスタートを一緒に楽しむ気持ちで寄り添ってみてくださいね。
スムーズに進めるためのコツとまとめ
「役所+小学校」どちらにも早めの連絡を
手続きの基本は、役所と小学校それぞれにしっかりと確認をとることです。
どちらか一方だけに頼ってしまうと、必要な情報が漏れてしまったり、タイミングが遅れてしまったりすることもあります。
たとえば、役所では「教育委員会が対応します」と言われ、教育委員会では「直接学校に問い合わせてください」と案内されるようなことも実際にあるんです。
また、小学校側は引越してくる家庭の情報をすぐに把握できるとは限りません。
早めに連絡を入れておくことで、入学説明会の資料を取り置いてもらえたり、健康診断の結果を事前に確認してもらえたりすることがあります。
とくに3月のような時期は、学校も忙しく準備を進めているタイミングなので、できるだけ早めのアクションが安心につながりますよ。
地域のママ友や園長先生に聞くのも手
もし身近に同じような時期に引越しや入学を経験した人がいれば、実際の流れや体験談を聞いてみるのもとても役立ちます。
保育園や幼稚園の園長先生や担任の先生も、こうした場面では力になってくれることが多いです。
たとえば、「この地域の小学校は提出書類が多いよ」などの細かな情報も教えてもらえるかもしれません。
保護者同士のつながりから、役所や学校のリアルな対応や「これを準備しておいてよかった!」といった具体的なアドバイスが得られることもあります。
少し勇気がいりますが、知り合いのママに「うち、今度引越すんだけど…」と声をかけてみるだけでも情報がぐんと集まりますよ。
引越しそばで心もほっとリセット!
「引越しそば」ってご存知ですか?
これは、新しい土地での暮らしがうまくいくようにとの願いを込めて、引越し直後にそばを食べるという、昔ながらのちょっとした風習なんです。
細く長く、そして良縁をつなぐという意味も込められているそうですよ。
最近では引越し後のバタバタで食事がおろそかになりがちですが、そんな時こそ引越しそばで一息ついて、家族みんなで「これから頑張ろうね」と気持ちを整える時間を持ってみてはいかがでしょうか?カップ麺や冷凍そばでもOK。
ちょっとした心のリセットになるのでおすすめです。
まとめ
小学校入学前の引越しは、やることが多くて不安も大きいものです。
役所の手続きや学校との連絡、書類の準備に加えて、子どもの気持ちにもしっかり寄り添う必要があるため、保護者としては本当に気を張る場面が多いですよね。
とくに初めて小学校に上がる子どもを持つご家庭にとっては、「これで大丈夫かな?」「忘れていることはないかな?」と常に心配になってしまうもの。
でも、ポイントをひとつひとつ確認して、余裕をもって行動することで、慌てずに対応することができます。
役所だけでなく小学校や教育委員会への確認も早めに行うことで、トラブルの予防にもつながりますし、子どもにも落ち着いた雰囲気を伝えることができます。
手続きだけでなく、子どもの気持ちに寄り添いながら、できるだけポジティブに新生活をスタートできるよう、準備を進めてみてください。
新しい環境には不安だけでなく、出会いや楽しみもたくさん待っています。
家族みんなで力を合わせて、明るく前向きなスタートを切りましょうね。