思春期のストレス症状とは?見守る目安と相談すべき7つのサイン

最近、お子さんの様子が少し変わってきた気がする。

朝なかなか起きられない、口数が減った、些細なことでイライラする、お腹が痛い頭が痛いと言うことが増えた。

こういうとき、「これって思春期だから普通のことなのかな」「それとも、何かストレスを抱えているサインなのかな」って、判断に迷いますよね。

放っておいて悪化させたくない。

でも、過剰に心配して子どもをさらに追い詰めるのも怖い。

そのあいだで揺れている方は、きっと少なくないと思うんです。

この記事では、思春期の子に出やすいストレスのサインを「心」「体」「行動」に分けて整理しながら、「見守っていい変化」と「気をつけたいサイン」を見分けるための目安をお伝えします。

読み終わるころには、わが子の変化を落ち着いて受け止める手がかりが見つかるはずです。

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変化の多くは思春期によくあること でも見分ける目安はある

まずお伝えしたいのは、思春期に気分の波があったり、反抗的になったり、なんとなく不調を訴えたりするのは、ごく自然なことだということです。

厚生労働省も、思春期は心も体も大きく揺れる時期だと説明しています。

だから、お子さんの変化のほとんどは「成長の途中で起きていること」である可能性が高いんです。

ただ、なかには注意して見てあげたほうがいいサインもあります。

その境目を見分けるための目安が、いくつか分かっているんですね。

「いつから続いているか」「日常生活に支障が出ているか」「これまでになかった変化か」

この3つを手がかりにすると、ぐっと判断しやすくなります。

そして何より、お子さんの変化に気づいて、こうして調べているということ自体が、すでに寄り添えている証拠なんです。

焦らなくて大丈夫。

一つずつ見ていきましょう。

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なぜ「期間」と「生活への支障」で見分けられるのか

思春期の変化が「よくあること」なのか「気をつけたいサイン」なのかを、見た目だけで判断するのは正直むずかしいです。

同じ「朝起きられない」でも、ただ夜更かししているだけのこともあれば、体の不調が隠れていることもある。

だからこそ、いくつかの軸を組み合わせて見ていくことが大事になります。

思春期は心も体も大きく揺れる時期だから

思春期は、体が大人へと変化していくと同時に、心も「自分でありたい」という気持ちが強くなる時期です。

親から離れたい気持ちと、まだ甘えたい気持ちが同時にある。

この揺れ自体が、イライラや反抗、気分の浮き沈みとして表に出てきます。

だから、機嫌が悪かったり、反抗的な態度をとったり、急に無口になったりするのは、ある意味で順調に育っているサインでもあるんですね。(とはいえ、毎日それをぶつけられる親のほうはたまったものじゃないんですけど…)

一時的な波と注意したいサインは続く長さが違う

ここがいちばん大事なところです。

気分の落ち込みやイライラは誰にでもありますが、それが数日で戻るのか、ずっと続くのかで意味が変わってきます。

心の不調については、厚生労働省が紹介しているうつのサインの目安として、気になる状態が2週間以上続いているかどうかが一つの区切りとされています。

眠れない、食欲がない、気分が沈む、何をしても楽しめないといった状態が2週間以上続くようなら、一度相談を検討してもいい段階だと考えられています。

体の不調についても、一時的なものか、長く続いているかは大切な目安です。

あくまで一つの考え方ですが、心のサインなら2週間、体の不調ならもう少し長めに続くようなら気にかけてあげる、というイメージを持っておくと判断しやすくなります。

日常生活に支障が出ているかどうか

もう一つの大切な軸が、「ふだんの生活が送れているか」です。

学校を休みがちになる、食事がとれない、眠れない、家から出られない、自分の部屋にこもりきりになる、お風呂に入ったり身だしなみを整えたりしなくなる。

こうした日常への支障が出ているかどうかは、専門家も共通して重視している判断材料です。

たとえばイライラしていても、ごはんは食べられて学校にも行けているなら、まずは見守る範囲。

でも、生活そのものが回らなくなってきたら、サインとして受け止めてあげたいところです。

これまでになかった変化かどうか

厚生労働省が大切にしているのが、「これまではなかったのに、最近こういう様子が見られるようになった」という変化です。

もともと無口な子が無口なのと、よくしゃべる子が急に黙り込むのとでは、意味が違いますよね。

お子さんの「いつもの状態」を知っている親だからこそ気づける変化があります。

「睡眠」
「食欲」
「体調」
「行動」

この4つで「前と変わったな」と感じることがあれば、それは見てあげるべきポイントです。

うちの場合は、毎晩あんなにうるさかった「お腹すいた」の声が、ある時期からぱたっと消えたんです。

最初は「食べ盛りが落ち着いたのかな」くらいに思っていたけれど、よく見たら夕飯もほとんど残していて。

「あれ、いつもと違うかも」と気づいたのは、それから2週間ほど経ってからでした。

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心・体・行動に出るサインと見分けの具体例

ここからは、実際にどんなサインがあるのかを、「心」「体」「行動」の3つに分けて見ていきます。

同じ症状でも、出方によって意味が変わることがあるので、そこも一緒にお伝えしますね。

心に出るサイン

心のサインとしてよく見られるのは、イライラ、不安、気分の落ち込み、何をしても楽しめない、無気力といった状態です。

思春期では、反抗的な態度と甘えが交互に出てくること自体はよくあること。

さっきまで突っかかってきたのに、ふとした瞬間に甘えてくる。

この行ったり来たりは、自然な揺れの範囲と考えられています。

一方で気にかけたいのは、気分の落ち込みや無気力が2週間以上ずっと続いているような場合です。

表情が乏しくなった、好きだったものに興味を示さなくなった、といった変化が長く続くなら、心のサインとして受け止めてあげたいところです。

体に出るサイン

頭痛、腹痛、吐き気、不眠、だるさ。

思春期のストレスは、心よりも先に体に出ることが多いと言われています。

本人も「ストレス」と自覚していないまま、体が反応していることがあるんですね。

ここで知っておいてほしいのが、朝に強く出て午後には軽くなる、平日は不調なのに休日は元気、という体調不良のパターンです。

朝つらくて午後は元気になるパターン

朝、頭痛や腹痛、立ちくらみで布団から出られないのに、お昼すぎには元気になる。

こういう出方をするものに、起立性調節障害という体の状態があります。

日本小児心身医学会によると、これは中学生の約1割に見られるとされていて、決して珍しいものではありません。

大事なのは、これが「怠け」ではないということ。

日本小児心身医学会も、家族が「気持ちの問題」と捉えてしまうと、それがかえって本人のストレスになり、症状を悪化させてしまうことがあると説明しています。

朝起きられない子に「怠けないで」と言う前に、こういう体の状態があることを知っておくだけで、関わり方が変わってきます。

休日は元気で平日の朝だけつらいパターン

休みの日は元気なのに、平日の朝になると体調が悪くなる。

これは学校に関わる何かがストレスになっている可能性を示すサインのことがあります。

サボりに見えてしまいがちですが、本人の中にたまったものが体に出ていることも多いんです。

検査をしても異常が見つからない、症状が出たり引いたりする、訴えのわりに重そうに見えない。

こうした特徴があるときは、心の状態が体に影響している心身症と呼ばれるものが考えられることもあります。

行動に出るサイン

学校に行きしぶる、不登校になる、自分の部屋にこもる、口数が極端に減る、逆にスマホやゲームに過剰に没頭する。

こうした行動の変化も、ストレスのサインとして現れることがあります。

不登校は今、決して特別なことではありません。

文部科学省の調査では、不登校の小中学生は令和6年度に約35万4千人にのぼり、12年連続で増えています。

「うちの子だけ」ではないんです。

そして先ほどの起立性調節障害は、不登校の子の3〜4割にあわせて見られるとも言われています。

「行きたくない」の裏に、本当に体がつらい状態が隠れていることがある、ということですね。

すぐに相談してほしい緊急のサイン

ここまでは見守りや相談の目安をお伝えしてきましたが、これだけは別です。

「消えたい」「いなくなりたい」といった発言、自分を傷つける行為、自分の持ち物を人にあげてしまう、極端な自暴自棄

こうしたサインが見られたときは、様子を見ずに、すぐに相談してください。

このとき、「バカなことを言わないで」「何を考えてるの」と否定するのは避けたい対応とされています。

否定せずにそばにいて、後でお伝えする24時間の相談窓口を頼ってください。

やってはいけない関わり方

よかれと思ってやったことが、かえって子どもを追い詰めてしまうことがあります。

代表的なものを挙げておきますね。

「怠け」と決めつけて叱る、無理に登校させる、スマホを取り上げる、問い詰める

この4つは、関係を悪くしたり症状を悪化させたりしやすいことが知られています。

実際、無理に学校へ連れて行き続けた結果、持病が悪化して入院に至ってしまったお子さんの事例も紹介されています。

また、スマホを取り上げたことで親子関係が決定的にこじれてしまった、というご家庭の声もあります。

声のかけ方も、少し意識するだけで変わります。

避けたい声かけ おすすめの声かけ
ちゃんと勉強してるの? 焦らなくていいから大丈夫だよ
みんな行ってるんだから頑張りなさい 行けなくても行けても、どっちでもいいよ
どうして行けないの? つらいときは言ってね

問い詰めると、子どもは口を閉ざしてしまいがちです。

答えを急がず、「いつでも話を聞くよ」という姿勢でいるほうが、結果的に子どもは話しやすくなります。

正直に言うと、私も最初は「起きなさい!学校でしょ!」って毎朝どなっていました。

布団から出ない我が子を見て、サボってるんだと本気で思っていたんです。

でも、午後になるとケロッと元気になるのを見て、「あれ、これ怠けじゃないのかも」と。

声かけを「今日はしんどいんだね」に変えたら、ある日ぽつりと学校でのことを話してくれて。

あのとき問い詰めるのをやめて、本当によかったと思っています。

子どものタイプによって関わり方は変わる

同じサインが出ていても、子どものタイプによって合う関わり方は違います。

人と関わるのを避けるタイプ、激しくぶつかってくるタイプ、何の反応もしないタイプ。

タイプによって、そっとしておくのがいいのか、根気よく声をかけ続けるのがいいのかが変わってきます。

だから、「この対応が正解」と一つに決めてしまわないことも大切なんです。

わが子に合うやり方を、少しずつ探っていけば大丈夫です。

相談できる場所を知っておくと安心できる

「相談したほうがいいかも」と思ったとき、どこに行けばいいか分からないと、一歩が踏み出しにくいですよね。

だいたいの役割を知っておくだけで、いざというときに動きやすくなります。

体の不調が中心なら、まずはかかりつけの小児科へ。

起立性調節障害や貧血など、体の状態が隠れていないかを見てもらえます。

学校生活が関係していそうなら、スクールカウンセラーへの相談が入り口になります。

心の状態が中心のときは、児童精神科や心療内科、思春期外来といった専門の窓口があります。

すぐに、無料で、匿名で相談したいときのために、こうした窓口も覚えておいてください。

窓口 電話番号 特徴
24時間子供SOSダイヤル 0120-0-78310 24時間・無料
チャイルドライン 0120-99-7777 18歳まで・16〜21時
よりそいホットライン 0120-279-338 24時間・無料

なお、お住まいの自治体によって使える相談窓口は変わってきます。

お近くの精神保健福祉センターなどに問い合わせると、地域に合った案内を受けられますよ。

父母で対応が割れたときは

「もっと厳しくすべき」というお父さんと、「受け止めてあげたい」というお母さん。

ご夫婦で考えが食い違うことは、本当によくあります。

困るのは、対応がバラバラだと子どもが逃げ場をなくしてしまうこと。

どちらが正しいかを決めるより、「この子が今いちばん安心できるのはどっちだろう」を一緒に考えてみる。

それでも難しいときは、第三者である専門家に間に入ってもらうのも一つの方法です。

変化に気づけたあなたなら大丈夫

最後に、大切なところをもう一度整理しておきますね。

  • 思春期に気分の波や反抗、ちょっとした不調が出るのは、ごく自然なこと
  • 見分ける目安は「2週間以上続くか」「生活に支障が出ているか」「これまでになかった変化か」
  • サインは心・体・行動に出る。朝つらく午後元気、平日だけ不調なら体の状態が隠れていることも
  • 「消えたい」などの発言や自分を傷つける行為は、すぐに相談を
  • 怠け扱い、無理な登校、スマホ取り上げ、問い詰めは避けたい関わり方
  • 体の不調は小児科、学校のことはスクールカウンセラー、心のことは専門の窓口へ
お子さんの変化を「異常」ではなく「思春期によくあるサインの一つ」として受け止められると、不安に振り回されずにすみます。

そして、見守っていい変化と気にかけたいサインの違いが分かっていれば、必要なときに、必要なだけ寄り添ってあげられます。

わが子の小さな変化に気づけたということは、それだけお子さんを見ているということ。

その目があれば、きっと大丈夫です。

完璧な対応なんてなくていいんです。(私だって、いまだに毎日手探りですから)

今日からいきなり全部やろうとしなくていいんです。

まずは「いつもと違うな」を、少しだけ意識して見てみる。

それくらいの気持ちで、お子さんのそばにいられたらいいですよね。